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恐れ
恐れ
一人が倒れた時、マスターが
「やめろ!」
と、大声で叫んだ。
マスターは、ビシンの動きに違和感を感じていた。
素早い動きが、あまりにも速過ぎ、それにスーツの乱れがなく動いていることに
恐れをも感じていた。
一旦戦闘を止め、あとひとりの男に倒れた者の状態を確かめさせた。
気を失ってはいるが、大丈夫ということを聞いて、マスターは闘技場へと降りていった。
そして、倒れた男を見て、何やらポケットからスプレイを出して、男の鼻に何かを吹きかけ、
男のほおに、ビンタを入れた。
すると、男は目が覚め、起き上がった。
「大丈夫か。」
「すいません。大丈夫です。」
と、男は小声で呟いた。




