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ヘルト・ア・シクザール  作者: 笹村 凉夜
1/9

プロローグ

初めまして!

これは処女作ですので、いろいろなミス等あるかもしれませんが、その時はアドバイスをよろしくお願いします!

 「腹、減ったな...」


 そういって、俺─菊池凛哉きくちりんやは自分の腹をさすっていた。


 「仕方ないでしょー? 前の街で買った食料はもう尽きちゃったんだから。 王都まであと1日かからないだろうから我慢してよね? 私だってお腹減ってるんだから文句言わない!」


 俺の隣を歩いていた腰ほどまである銀髪の少女─ロイズ・サベージが虚ろな目をしていた俺の顔を、その綺麗な紫色をした双眼で覗き込む様に見ながら言ってきた。


 「...そうだな。 前の街で買った゛2人で3日分゛の食料をお前がたった半日で平らげちまったから、我慢しないとな」


 俺は恨めしそうにロイズを睨む。 せっかく頑張って手に入れた食料をたった1人で食い尽くした張本人はそれを聞き、首を傾げる。 くそ、やっぱ可愛いな、こいつ。

 俺はため息を1つ吐くと嫌味を言うのを止め、再び王都を目指し始めた。




* * *



 俺がこの世界に来てから、既に5年が経っていた。 小学校の卒業式を終え、長めの春休みに入った初日に目を覚ますと見知らぬ神殿の様なところに居た時の衝撃は俺の人生で1位、2位を争うほどだ。 その時、周りには俺の他にも5人ほど、俺と同じ様な境遇のやつらが居た。 俺達を召喚した人物、ラウラ・ルノワールというマルゾディア王国の第2王女は、いきなり異世界へ召喚させられ、混乱していた俺達をとりあえず城へ連れていき、マルゾディア王国国王、ゾルレン・ルノワールと面会させた。王は俺達に魔王を倒して来てくれと頼み、6人の中で1番年上で、リーダーシップもあった牧野晴信まきたはるのぶを中心に魔王討伐へと向かった。 ただ、その時に1人だけ俺達のパーティーに入らず、1人で生きていくと言った新田義輝にったよしてるを除く5人のパーティーで、であったが。

 で、まぁなんだかんだで冒険していき、なんだかんだで魔王城まで辿り着き、なんだかんだで魔王討伐を成功させたのが2年前。

 俺達は勝った。 魔王を倒し、平和を手に入れた。 はずだった。 しかし、人間という種族は愚かなもので、人類共通の敵がいなくなった途端に、今度は人類同士で戦争を始めたのだ。

 その戦争が終わったのが1年前。 俺達5人+マルゾディア王国 vs. その他の大国、という構図が出来上がったのだが、『魔王を倒した勇者ハルノブとその仲間達』という、俺達の名声と、実際に小国1つを約1日で制圧した俺達とマルゾディア王国の実力に臆した諸大国がマルゾディア王国に和平を持ち掛け、この戦争はたった1年という期間で幕を降ろした。

 戦争後、俺はパーティーを抜けることにした。 理由は単純。 もう無駄な争いをしたくなかったから。

 幸い、俺はあまり世間に顔バレしていなかったため、パーティーを抜けた後、すんなりと社会に溶け込むことが出来た。

 あとで聞いたことだが、俺以外にも2人、勇者パーティーを抜けたらしい。 理由は俺と似た感じだった。

 勇者パーティーはゾルレン王より、王国の治安維持と諸大国への牽制のため、王家に5つある騎士団の各団長を任されていたのだが、今は晴信ともう1人の堤蓮寺つつみれんじが掛け持ちしているとのことだ。 ...2人とも、お疲れ様です。

 そして俺はというと、今は宛もなく、気ままに旅をしている。未だに王国で騎士団長として頑張っている晴信さん達には悪いが、これがまた楽しいのなんのって───


 「さっきから何ブツブツ言ってるの? お腹空きすぎて変になっちゃってる?」


 おっと、口に出てたのか。


 「あぁ、ちょっと昔のことを思い出してただけだから大丈夫だよ。1種の走馬灯みたいなもんさ」

 「いやそれ危ないやつだよね? ...私もさ、反省はしてるんだよ? 流石に半日で完食はやり過ぎたかなーって。 でもね? でも人間の3大欲求である食欲には勝てなかったんだよ」


 こいつ、完全に開き直ってやがる...っ!

 俺は再度ロイズに怒りが湧きかけたが、「ごめんねっ!」と両手を合わせて軽く頭を下げ、なおかつ上目遣いでこちらを見てくる姿を見て、そんな気も失せてしまった。

 ...かわいいってズルいと前にも増してそう思う今日このごろ。

 昔、「かわいいは正義!」と言っていた仲間がいたが、今になってその言葉の意味を真に理解した。 かわいいは正義だわ、マジで。

 読んでくださってありがとうございました!まだまだ未熟な文章力ですが、どうぞ、これからもよろしくお願いします!

 感想やアドバイスなどありましたら是非よろしくお願いします!

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