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願い  作者: 大和
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福智山城(前編)

第7章「福智山城」(前編)


 

天正8年(1580年)


 ーーー安土城ーーー


織田信長 「日向守(光秀),“丹波平定”を命じ4年,長期に渡り在陣し数々の戦果をあげたのは比類なき功績。比叡山焼き討ちでの武功“近江国滋賀群5万石”に丹波国攻略の恩賞とし“丹波一国29万石”を加える。誠に大義!!」


光秀  「有り難きお言葉。恐悦至極。これまで以上に親方様の御力となり,この光秀さらなる活躍をご覧に入れまする。」


 ーーー坂本城ーーー


光秀 「此度は皆の活躍あって丹波を平定し,近江国滋賀群を加え34万石の領主となった。深く感謝致す。我等は親方様に付き従い,“天下統一”に向けさらに尽力を尽くす所存である!!」


家臣一同  「オッーーー!!」


家臣  「しかし,織田家重臣の“荒木村重”殿が謀反を起こすなど・・・。」


家臣  「申す通りだ。村重殿も愚かな男である,信長公(おやかたさま)に謀反を起こすは・・・。」


家臣  「全く,荒木一族は処刑となったそうだ・・・。」


光秀  「口を慎め!!親方様に反旗を翻した事は許しがたい。しかし,村重殿は心優しく領民想いの方であられた。それ故,天下統一の為に犠牲をいとわぬ時に残虐な一面が恐ろしかったのかもしれん・・・。」


 この時私もその場におり,十兵衛様がこぼした信長公の残虐な一面を聞き,後の事件につながるのではないかと思いました。

 そして再度,私にも難題が訪れる事になります。


光秀  「大和,少しよいか!?」


私   「ハッ。何用で御座いますか?」


光秀  「ウム。丹波を平定し,国の平穏を保つ為に城を修復,築城せねばならん。そこで貴方に頼みたいのだが,“難攻不落の城”を築いてくれぬか!?」


私  「・・・!?。」


 またしても難題です。

 建築など携わった事がなければ,その知識もなく,城の築城などできるはずがありません・・・。

 私は悩み,今や明智軍で戦う中,十兵衛様の重臣である“斉藤利三”様を慕い,“斉藤利三”様に相談する事にしました。


利三  「大和,殿より貴方に“難攻不落の城”を築くよう仰せがあったようだが,事は上手く進んでおるのか?」


私  「その事で御願いの義がこざいまして斉藤様を訪ねました・・・。」


利三  「申してみよ!!」


私   「恐れながら,私には城の築城など一切の知識がございません・・・。」


利三  「ハハハ!!。確かに多少の武功をあげた程度の貴方に城の築城など無理な事であろう。しかし,殿の命令は絶対である,やり遂げねばなるまい。落城した“横山城”はどうか?“丹波亀山城”からも近く,丹波を治めるにあたり必ず必要な拠点となるはずだ。修復,改城すると良い!!築城に頼りとなる者を何人か貴方につかせよう!!」


私  「有り難き御心使いと御配慮。恐悦至極に存じます。御好意に甘え,事を進める次第!!」


 (余談ですが“斉藤利三”について述べます。後に“徳川家康”によってひらかれた“江戸幕府”におき,“大奥”を作ったとされる“春日局”の父であり,丹波平定後に落城した“黒井城”の城主を務め,“明智光秀”の重臣の1人として付き従ったそうです。“本願寺の変”前日,光秀は重臣にのみ信長公を討つ事を伝えたとされます。その際,“斉藤利三”は反対しましたが主君(みつひで)には抗えずに参戦。その後“山崎の戦い”で“羽柴秀吉”に敗北,近江堅田に逃れますが捕らえられ,六条河原で処刑となったそうですーー。)


 “斉藤利三”様の提案を受け入れ,早速落城した“横山城”の修復と改城をを進める事になりますーーー。

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