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やらかしの68

「マスター、今日はどちらに?」

「あぁ、オカタのダンジョンに行ってこようと思っている。」

「解りました、マスター、お供します。」

「主、行ってらっしゃい。」

「ケイジ様、お気をつけて。」


「おぉ、行ってくる。」

「紫炎、ダンサの店の前に。」

「はい。」俺は虚無の窓を潜る。


「さて、ラバハキアからオカタまではどの位だ?」

「142kmです。」

「7跳躍か?」

「はい。」


「んじゃ、ちゃっちゃと行ってくるか。」

「ぐふふ、そこにいらっしゃるのはご主人様ではないですか?」

「おぉ、ダンサ、奇遇だな。」

「ぐふふ、何をおっしゃいます、ご主人様。」

「おぉ。」

「ご主人様とこのダンサは一心同体。」

「いや、違うと思うぞ。」

「ここで出会えたのも、前世からの因縁。」

「いや、違うかな。」

「ぐふふ、お供させていていただきます!」


「はぁ。」

「ぐふふ。」

「つまり、付いてきたいと?」

「ぐふふ。」

「今回だけだぞ!」

「ぐふふ、ご主人様は、本当にお優しい!」

「紫炎、ダンサを虚無の部屋に!」

「はい。」


 そして、俺は跳ぶ。

「わはははは、楽しい!」

「次だ!」


「もう一回!」


「・・・」


「ちっ、もう着いちまった。」俺はそう思いながら、ダンサを虚無の部屋から出す。

「ぐふふ、ここは何処ですか?」

「オカタと言う所らしい。」

「マスター、彼方に大勢の反応があります。」サランが指輪から出てきて言う。


「とりあえず、そっちに行ってみるか?」俺達はそこに歩き出す。

 暫くすると、人、魔族、獣人、エルフやドワーフなどが一列に並んでいた。


「なんだ? ダンジョンの並び待ちか?」

「ぐふふ、私が聞いてきます。」そう言いながら、ダンサが列の最後尾の獣人に話しかける。


 暫くして、ダンサは帰ってきた。

「何だった?」

「ぐふふ、この列は、この山の山頂にある、霊験あらたかな神社の参拝を待つ列のようです。」

「へぇ。」

「そして、この辺りのグルメは、蕎麦と団子らしいです。」

「なんだ、その要らない情報。」

「ぐふふ、山かけ蕎麦など、精が付きそうではないですか。」

「つまり、食べたいって事だな?」

「ぐふふ、いえいえ。」


「ふぅ、そこに蕎麦屋があるから腹ごしらえしてから、ダンジョンにいくか。」

「ぐふふ、お供します。」

「お前は、桃太郎の従者か?」

「ワン!」

「ダンサ、やめろ。」

「おぉ、ではキャッキャッ!」


「ダンサ、短い付き合いだったな。」俺は黒いオーラを出しながらダンサに向かう。

 目の前にあるのは、ダンサの完璧な土下座。

そして、ダンサは言う。

「お怒りをお納めください、神様、おいらの命を捧げます。」

「雪魔人かよ!」思わず突っ込みを入れた!

「ダンサ、お前どんだけ俺の前世を覗いているんだ?」

「ぐふふ、愛ゆえに。」

「嫌な予感しかしない。」


「ご主人様のすべてを拝見させていただきました。」

「紫炎。」


「いえ、ダンサ様は、ケイジ様を。」

「紫炎~。」

「すみませんでした~。」紫炎が言う。

 その勢いで、紫炎が土下座をしている姿が見えるようだ。


「ぐふふ、ご主人様、ダンサはご主人様をお慕いしております。」

「あ~、嫁の件はいらないぞ。」

「ぐふふ、愛人のポジションも捨てがたいですね。」


「却下。」

「はぅ! 拒絶! ぐふふ、それもなかなか良い!」


「話が進まないから、店に入るぞ!」

「ぐふふ、解りました。」


「邪魔するぜぇ。」俺はそう言いながらその店に入る。

「はい、いらっしゃいませ、何名様ですか?」

(ち、ここでもギャグを拾ってくれないか。)

「3人。」俺は不機嫌そうに言う。


「はい、では、こちらのお席にどうぞ。」店の女性に窓際のテーブル席に案内された。

「こちら、メニューです。 今日のお勧めは、山菜の天ぷらです。」店の女性はそう言って、厨房に入った。

「どれ?」俺はメニューを開く。


「今日のお勧め:山菜の天ぷら 50B」

「蕎麦 50B」

「山かけ蕎麦 80B」

 大盛 20B


「・・・」

「ぐふふ、ご主人様?」

「二択。」そう言いながらダンサにメニューを渡す。


「ぐふふ、メニューの意味がないですね。」


「お姉さん、注文。」

「はいはい。」

「山かけ3個。」

「山菜の天ぷら3個。」

「あと、ラガーも3個。」

「はいはい。」


「ご主人様?」

「ん?」

「なぜ三人前なのですか?」

「あぁ、サラン。」

「はい。」サランが指輪から現れる。

「おぉ、そう言う事ですか。」

「サランはこの指輪に居るからな、いつでも一緒だ。」

「マスター、私は嬉しいぞ。」


「今では呪縛に等しい。」

「な、マスター、其れは酷い!」

「トイレも風呂も一緒なのだぞ!」

「ぐふふ、其れはお気の毒に!」

「マスター、その時は見ていない。」

「気分の問題なんだよ。」

「マスター、では遮断の魔法を使ってくれ。」

「遮断?」

「あぁ、其れを使ったら、私はそれを感知できない。」

「ふ~ん。」


「お待たせしました。」テーブルに山かけ蕎麦と、山菜の天ぷら、ラガーが置かれる。

「おぉ、サランに奉納を。」

「ありがとうマスター。」


「さて。」

「?」

「ダンサ、お前転生したんだよな?」

「ぶほぉ。」ダンサがラガーを吹き出す。

「ななな?」

「いや、メイド喫茶、ケチャップ、オムライス、この世界には無いよな。」


「ぐふふ、見抜かれましたか。」

「いや、当然だよな?」

「ぐふふ、私は場末のレイヤーでした。」

「おぉ。」

「夏の祭典で、水分補給を怠ったせいでその場で。」

「おぉ、それは何と言うか。」

「しかし、この世界で生を受け、私は生を謳歌しています。」

「魔王だもんな。」

「いや、魔王は後付けで、知らない間に呼ばれてました。」

「へぇ。」

「バランの派閥に入ったのも、成り行きだけです。」

「ふ~ん。」

「ご主人様が転生者なら、バラ×ボルが理解できるのも当然ですね。」

「ダンサ、解るが理解は無理だ!」


「ぐふふ、そのうちに気持ちよくなります!」


「ダンサ、今存在を消そうか。」俺は黒いオーラを纏って言う。

「ひぃ! ケイジ様、お慈悲を、お慈悲を~。」ダンサがひれ伏す。


「さぁ、さっさと食ってダンジョンに潜るぞ。」


「ぐふふ、お読みいただき感謝します。」

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