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これ読んだらカツ丼食って寝ろ

貴方にとって最高のカツ丼の食べ方は有りますか?

最高のカツ丼ではありません。

最高のカツ丼の食べ方です。

私はねー

サラリーマン時代月末深夜まで及ぶ棚卸と決算でね

疲れ火照った体を引きずって富士そばの暖簾をくぐるのが好きでした。


勿論注文は冷たい蕎麦のカツ丼もりそばセット。

甲高い発券機の音を聞きながら店内に入れば既にカツを上げている音がします。

給水機で水を汲み口の中を清めカツ丼を迎え入れる準備をします。

カツ丼もりそばセットが来たら速やかにカウンターに座り愛でます。

暖かい蕎麦はダメですよ。ワサビが付かないからね。

付いてきたワサビはカツの上に塗ります。

その後蕎麦チョコにネギをぶっこんで

蕎麦をめんつゆにびっちょりと付けます

江戸っ子を気取ってちょっとだけなんてしちゃだめだよ人生短いんだから。

そのそばをカツ丼の上に一度わんばんさせて飲み込みます

この時、カツの上に塗ったワサビがそばに少しだけ付いてピリリとした風味がその後のカツより引き立たせます。

そうしたらかつにワサビを絡ませながら

一口その後ご飯を掻っ込みますが

箸の入射角度に気を付けてください

30歳未満ならご飯に対し80度で差し込んでも構いませんが、

36歳以上は36度以下にしてください。

確度がキツイとご飯を飲み込む速度が速くなって

デザートにカレーを食べてしまう恐れがあります。

入射角度が浅ければ

あたかも隕石が大気圏に突入する時に跳ね返される様に

適度なご飯の量が箸にのりユックリと食事を楽しめます。

ご飯が減る量に合わせてカツを飲み込む量も調整しましょう。

5口目から15口目までは深く考えず本能のままに流し込みます。その間カツに塗ったワサビの風味を楽しみましょう。

ワサビには油物が合います。

お寿司で例えるとタコやイカにワサビを付けると

ツンと刺激が強いですが、トロやハマチにつけるとまろやかに感じます。

エビフライや唐揚げ、トンカツ等の揚げ物を食べる時は

是非ワサビを添えて下さい。

ワサビのあっさりした風味と揚げ物のこってりが合わさりモタレヲ感じずに食事を楽しめ効率的に太れます。

トンカツにはワサビだと桑田さんも言っていました。


ではカツ丼に戻ります。

既に物語は佳境に入っています。

本当はたくあんで器をねぶりたい所ですが、富士そばの漬物はたくあんではないので、その技は使えません。

玉ねぎが大きくて、ある程度シャキシャキ感があれば同じく器をねぶれますが、玉ねぎが無いのでそれも出来ません。

最後の手段はカツの端っこです

この滑らかな曲線を使って器を磨き寂しがり屋の米粒たちを集め同時に衣に残っている油を落とし、

口に含めば口内に小さなカツ丼が再現でき

最後までカツ丼は貴方の中に残り続けます。

後は残った水で口を清めあと腐れ無い関係を維持しましょう。

いつまでも口の中で楽しんでいるとしつこ過ぎて

嫌い嫌われてしまう関係になってしまいす。

それでは皆さん良いお年を。


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