レベル3ステージ7:仲間の存在と仲間(5)
前回のあらすじ
ジラードにボコボコにされた快は夢から覚め、ジラードに問い詰めるが成果出ず。それにより、ジラードに宣戦布告したのだ。
それから特訓のメニューを俺は本気でやった。どれだけ疲れようが、どれだけやられようが自分を貫き、強さだけは追い求めた。そんな俺を見て、ランスロットは心配そうな顔になった。
「な、なぁ快よ。そんなに無理して大丈夫なのか?」
「大丈夫です。速く次のより厳しい特訓を。」
それで俺は特訓をこなしていくうちに、よりハードブルなものも請け負うようになった。それを受けるようになり1週間が経過してところで、俺はアルトリウスに無茶をしすぎだと言われて、2日間部屋での待機を命じられた。俺は部屋でもジラードを超えることだけを考えて、腕立て伏せをしていた。
「ふぅー。ふぅー。」
もやもやする気持ちを隠しきれずイライラしていた。
トントン
俺が腕立て伏せをしていると、入口のドアからノックが聞こえて、俺は振り向いた。そこにはソラ、メルシア、ボディラダとアルトリウスがいた。
「どうしたんだよ、皆。」
「ご主人が心配になりまして。」
ソラが代表して、そう言う。
「ご主人があの女性と話して変わられたのは承知ですが、少し自分達とお話しませんか?」
俺はその受け入れを断った。
「これは俺だけの問題だ。皆には悪いが、俺は話す気はない。」
俺がそう言うと、メルシアは近づいてきて
ベチーンッッッ!!!
俺の頬へビンタしてきた。俺は咄嗟のことで何がなんだが分からずにフリーズした。そこへメルシアが俺の頭を撫でて、抱き締めてくれた。
「快さんは私に言ってくれた。優しさは捨てるのではなく、受け止めるものだって。メルはね、そんな快さんが大好き。だから、私の大好きな快さん、戻ってきてください。私たちの優しさを受け取ってください。」
俺はその言葉で思い出した。自分がどういう者なのかを。すると、ボディラダとアルトリウスはメルシアに同調した。
「私は正直、ここまで仲間を愛して、仲間から愛される存在を見たことがない。そんなあなたを私は惚れ込んだのよ。」
「僕もあなたに教えられた。あなたに気付かされた。僕は現状、仲間ではない立ち位置になりますが、私もソラさん、メルシアさん、ボディラダさんと同じようにそんなあなたを望んでいるのです。」
あぁ、そうか。俺はたくさん支えたつもりでいたけども、支えられていたのは俺なんだな。その瞬間、俺のなかにあったもやもやする気持ちが消え去った。そこに仲間の存在、優しさが俺のなかに入ってきた。俺は思わず涙した。
「ご主人泣いてますね。」
「本当だぁ。」
「もらい泣きしそうです。」
「泣かないでくださいよ。」
俺は涙を拭き取り、「泣いてねぇし。」と言った。そして、俺はボディラダに身体を向けた。
「なぁ、ボディラダ。今度からは俺の兵士ではなく、俺の仲間として俺を支えてほしい。お願いできるか?」
「もちろん!」
今までボディラダは兵士でいいと言ったが、ボディラダが俺のなかで本気で大切な存在になってしまった以上、そうは言ってられないからな。俺はボディラダを正式に仲間として迎い入れた。
ボディラダが仲間になった。▼
その後俺は、俺の2日間待機に動じて、休暇を取った4人と俺のことを心配してきたランスロットやソラ、メルシア、ボディラダの相方のキールタさん、クレードネさん、ガラハッドさんも混ざり、2日間を楽しく過ごした。
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今回も読んでいただきありがとうございます。レベル3ステージ7いかがだったでしょうか?
レベル2ステージ9で快が言った言葉をメルシアが言うという展開でしたが、どうでしょうか?ありがちと考えるべきか、これでよしと考えるべきか悩みます。話は変わりますが、ついにボディラダが快の仲間となりました。出会った当初で良くない?と思いがちですが、文にもある通り、ボディラダは仲間としてではなく、ある意味、快の手足になるという風に言っていました。詳細はレベル2ステージ12ミッション11にて
次回も絶対に見てね