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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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2-3-5

 仕事で少し遅く帰ってきた母と3人で夕飯を取りながら、不思議と望の料理が好き嫌いの激しい俺の口に合うので、美味しそうに食べている母に尋ねてみた。

「母さん、昨日望ちゃんに俺の好き嫌いの話をしたの?」

「急にどうして、そんなことを訊くの、そんな話はしてないわよ」と当然のようにごはんを食べている。

「いや、俺の好きな物ばかり出てくるからさ、おかしいなと思って」と俺も美味しいので箸が止まらない。

「おかしいなって、あんた忘れているのよ。子供の頃望ちゃんの家に行ったとき、これは嫌い、あれは嫌いっておばさんを困らせたじゃないの、大変だったのよあんたの好き嫌い」と今更昔の事を言われても

「そうだったかな、俺そんなに酷かったかな」と思いだそうそうとしたが

「酷かったわよ、今は大分治ったけどね。それでも母さんいつも大変なんだから」と愚痴を言われたので、

「長い間、それはすみません」と母に感謝した。


 それなら望は本当の従妹だろうか、でも俺に従妹の望なんて娘はいるのだろうか、それと彼女は「私を思い出して」とよく言うけど、どういう意味だろうかと俺が悩み出し、箸が進まなくなると

「こらこら、平助、何を悩んでいるの、今夜のデートのことでも、ちゃんと勉強はしているの。望ちゃんは頭がいいけど、あんたそのままじゃ大学なんて行けないわよ」と母が勘違いをして俺を叱りだした。

「母さん、南の家にアイス食べに行くだけだよ、俺とデートだなんて、望ちゃんに悪いよ」と俺がばつが悪いので否定すると

「明日の午後も平助とデートですよ。平助が美味しいスイーツ食べさせてくれるって言うんですよ」と彼女が意外にも否定しないで、嬉しそうに言うので

「違う、違う、明日はアラタのお誘いだよ、南も一緒」とごまかすと

「あら、この頃あんたどうしたのよ、以前アイスとかスイーツとかそんなもの興味もなかったのにね、付き合う人が変わればあんたも変わるのね」と母の一言で、俺自身は俺はそんなに変わっていないのにと思ったが、朝のアラタの言葉といい、2人に同じ事を同じ日に言われるなんてと驚いた。

 その後、明日のBBQや4人でのスイーツを食べに行く事を詳しく話すと

「母さん、誰も連れて行ってくれないので冷蔵庫の中のスイーツで我慢します」と訳も分らないこ事を言って、望の夕飯は本当に美味しいと食べていた。


 夕飯後、早めに夜の練習を終わらせようとジョギングではなく自転車で公園へ向かい、今日は聖剣を呼び出して大きくしいつもと同じように1時間ほど汗を掻いた。それから、また急いで家に帰り、お風呂に入り部屋に戻ると望が行く準備をして俺の部屋で待っていた。

 彼女は上半身裸の俺を見ても「ギャー」とは言わずに、まるでいつも俺の裸を見慣れた感じで薬を塗ってくれていたかように

「はいはい、お薬の時間ですよ。毎日ちゃんと塗りましょうね。

ではまずは、アザを見せて下さい。あらら、酷い色ですね。

平助はアザが残りやすいので、早めに治療しましょうね。

それと、今日はそれに手の甲の腫れもですね。ほんと世話がかかります」と俺を子供扱いしながら南から借りた薬を塗り出すと、俺は恥ずかしさも感じずに素直に薬を塗ってもらったが、こんなことは母と南以外には絶対ない事だ。

それに、どこか懐かしさを覚えていた。

「ありがとう、望ちゃんっていつも気が利くよね、みんなにもそうなの」

「鈍感、貴方だけ特別なのよ」と恥ずかしそうに下を向いたので、俺も少し恥ずかしくてモジモジしていた。


 2人がモジモジしあって少し沈黙が続いたので、思い切って疑問を訊いてみた。

「そうだ、君は俺によく私を思い出してって言うけど、どういうことだろう」

「平助は高校に入る前の事はよく覚えている、思い出とかある?」

「よくは覚えていないけど、もちろん思い出はあるよ。例えば修学旅行とか運動会とか楽しいかった事は覚えているよ。特に初恋の人とか」と言ったが、なぜか初恋の人の名が直ぐには思い出せなかった。

「じゃ、そこに私はいますか、貴方の楽しい思い出の中に私はいますか」と妙な事を言い出したので

「何を言っているの望みちゃん、君がいる訳ないだろう、まだ会って3日目なんだから」と否定すると

「そうね、そうよね。変な事を言ってごめんね」と彼女は少し涙目になったので、俺は困惑していたが、南からの「早く、アイス」のメールが来たので、そのまま仕方なく2人で南の部屋に出かけた。


 俺と望が部屋に入ると南は2人の気まずさを感じてか

「平助、遅い、遅い、アイスが溶けちゃうでしょ」と明るく俺にアイスを出すようにせがむと、俺は直ぐに袋から出して

「熱いうちにお召し上がり下さい」と言うと、2人から「それは古い」と言われ少し場が和み、皆でアイスを食べ出すと

「平助、今日はちゃんと望ちゃんに塗ってもらったの、南病院は今日から3日間お休みですので患者さんは診ませんよ」と冗談を言うと、望は少し笑顔になり

「はい、先生、私が3日間ちゃんと看護します」と彼女もその気になった。

 お医者さんごっこは、俺も好きなので、「じゃ今度は俺が医者の役ね、さぁ、患者さんは服を脱いで下さい。私が診察します」と俺が望に言うと

「この変態、スケベ」と2人から罵られたが、直ぐに3人で大笑いしてその場が明るくなった。


 その後、今日は南と望は大好きなスイーツとアイスの話に集中し始めたので、硬派の俺が話に入る余地はないなと、切の良いとこで南の部屋から自分の部屋に戻ったが、2人は今日もまた遅くまで話込むのだろうか、それともアイスの後に南がアラタから貰ったスイーツでも食べ始めるのだろうか。


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