ステージ9:仲間(2)
前回までのあらすじ
集落と村が一つになり、一つになった記念に宴をしていた。快の監視で送り込まれたガレンとミヨも参加した。
そんななか、快は女性を探すべく機械のところに向かい、その機械が"ロイヤル王国"産だと分かった。
快たちは次の朝も朝から宴をしていた。ガレンとミヨは速めにアンナイに知らせなければ、ならないと言って帰っていった。快はもう少しだけ楽しんでいく方向を選択した。なぜなら、今、迂闊に行動すればあの女性にバレかねないからと踏んでのことだった。
「ところで永瀬さん。」
「はい。」
俺が少しお酒を飲んでいる時に村長さんが話しかけてきた。
「あなた様は一人で冒険者をしておるのですか?」
「えぇ、一応は。」
俺は少し苦笑いした。
「一応は冒険者は一人でも出来ますが、複数で行ったら良い特典がついてきますよ。」
「特典とは?」
「実はですね。依頼でもらえるお金は一人分の金額なのです。だから、二人、三人で依頼を受けますと料金が二倍、三倍と増加していくのですよ。」
それは旨い話だな。それならメンバーを集めるべきだけれども…俺はFランクだし、それに冒険者で出会ったのがガレンとミヨが初めてだからどうしようもないと言ったらどうしようもない。
このように快が悩んでいると、村長は「少し待っててくださいね。」と言いながら、コブのところへ行った。
しばらくすると村長はコブと一緒にかごを持ってきた。その中には鳥がいた。
「この子、実は飼い主がいなくてですね。コブさんたちが世話をしていたのですが、少し食料的にも少し問題が出てきていました。そんな時にこの村に合併されましたので、皆で育てようと思っていました。ですが、快様のお礼を金1枚では少なすぎますので、この際に新しい飼い主をつけてみるのはいかがかなと思いました。」
「でも、良いのですか?せっかく育ててきたのに。」
快が申し訳なさそうにするとコブが首をふった。
「そんなことはありませんよ。あなた様のお礼が金1枚なのは本当に心もとないです。でも、私たちは何も持ち合わせていません。それに…この子も快様と行きたげですよ?」
快が顔を覗くと、目をキラキラさせた鳥がいた。
「分かりました、この子を大事に育てますね。」
「そう言っていただけるとありがたいです。最後に2つよろしいですか?」
俺がさて、名前をと思ったら、コブが止めた。
「名付ける前に一つ。ただ、名付けると少しもったいないので"紋章"を使うのはどうでしょう?」
「紋章なんですか、それ?」
「紋章と言うのは、その名前を名付けた人とその魔獣や魔人にかなりの意志疎通をできるようにするだけじゃなく、お互いの生命力が分かるというオマケが出てくるのです!どうでしょう?」
俺は少しでもこの鳥のことを分かるようにするため、頼んだ。
~数分後~
紋章ができあがり、それを俺と鳥に引っ付けた。
「それでは名付けてみてください。あなたの中にこの子の意志が流れてきますよ!」
俺はもう名前を決めていた。俺のように…ではなく、俺よりも遥か上の自由を求めて空に飛んでいって欲しいという思いを込めて。
「君の名前は"ソラ"だ。よろしく、ソラ。」
すると、なにかが体のなかで回り始めた。ソラのことがなんでも分かるようになった気分だ。
「それでは宴の続きをしましょうか!いくぞ、ソラ!」
ソラがコクりと頷き、快とソラは宴の続きに舞い戻った。
ソラが仲間になった。▼
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今回も読んでいただきありがとうございます。ステージ9いかがだったでしょうか?
快に新たな仲間が増えて、パーティーが作れるようになりました。ですが、快は人間、ソラは魔鳥なのでここからどう動くかを少し考えねば…。
それでは次回もお会いしましょう。