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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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2-2-2

2―2-2

 朝の練習が終わって望と自転車の2人乗りで家に帰る途中

「私とプールに行くのは仕方なくですか」と少し怒りながら腰に回した手をギュッと力を入れてきたので

「あれは、仕方なく言ったんだよ」と答えると

「平助は 昔から仕方なくが多いですね。優柔不断の現れですよ」と彼女は笑って許してくれたが、彼女とのこのようなやり取りは、確か以前に誰かとしていたような気がしていたが

「平助、ぼーっと運転すると危ないわよ」と彼女の一言ですーっと消えてしまった。


 家に帰り着くと、楽しげに南が玄関の前で待っていたので、南を誘ってよかったと一緒に家に上がり俺がプールの準備をしていると、2人は今日着る水着を広げて楽しそうに選んでいた。

 俺はスクール水着しかイメージしていなかったので、並べてある凄い水着を横から興味本位で覗き込むと「スケベ、変態」と2人して罵声を浴びせられたが、どうせそれを着て皆がいるプールでうろちょろするんだろうと、女心は未だに分からなかった。


 そして3人で迎えの車が来るのを待っている間に興味があったので、

「南、アラタのことはどう思う?」と率直に訊いてみた。

「ん、アラタさん、妖怪の次の次ぐらいに興味はあるわね」とじっくり考えて答えたが、満更嫌いではないようだった。

 でも、彼女の妖怪の次に興味があるのは何だろうかとふと思ったので、

「お前の妖怪の次に興味があるのは、何だ」と尋ねると

「バカ、それは秘密でしょ」と俺の肩を叩き顔を赤くして怒ってきた。

「相変わらず、平助は女心が分っていないわね」と望は冷ややかにし、

「それで、お昼をアラタさんにご馳走になってもいいの」と望が心配そうにしているので

「アラタから是非にと言われたし、あいつの家金持ちだから心配しなくていいんじゃない」と気軽に答えたが、女心が分っていないとはよく言われるなと思った。

 

 すると、迎えの車が玄関に着き、3人が乗り込むと目的のホテルまで送ってくれたので熱い夏の午後にエアコンの効いた車での移動は助かった。

 ホテルに着くと受付で「宮本様のお連れの方ですね」、「はい」と答えるとホテルのレストランに連れて行かれて、入り口のドアを開けると、こちらですとウェイターに奥の個室に案内されると、アタラが何を勘違いしているのか正装した格好で料理が既に用意されているテーブルに座っていた。

「お待ちしていましたよ、南さん。さぁ、こちらに座ってください」と南を窓から景色が良く見える自分の隣に座らせ

「お2人はこちらね」とアラタと南の2人と少し離れた席に俺と望を座らせると

「既に食事の準備は出来ていますので、どうぞ召し上がってください」とアラタが食事を勧めた。

「アラタさん、ご招待ありがとう御座います。こんなご馳走、もっと早く仲良くなっていればよかったのにね」と南がお礼を言うと、アラタは少し赤い顔をして

「いえいえ、これからでも十分間に合いますよ」と訳も分からない2人の会話が始まり、以後会話が続いるようにみえた。

 俺と望はさっさと用意されたお昼を食べながら2人で楽しく盛り上がっていたので、アタラと南のその後の会話はよく聞いていなかったが、傍からはなかなか上手くいっているようには見えた。

 

 美味しいお昼の後にはスイーツも出てきた。俺は既にお腹一杯になっていたが、女性2人は「おいしい、おいしい」と言って食べていたので

「おいおい、お前らこの後水着が待っているのだぞ、大丈夫」と注意すると

「こんなに美味しいスイーツはめったに食べられないから、後はどうでもいいのよ」と南が言うとアラタはウェイターを呼んで

「後でお土産を用意して下さい」とスイーツを注文していた。

 借金を背負った俺には絶対まねは出来ない、この金持ちがと思ったが、俺のお土産もあるかなと心配が先に来てしまうほど俺はお気楽な性格だった。

 

 お昼を全て食べ終わると、すこし休憩をと今度は4人で無駄話をしてみんなでホテルのプールに向かったが、俺の思っていたプールとは全然違って、凄く豪華な作りだが、距離は短くてレーンもないので午後の練習の代わりに体育の授業のように力いっぱい泳ごうと考えていた俺が世間知らずだった。

 でも、水着姿の望と南は楽しそうにキャキャと騒いでいたが、不思議とあれだけ楽しみにしていたアラタの姿はプールサイドにはなかった。

 

「平助、なんか凄くたくましくなっていない、以前はヒョロかったのに、あんたどうしたの、鍛えているの。それとそのアザ、跡が残らないように、後でちゃんと薬を塗っておくのよ」裸の俺を見て南は変なことを言ってきた。

「いや、特に鍛えてはいないけど」そういえば、日頃ゴロゴロしていた俺が夏休みの間急に毎日練習ばかりしていたお陰なのだろう、それにしても自分で見てもこんなに筋肉が付いているとは思いもしなかった。と自分の事ばかり考えていたが、目の前を水着姿の望が通ると、幸せが沸き起こり、このままずーっと眺めていたい、望が彼女ならどんなにいいかなと思った。

 しかし、よく考えてみると、望とは遜色がないのに、いや南方が胸はあるのに、南の水着姿を見てもなぜかその気分は起きなかった。

 たぶん、アラタには羨ましい話なのだが、南の水着姿は昔から見慣れているせいだろう。これはアラタには絶対秘密だが、子供の頃は裸で遊んでいたし。

 

 その後も、ビーチバレーやウォーターガンなどで楽しく遊んだが、どうしたのだろうか、急用でも出来たのだろうか、アラタの姿は最後まで見かけなかった。

 夕方近くにまたアラタの車で家まで送ってもたったが、さすがに俺のお土産はなかった。

 今夜、南の部屋でアラタとの会話の中身でも聞きながら、今日でかなり打ち解けた望にでも食べさせてもらおうかと考えていた。



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