突然の王子様との再会
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なんか、あの年下君。あれから随分と積極的ー。
やたらと口実見つけては、あたしに話しかけてくるんだよねー。
名前は確か、ロト君だっけか。顔立ちもなかなかカワイイ顔してる。
でもダメ。あたしには、もう心に決めた王子様が……。アーサー様、どこでなにをしてるの?
あの大きくて切れ長の目がセクシー。年上イケメンの魅力全開って感じなんだよねー。
あっ、今ならアーサー様のところに飛んでいけるかも。
「いざ。瞬間移動の魔法! アーサー様の元へ、飛んでいけー! エイ!」
そーなんだよねー……。はっきりとした記憶じゃなく、あたしの描いたイメージじゃ、駄目なんだよねー。
もう、わかってるのにやっちゃう。
虚しい……。凄ーく虚しい。
まだ十七歳なのに、恋すらまともに出来てないなんて……。
あぁー。いっそのこと、浮気しちゃおうっかなぁー。なーんて、馬鹿なこと考えてみたりして。
って!? って!? ちょっと離れてるけど、目の前に見えるのは、もしや王子様!
えっ、えっ、えっ!? もう突撃するしかなーーい!
「瞬間移動の魔法! エイ!」
「なんだぁー!? いきなり、どこからともなくぶつかってきやがって!?」
「すみません。アーサー様。突然押し倒してしまいまして。この村になにか御用ですか? もしかして、強くなりすぎたあたしに御用とか?」
「なにを言ってるんだ、お前は? そんなの知るか!」
「そんな、お前だなんて言い方。でも、悪い気はしない」
「だから、さっきから一人でなにを言ってるんだお前は?」
「いやぁー。ここにスマホがあったら一緒にツーショット写真を撮るところなんですけどねー。でも、この世界には残念ながら、そのスマホがないから」
「だから、さっきからなんの話をしている? オレはこの村の村長に呼ばれて来たんだが」
「えっ、えっ、えっ!? そんな簡単に呼べば来てもらえたんですか!? だったら、もぉー、早く言ってくださいよ! それで、どちらに連絡すればいいですか?」
ここは今後の為にも、絶対に知っておきたい!
「ここに魔法使いの爺さんがいるはずだが」
「はい。あたしの師匠のことですね」
「それがオレの曾祖父だが」
「えーーっ!? 師匠のひ孫さーーん!?」
「別に、そんなに驚くようなことか?」
「いや。でも、アーサー様は、魔法使いではないですよね?」
「オレは勇者だからな。だから、魔法もそれなりに使えるぞ」
「その、それなりとは?」
「ちょっとの魔物ぐらいは、魔法で倒せる」
そのちょっとって、どれぐらい強い魔物のことなんだろ? アーサー様と一緒に魔物退治に行きたいなぁー。
「あのぉー。つかぬことをお伺いしますが、村長にどのような用件で呼ばれたのでしょうか?」
「だから、それを今から聞きに行く。せっかくだから、お前もついてこい!」
「えーーーっ!? 一緒にいっていいんですかぁー! では、ご一緒に」
そういえば、今さらだけど、村長にはまだ会ったことがなかったんだよねー。いったいなんの用なのかなぁー。楽しみ!




