いざ、瞬間移動の魔法!
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さて、お次はどんな魔法を覚えましょうか。
でも、せっかく覚えるんならぁー、もっと実用的な魔法がいいよね。
どこでもドアのようなぁー、一瞬で別のところに行ける魔法。
そしたら、いつでも王子様に会いにいけるんだけどなぁー。
ところが、フフフふふ……。それがもう見つけちゃいました!
瞬間移動の魔法!
魔法書には、実際に見えてる場所や、はっきりとイメージできた場所や人のところに、瞬間移動できるって書いてたもんねー。
だから、ぜーんぶ暗記したんだから!
では、まずは目の前に見える10m先の木の前に瞬間移動!
「ハイ!」
おっかしいなぁ~、一歩も前に進んでない。
唱えた呪文も間違いないはずだし、そんな難しい魔法って感じじゃなかったんだけどなぁー。
なにが違うの?
勢い? 気持ちに勢いが足りないのかもしれない。
いっそのこと熱い気持ちを込めて走ったら、瞬間移動するんじゃない?
では、早速!
「せーのっ!」
目の前の木に向かって、瞬間移動!
「ハイ!」
やったー! 瞬間移動! って、木にぶつかる!?
「あっぶなぁー。危うく木に衝突するところだったよ。どこかのベタなコントじゃないんだから、次からは気をつけなくっちゃ」
それじゃ、遊んでないで、練習、練習!。
次はあそこへ!
「ハイ!」
次!
「ハイ!」
また次!
「ハイ!」
よーし、3回連続で成功!
距離も最高で、100mは行けたかな。
やっぱり、あたしって天才かも!
では、まずあたしが瞬間移動で行ける、具体的にハッキリとイメージできる場所といえば、取りあえず師匠の家!
では。
「ハイ!」
やったぁーー! 目の前にない場所にも、瞬間移動できた!
そしたら、いよいよですよ! 満を持してと言いますか、いざ王子様のところへ!
「ハイ!」
王子様の元へ届け、あたしの熱い恋心!
って、なんでぇーー!? あんなに熱い気持ち込めたのに。
それなら、全力疾走で。
「ハイ!」
「もぉーー!? 全然、瞬間移動しないじゃない!? どーいうことよ!?」
あっ!? まさか!?
王子様をハッキリイメージできてない?
「そんなの無理だよーー!? あんな短いほんのわずかな時間会っただけなんだもん! もう、あのカッコイイ雰囲気しか憶えてない。それじゃ、絶対に無理じゃーーん!」
あぁー。ただ虚しさだけが残る。
あたしと王子様の恋の行方っていったい……。
この世界にもスマホがあれば、王子様の写真を何枚も撮って、ツーショット写真だけじゃなく、動画も撮って、SNSのアドレスも聞けたのにぃーー!
「なんで、この世界には、スマホがないのぉーー!」




