最低賃金上昇で切り捨てられる人々
私が小売業の店長をしていた頃どう教えても仕事が出来ない、
覚えられない子が1割程度いました。
1つの業務なら黙々とこなせるのですが、
2つになると途端に混乱し
お店の道具を無くします。
それでも何とかこなせる業務を割り当て
その業務から解放された人が難易度の高い仕事をする様に配分していました。
しかし月1500万円程度の売上げ規模では単純作業もそこまでなく、
どうしても1人で複数の業務をこなす必要がありました。
忙しい時には、トラブル覚悟でそういった子に仕事を振る事がありました。
小規模店舗はマルチタスクを求めざるを得ないのです。
石破首相は2020年代に最低賃金を1500円に引き上げる目標を掲げていますが
小売業の店長経験者から言わせてもらえば、最低自給を無理矢理上げると
生産性の低い人、複数の業務が出来ないアルバイトさんには
辞めてもらう事になるでしょう。
お店の売上げが毎年少しずつでも増えれば簡単な業務量も増え雇う事が出来ます。
切り捨てられる人を減らす方法を経済成長以外私は知りません。
経済成長を伴わない最低賃金の上昇は失業率を上げ、生活保護や失業保険等の
社会保障関連費用を増大させます。
最低賃金を上げても日本全体の所得は増えず、弱者切り捨てが進むだけです。




