大成功!
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とは言っても、せっかく師匠に教えてもらった魔法。やりはするんだけどねー。
さて、練習。練習ー。では最初になにを仕舞ってみようかな。えーとですねー。なにがいいかなぁー。最初は小さいものがいい……。って、待って、待って!?
最初にあたしが思った、大きな鉄の盾とかじゃないと意味がないよね。
でも、その大きな鉄の盾ってどこにあるの? それにその大きさは? それで、この村の中にあるの? そして、タダで貸してもらえる?
もぉー、「あなたはいつも行き当たりばったり」だって、お母さんにいつも怒られてたなぁー。元気かなぁー、お母さん……。
って、こんないまは泣いてる場合じゃない!
取りあえず、ちょうどいい大きさの盾になるようなものを探そう。
どんなものがいいかなぁー。出来れば、硬くて大きくて、すっごい丈夫なのがいいなぁー。
固くて大きいもの……。ん!? この前、増築してた、村を囲っていた石の壁は……。
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「スミマセーーン!」
「はい。なんですか、巫琴サマ」
「いや、そのサマだなんて、そんなたいそうな者でもありませーん。言われて、ちょっとは嬉しいけど」
それでなにか御用ですか、巫琴サマ」
「あの。凄く申し訳ないんですが、このいま作ってる途中のこの石の壁。あたしにいただけませんか?」
「えっ!? どういう意味ですか?」
「またみんなを守らなきゃいけないときに使いたいんです!」
「よくはわかりませんが、それなら目的は同じなのでかまいませんよ」
「やったー! ホントですかー! ありがとうございます。では、早速!」
隠匿の魔法……呪文……。
「小さくなって、秘密の場所に隠れろ!」
「やったー! いきなり一発目で成功するなんて、あたしってやっぱ天才かもー! 魔法はイメージが大事って、誰かが言ってたもんね。その誰かは忘れたけど」
あれ? いまの魔法見て、この人たち驚いちゃってるー?
「あの、大丈夫ですよ。消えてなくなったわけじゃなく、ちゃんと別なところにありますから。それに必要なときには出すんで安心してください!」
「はぁ……。そうですか。それでは、あの壁は大事に使って下さい」
「はい! もちろんです!」
取りあえずこれをー、今度は村の外で出してみますか。
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「エイッ! 出てこい、石の壁!」
これで、元の大きさで出すのにも成功!
モノを大きくする魔法もどっかに書いてあったけど、出してまた大きくする手間を考えたら、絶対に最初から大きいものを仕舞ってた方がいいよね。
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