あの時のODAが植民地支配からの独立を支えた。
独立には
軍事的独立
経済的独立
政治的独立
精神的独立
の4段階があります。
1980年代のマレーシアは発展途上国から先進国へ成長しようと
もがいていた。
しかし宗主国であったイギリスは、マレーシア国民に対して
「マレーシアが近代産業国家になるためには、イスラム教から
キリスト教に改宗しなければならない。キリスト教国家でなければ近代産業国家を築く事は無理だ」と改宗を迫り独立の最上位概念、
精神的独立を侵してきていたんだ。
この思想の元となった書籍が
マックスヴェーバーが書いた「プロテスタンティズムと資本主義の精神」だ。
資本主義・近代産業国家が成立した背景には
キリスト教の予定説が必要だ。よってキリスト教国家でなければ近代産業国家はつくれないとイギリスは主張していたんだ。
1980年代に近代産業国家として発展していたのは
アメリカ、イギリス、ドイツ等のキリスト教国家ばかりだった。
当時のマレーシア首脳部はこの思想に学問的に反論が出来ず
物凄く悩んでいた。
そうした絶望感の中でふと東を見てみると
「日本があるじゃん!」
同じアジア人国家である日本は
イギリスと同盟を結び
ロシアと戦争して
つい最近は敗戦国になり、原爆2発落とされて国が焦土になったのに
瞬く間にイギリスを追い抜いて世界第2位の経済大国になり
G7の一員という立場を築いている。
経済的に発展しなければ、政治的独立も精神的独立も出来ないんだ。
これがマハティール首相が提唱した「ルックイースト」の考だ。
当時の日本はODAと称して途上国にお金をばら撒いた。
政治家はキックバックが目的だったかもしれないが、
軍事的に独立はしたものの精神的、経済的侵略に晒されていた
途上国には絶対に必要なお金だったんだ。
経済発展しなければ独立の精神も失われちゃうんだ。




