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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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2-4-3

2―4―3

 仕事から帰ってきた母と3人で夕飯を食べながら、今日のBBQの話を俺がしても異世界に帰る日が近づいたせいなのか、それとも何か心配事でもあるのか望は上の空だった。

「望ちゃん、どうかしたの、何か心配事でもあるの」と母が尋ねても

「いいえ、別に」と答えるだけだったが、やはり、何かあるのだろうか食が進んでいなかった。

 夕飯が済むと直ぐに、彼女は南に大事な話があると言って一人で出て行った。

「平助、今日の望ちゃんどうしたの、何かあったの、大切にしてあげないと駄目でしょ」と母は勘違いをして俺を叱ったが、俺にはどうすることもできなかった。


 南は望が部屋に1人で来た事を確認すると

「でぇ、平助は貴方のことを少しは思い出してくれたの」

「えぇ、少しずつは思い出してくれているけど、一晩寝ると大事な事はまた忘れてしまうのよ、パンパイアの呪縛は相当なものだわ。でも少し変なのよ、

私の事だけじゃなく、剣道をやっていた事なども忘れているのよ。

記憶管理局が消さなくても済むものまでも消しているなんて、少し変だわ、

それに、バンパイアが平助に目を付けるなんて考えられない」と望は疑問を持っていた。

「面倒くさいのでパーッと消したんじゃない、貴方の帰還設定も甘かったし」

「それは、帰って調べることにして、後2日しかないのに少しずつしか思い出してくれないのよ、もうじれったくて」と少し焦っていた。


 すると南は何か奇策が思い浮かんだらしく

「やっぱり、それには特別で強力な刺激が必要ね。今夜でも、思い切って少し薄めのランジェリーで夜這いをかけて攻めるといいかも。

でも、あいつ少しロリ系が好きなので逆に引くかもしれないわね」と笑っていた。

「また南、そんなことばかり言って、お願いだから冗談は止めて、いい解決案を考えてよ。もう2日しかないんだから」

「あの女の心臓に杭を打つのが1番の方法だけど、できるのは平助だけだし、

でも、あいつはそれを絶対にしないでしょうし、

そうね、異世界の魔導師を呼んで、記憶を蘇らせる方法は?」

「確かに、腕のいい魔導師なら記憶を蘇らせる事が出来るけど、掟を破った事が公になると私だけじゃなく父まで罰を受けて、この世界に戻れなくなって二度と平助に会えなくなるかも、それだと元も子もなくなるわ」

「じゃ、今の貴方との記憶を忘れさせなければいいんじゃない」

「平助は既にあの女の虜になっているので、他の女性を好きになっても一晩寝て朝になってしまえば、やはり忘れるでしょう。

伝説の真実の剣でもあれば悪魔やバンパイアの呪縛は解けるけど、その剣がどこにあるのかさえ分らないし、例え分っても起動する方法を知らないし、もう最悪」

「じゃ、平助からあの女の記憶をなくすとか、もう近づけなくするとか、噛めなくするとか、平助と2人で遠くに駆け落ちするとか」と南が色々解決策を出してみても、それは全て無理な話だった。


 俺は、2人がそんな話をしているなどはちっとも知らず、夕飯後、ジョギングで公園へ向かい、今夜も聖剣を呼び出していつもと同じように1時間ほど汗を掻くとまた家に帰り、お風呂に入り部屋に戻ると南の部屋から帰ってきていた望が俺の部屋で待っていてくれた。


「はいはい、お薬の時間ですよ。毎日ちゃんと塗りましょうね」と俺を子供扱いしながら薬を塗り出すと、俺は恥ずかしさも感じずに素直に薬を塗ってもらいながら

「今日は調子が悪そうだったけど大丈夫。南との話は終わったの」と訊くと

「心配かけてごめんなさい。南さんと話したら少し楽になったわ」

そして薬を塗り終わると彼女が「この後,私の部屋に来て、2人で楽しく昨日の続きをしましょうね」と意味深に俺をまた誘うので、昨日の続きは、彼女が俺に抱きついてきた続きかなと脳天気な事を考えてしまったが、そんな事では絶対ない筈だった。


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