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回復
烈しい回復が、その夜に起こった。傷は完全にふさがり、
その他のところも、完全に回復した。
ビシンは、もう完全に直り、新たな体に、変わったみたいな感覚であった。
もう、ビンビンであったので、この普通とは思われない回復は、逆に、
実験台となって、入院が長引く可能性があるかもとビシンは思い、
病院を逃げ出すことを決めた。
そして、ミオに、まず連絡を取ることにした。
「ミオ、おれだ、ビシンだ。遅くにごめん。こどもは、実家の方にいるのか?」
「どうしたの、こんな遅くに。そう実家に預かってもらってるわ。」
「実は、俺の体が変なんだよ。もう傷口はふさがって、傷口も見えなくなってしまったんだよ。
妙に体が、今までの自分と違うみたいなんだ。
これは、まずいと思うんだ。意識戻ったから、警察の事情聴取も始まるし、
この状態じゃ、まずいんじゃないかと。雲隠れしようと思ってる。」
「ビシン、それはないんじゃない。そんなに気にすることじゃないんじゃない。」
「いや、これは、普通じゃない。感じるんだよ。おおごとだと。
ミオ、俺のこと好きだよな。俺を助けてくれ。」