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ヘルト・ア・シクザール  作者: 笹村 凉夜
9/9

どうも、こんにちは。 お久しぶりです。 随分遅れてしまってすいません。





……受験って大変ですね。

 ゾルレンへの挨拶をしなければならなかった事を思い出した凛哉は、急いで彼のもとへ行き、挨拶が遅れたことの謝罪をした。

 幸い、ゾルレンは挨拶が遅れた程度で腹を立てるような人物ではないので、凛哉が怒られるということは無く、逆にねぎらいの言葉を貰い、再度謝罪とお礼を言い、朝食に向かった。





     *     *     *     *





 朝食を取り終えた凛哉は、部屋に戻り何をするでもなくぼぅっと窓から外を眺めていた。 雲一つない晴天の空を、遠い目で眺めていると、コンコンコンと三度ノックがあった後、扉の向こうからリーダーが凛哉に声をかける。


 「凛哉様。 晴信様より伝言を預かって参りました。 試験の準備が整ったので中庭まで来るように、とのことです」

 「ん、分かった。 ありがと」


 凛哉はそう返事を返し、中庭へと向かって行った。





     *     *     *     *





 結論から言うと、凛哉は試験に合格した。

 試験内容は、以下の三つ。

 一つ目は、百メートル走、握力、立ち幅跳びなど、計八種の体力測定。

 二つ目は、魔力測定器を使った魔力測定。

 そして三つ目は、現役軍人との一騎打ちだ。

 この三つを、凛哉は

 一つ目、前代未聞の測定不能(長座体前屈は常識の範囲内)をたたき出し、余裕の合格。

 二つ目、平均値より少し高めほどで合格。

 三つ目、瞬殺合格。

 と、まあ当たり前と言えば当たり前の結果で合格したのだった。

 そしてちょうど昼頃、凛哉は制服の採寸も終え、昼食を食べるついでに、ロイズを迎えに行こうと『まどれーぬ』に足を運んでいた。


 「こんちわー。 食欲過多少女一人お引き取りに参りましたー」

 「誰が食欲過多少女か!」

 「何、食欲魔人の方が良かった? 流石に女の子を魔人扱いはひどいと思って気を遣ったんだけど…」

 「いやいや、気を遣うところおかしくない? これでも私、花も恥じらう乙女真っ盛りだよ? もっと良い呼び方あるでしょ? 銀髪の美少女~とか、我が愛しのロイズ~とかさ!」


 凛哉の入店の第一声を聞いてすぐさま反応するロイズ。

 それを聞いたカレンが店の奥から出て来るのに凛哉は気付き、そちらに体を向ける。


 「あら、いらっしゃい凛哉君。 思ったより早かったわね~」

 「こんちわっす、カレンさん。 いや~、用事が思ったより早く終わったんで昼飯ここで食おうと思いまして」

 「ねえ、私の話を聞いて! そもそも、凛哉の私に対する扱いが最近雑になって来てるよ!? 会ったばっかりの時はもっとこう、柔らかい扱いをしてくれてたのに!」

 「あ、カレンさん。 俺、から揚げ定食大盛と食後に団子セット一つでお願いします」

 「まさかの完全スルー!?」

 「あ、あはは…」


 カレンは苦笑を浮かべながら調理を行う為に再び店の奥へと引っ込んで行った。

 それを見届けた凛哉は、何やらぶつくさと文句を垂れているロイズに視線をやる。


 「そういやさ、ロイズってこの後どうするか決めてんの?」

 「ん? そうだね~、買い物とか行きたいかな~。 服とか小物類とか…。 あ、食べ歩きとかもいいよねっ!」


 若干涎を垂らし、目を輝かせながら握りこぶしを作るロイズ。 それでいいのか、乙女よ。


 「いや、この後すぐの話じゃなくて、もっと長い期間。 年単位での話」

 「え? 年単位?」


 ロイズはキョトンと首を傾げ、頭上に?マークを浮かべながら聞き返す。


 「ああ。 俺、学園に通うことになったんだよ。 で、たぶん四年くらいは学生生活を送る予定なんだけど、お前はどうすんのかな~って思ってさ。 元々、王都が見たくて俺について来たんだろ?」

 「え、凛哉学校行くの? 用事終わったらまた旅に出るか、あっち(・・・)に帰るって言ってたじゃん。 なのになんで?」

 「その用事が、学園生になることだったんだよ。 だから、お前がもしあっち(・・・)に戻るんだったら、みんなに帰りが遅れるって伝えてもらおうと思ってな」


 凛哉がそう言うと、ロイズはしばらく黙ったかと思うと、バっと勢いよく顔を上げ


 「うん! 私も凛哉と一緒に学校行く! 異論は認めないよ!」


 と言い放った。


 「………は?」


 凛哉が予想外の返答に呆然としていると、ロイズは勢いよく立ち上がった。


 「よーし、思い立ったら即実行! 早速王様に直談判に行ってくる!」


 そう言ってダッシュで店を出ていくロイズ。

 我に返った凛哉はロイズを止めようと立ち上がったが、止めても無駄かと思い、再び腰を下ろして料理が出てくるのを待つことにした。





     *     *     *     *





 「結論から言うよ。 許可もらえた!」


 一時間程してから店に戻って来たロイズは、開口一番にそう言った。

 ちょうど食事を終え、コーヒーを飲んでいた凛哉は目を見開いてから、そっとコーヒーをテーブルに置く。


 「………マジで?」

 「マジもマジ、大マジだよ!」


 ロイズは、エッヘン、とでも言いたげに胸を張る。


 「…ちなみに、どんな交渉をしたんだ?」

 「えっとね、お城に入ろうとしたら槍を持った顎の腫れた門番さんに止められちゃったんだけど、私急いでたし、その門番さんになんかムカついちゃって倒しちゃったんだよね。 そしたら、偶々それを見てた晴信さんって人が話しかけてきたの。 君は何者だ?って。 だから、凛哉の連れですって言ったら、是非我がゼーンズフト学園に入らないかって誘われて、ちょっとした試験を受けて帰って来たの。 ちなみに、試験は余裕で受かったよ!」

 

 そう言って、ロイズは凛哉に笑顔でVサインを作って見せる。

 あの門番、ロイズにも突っかかったのか…。 本当にバカだな…。 などと思う凛哉であった。


 「じゃ、お前も王都にとどまるってことでいいか?」

 「うんっ!」

 「そっか。 じゃ、にもそう伝えるか。 手紙出しとこ」

 「えへへ、よろしくねっ!」


 


だいぶ久しぶりに書いたっていうのもあって、キャラがブレッブレですね。

取り敢えず、推薦受験が一段落着いたので久しぶりに書いてみたんですけど、大学に受かってなかったら(というか、ほぼ百%受かってないので)次の投稿は来年の三月くらいになると思います。

ご了承ください。

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