95回目 ガチャ・ポイント
夕食を食べたらトルテ・アリア・アラムの三人が食い過ぎでダウンしました。…………百歩ゆずってアリアとアラムの二人はいいとして、トルテは何やってんだよマジで。冒険者が依頼を受けて来た村で食い過ぎて動けないとか、アホなのか? まあ、あんだけ食って貰えるのは作った側としては最高だったけど。
取り敢えず、俺はもちろんシエラとアレマーさんも加減して食べていたので動ける。
今は、シエラは寝込んでいるアレスの看病に行き、アレマーさんは俺達が寝れる場所を作ってくれているので、俺は一人である。近くで倒れている三人は数えないものとする。
そして俺は今、『ガチャ・マイスター』を開いた所だ。目的はちょいちょいやっている検証である。
今回はこのスキルでポーションの類いは手に入らないのかを検証していきます。
一番簡単な方法は、『マイスター・バー』のマスターから情報を買う方法だが、俺はそこで一つ思いついた事がある。それは『マイスター・ショップ』である。
ここでは『確定チケット』が買える。実際に俺はここで『☆3装備確定チケット』を買ってる訳だが、その時に『???確定チケット』とかがあったのを思い出したからだ。
そこを見れば、もしかしたら『魔法薬ガチャ』とかがあるか解るかも知れない。そう思って軽い気持ちで開いたのだ。そこを見るだけならタダだからな。
だが、その前に俺は気になる表示を見つけてしまった。それはショップメニューにあった『ポイント・ショップ』という表示だ。
「ポイント・ショップ? なんだこれ」
初めて見る表示だ。いつ増えたのか、もしくは最初からあったのに俺が気づかなかっただけなのか解らない。そもそもポイントってなんのポイントだ?
俺はなんとなく気になって、そのページを開いて…………固まった。
俺が固まった理由はひとつ。商品ページに移動した先にあったメニューの最初の表示を見てしまったからだ。
・『ポーション(小)』…………100ポイント
・『ポーション(中)』…………500ポイント
・『ポーション(大)』…………1000ポイント
・『ハイポーション』…………5000ポイント
・『フルポーション』…………5万ポイント
・『エリクサー』…………10万ポイント
「……………あるやんけ! ポーション売っとるやんけ!?」
いきなり目的が果たされてしまった。だが、こうなると今に増してポイントの正体を知りたくなる。
その時、ふと画面の右上に表示がある事に気がついた。そこには『11pt』という文字があった。これがポイントか? …………もうポイントを持ってる? はて?
俺は腕を組んで首を傾げた。11? なんだかこの『11』という数字に見覚えがある気がする。それもごく最近見たような…………?
「……………………あぁ! 思い出した! あれか! ガチャ・ポイント!!」
それは先日の事だ。アカメアリの蟻塚を破壊するために使えそうなアイテムを求め、『ガチャ・マイスター』の中にある倉庫を整理していた時。俺は倉庫のアイテムを移動したりするメニュー欄の『選択してアイテムを移動する』の下に、『選択してアイテムを売却する』という一文がある事に気がついた。
売却、売却かぁ。まあ確かに、アイテムも随分と増えて来た。でも家電どころかキャンピングカーまで問題なく入ってるし、『ガチャ・マイスター』の性能から考えれば、倉庫の容量なんか無限に決まっていると思うんだよな。
それに、倉庫には駄菓子やら野菜やらの食料品も入っているが、俺のスキルから出たガチャアイテムについては、スキルの倉庫に入れている限り腐らない。倉庫の容量が無限で、中に入れている物の時間も止まるのなら、売却する必要はあるのだろうか?
まあ、もっと大量になったのならば、倉庫の整理という観点から売る必要が出て来るのかも知れない。
その時の俺の認識は、そんな感じだった。
しかし、売れると分かったならば売ってみたいのも人情だ。俺は取り敢えず☆1の『うめえ棒』と☆2の『ピスコ』を売ってみた。
この『11pt』はその時のもので、その内訳は☆1が『1pt』☆2が『10pt』である。このポイントは『ガチャ・ポイント』となっており、『様々なアイテムと交換できる』となっていた。
フレンド・ガチャでも手に入る☆1と☆2でもポイントが手に入るのか。それなら☆3は? と思って売る直前までいくと『100pt』だった。
ポイントと☆によるレア度の関係性は基本10倍か、でも☆3の装備なんかは売るのを躊躇うよな。などと考えたのを覚えている。
そして今に至り、そのポイントの使い道が分かった訳だが。
今、一番必要な『ハイポーション』は5000ptとの交換になる。☆4を売るのは論外として☆3でアイテム50個、☆2でアイテム500個、☆1に至ってはアイテム5000個分である。…………高くね?
冷静に考えていくらフレンドガチャからでも入手出来るとして☆1も☆2もそんな数は持っていない。けっこう食いまくってるし。駄菓子は子供たちにも人気なんだよ。
なら☆3を50個で。と思うだろうがガチャって一回金貨一枚、つまり10万だぞ!? それを50個って、単純計算で500万だ。
「……………………いやまぁ、あの状態のアレスが完治するなら全然ありか。…………買う以外の選択肢は無いな」
☆3を50個も手放すのは結構クルものがあるが、俺は装備と生活のガチャアイテムの中から50個を売り払い、『ハイポーション』を手に入れた。
細長い試験管の様なガラスの容器に入った『ハイポーション』は、ずいぶんと綺麗な青色をしていた。
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