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「それで、私からも質問していいですか」と彼女が尋ねるので
「俺に質問って、素行調査で何か疑問でも出てきたの」と返すと
「素行調査は順調ですけど、推薦状を書いて下さった元大会事務局長との関係を教えてくれませんか、本当の話しをしますと、さすがにアラタさんの推薦だけでは千ポイントしか獲得していない勇者の出場は無理だったんです。けど、元局長の強い推薦があったので、大会事務局も困ってしまって、仕方なく、じゃ調査して決めますって事になったんですよ。だから私が急遽派遣された訳で・・」
「そうなんだ、それで君が派遣されたのか。その元局長さんに感謝しないといけないね。今度お歳暮でも送ろうかな」と俺が笑って答えると
「もう、笑っていないで冗談はなしで、元局長との関係を教えてくれませんか」と彼女が真剣に問いかけるので
「確かに、そう簡単に千ポイントの俺が大会に出場できるとは思わないけど。
でも、その元局長って凄く力のある人だな。その人だれだろう、悪いけど君が俺に教えてくれない」と尋ねられた俺の方から逆に返されたので
「えっ、知らない人ですか」と彼女は驚いたが
「そう知らない人。冗談は言いますが、勇者は嘘をつきません」と正直に話すと
「またそんなこと言って。でも、知っているのに知らないと平助が嘘を言う筈もないし」と彼女は悩んでいるようだった。
彼女が凄く困っているみたいだったので、俺もよく考えてみると
「たぶん、アラタが頼んだのかなその元局長さんに、そうすると、2人の共通の知り合いで、アラタの頼みを聞きそうな人は・・」と思い当たる人が浮かび上った。
「あっ、あのじいさんかな。少し小柄で浅黒くて、笑っているけど目が鋭くて、回りに護衛の男が付いている、あのじいさんかな」と俺が口にすると
「助かった、思い当たる人がいるんですね」と少し明るくなった。
「そうそう、少し前に俺の恋路を邪魔しに来たじいさんだよ」と少し笑って答えたので、彼女は驚いていたが、そから、彼女に老人との出会いを正直に詳しく説明すると、彼女は自分の知っていることも教えてくれた。
「ちょっと待って下さい。じゃ、その老人は平助の婚約者のヒカリさんを姫と呼ぶって事は、ヒカリさんって何者ですかね、そんな若いお姫様が他国にいたかな」と考えていたが
「さぁ、俺も詳しくは知らないけどね、彼女は俺のかわいいお姫様だよ」と俺がスマホのヒカリの写真を見せ惚気ると
「私と違ってかわいい娘ですね。平助が好きになるのも分かるけど、素性も何も分からない娘とよくそれで婚約しましたね。私には信じられないな」と彼女は呆れていたが
「素性なんて俺にはそんなものは関係ないよ、異世界の人であろうとなかろうと。それに、望ちゃんも美人だと思うよ、それも凄くね」と少し恥ずかしかったけど、本当の事を言ってしまった。彼女は少し照れているようだったが
「じゃ、平助はこの世界にヒカリさんと私の2人しかいないとしたら、どちらを選びますか」とよくある究極的な質問をしたが、俺は何の迷いもなくあっさりと
「それはもちろん、君だよ」と答えると
「どうしてですか、ヒカリさんあんなにかわいいのに」
「簡単、あいつは朝寝坊で、全然料理が出来ないからだ」と答えると
「そんな理由ですか、やっぱり男性を掴むのは料理ですかね」と笑っていた。
夜も更けたので、今日はここまでと彼女は部屋に戻ったが、それにしてもあのじいさん俺を大会に推薦してなんの目的があるのだろうかと思ったが、彼女の「そんな若いお姫様が他国にいたかな」の言葉がやけに頭に引っかかっていた。




