表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/203

やらかしの53

「いやぁ、ケイジ君堪能したよ。」

「えぇ、ケイジ様、美味しかったですわ。」

「ケイジ様、又来ますので、その時は違う世界を教えてください。」

「あの、美味しかった。」


「ご期待に添えてよかったです、で、お土産は買いましたか?」

「おぉ、ケイジ君、海老パオとシャオマ、もつ煮と、チャーシュの塊、ガツは抑えたよ。」

「おぉ、それではお気をつけて。」

「おぉ、ケイジ君、いつでも家の方に遊びに来てくれよ。」

「ケイジ様、お慕いしております。」

「あの、私も、です。」


「ドレース様、さぁ、お早く。」不穏な気配を感じた俺は急がせる。

「あぁ、すまない、さぁ、お前達行くぞ。」そう言いながら、ドレース一家を乗せた馬車がベカスカに帰っていく。


「ふぅ。」俺はため息をつく。


**********


 あくる日の朝、モブに声をかけられた。

「ケイジ様。」

「おぉ、モブ、どうした?」

「オークの骨が無くなりそうです。」

「お前、俺を仕入れ担当にしてるよな。」


「な、いえ、正規のルートで仕入れても良いのですが。」

「ですが?」

「少しでも孤児たちの為に、還元したいので。」

「ほぉ。」

「え?」

「毎月渡してる、運営費30Gの収支、帰ったら見るぞ。」

「な、は、はい。」


「よし、では、ガコのダンジョンに行ってくるか。」そう言って俺は紫炎の繋げた部屋を潜る。


 ダンジョン前は、結構にぎわっていた。


「昨日は、オーク肉がドロップしたんだ!」

「ち、旨いことやりやがったな。」

「あぁ、少し美味かった。」

「どんだけ出た?」

「おぉ、20kgだ。」

「な、畜生、羨ましい。」

「へへへ、オークはkg当たり500Bになるからな。」


「3日前はバハローの肉がドロップしたんだ。」


「バハローは、5kgしかドロップしないよな。」

「あぁ。」

「いくらになった?」

「キロ1Gだ。」

「な、倒すのに苦労するのに、たった5Gか?」

「オークの10Gの方が遥かにいいな。」


「おぉ、盛況だな。」俺はそう思いながら、討伐の列に並ぶ。


「おぉ、兄ちゃん、単独で討伐する気か?」ガラの悪い男達が俺に絡んでくる。

「あ?」俺は男たちを睨みつける。

「がはは、兄ちゃん一人じゃ、厳しいだろう? 俺達が一緒に潜ってやるよ。」

「おい、あんた、相手にしない方が良いぞ。」隣にいた冒険者の一人が俺に耳打ちする。


「あ?そこの奴、余計なこと言うんじゃねえよ。」

「あんた、忠告感謝するよ。」俺は隣の冒険者に言う。


「で、お前ら、一緒に潜った場合の取り分を聞かせてくれ。」

「がはは、兄ちゃん判ってるな、兄ちゃんが4で俺らが6だ。」

「ほぉ、それで良いんだ?」

「がはは、出血大サービスだぜ。」

「おい、あんた、止めとけ。」

「おぉ、大丈夫だよ。」


「んじゃ、あんた達同行頼むよ。」

「がははは、兄ちゃん、得したな!」


「おら、どけどけ。」そう言いながらそいつらは、俺を連れてダンジョンに入っていく。

「おい、順番は?」

「俺らは、優先順位が高いからな。」

「ほぉ。」


 そう言うと、順番を抜かしてダンジョンに入っていく。

 そして、数人を抜かし、1階層の入り口に着く。

「んじゃ、先に入ってくれ、俺達はその後すぐ入って、兄ちゃんを助けるぜ。」

(あぁ、こいつら、俺の装備狙いの噂のゴロツキか。)俺は思う。


「あぁ、判った。」

(紫炎、入ったら即、ドロップを回収できるか?)

(問題なく。)

(よし!)

 俺は一階層に入る。

 

途端に響く悲鳴。

「紫炎、すべて回収しろ。」

「御意。」


「がははは、助けに来たぜ。」

「おぉ、助かった。」俺は振り返って言う。

「あれ?」


「何もなかったのか?」

「あぁ。」

「な、そうか。」


「あそこに次の階の階段があるぞ。」俺はわざとらしく言う。

「おぉ、じゃぁ、また先を譲るぜ。」

「おぉ、悪いな。」

 そして一階層の繰り返し。

「がはは、助けに・・・」

「又何も居なかったのか?」

「おぉ、珍しいな。」

「つぅ。」

「おぉ、あそこに3階層の入り口があるぞ。」俺は棒読みで言う。

「又、何も居ないかもなぁ。」



「まぁ、どっちでも良いんだけどな。」

「おぉ、やっと本性を現すか?」

「何言ってるんだ、兄ちゃん?」


「うわさに聞いてるぜ、ルーキーや、ソロの冒険者に声をかけて、ダンジョンに潜り、装備を剥いで置き去りにする輩がいるってなぁ。」


「何だ、俺達も有名になったもんだな。」

「がははは、まったくだ。」


「んじゃ、その刀から渡してもらおうか?」

「お前たちに言っておくよ。」

「あぁ、命乞いか? 別に俺達は命までは取らないぜ。」

「ぎゃははは、ダンジョンの魔物はどうか判らないけどなぁ!」

「まぁ聞けよ、俺に敵対心を持つなよ。」


「はぁ? お前のような雑魚に敵対心?」

「ぎゃははは、面白れぇ!」

「持たねえよ、蔑むだけだ。」


「あと、刀は抜かない方が良いぞ。」

「あぁ、ガタガタ言ってないで、さっさと腰の刀を渡せ!」

「ほらよ。」俺は、腰の刀を手前の男に放る。


「おぉ、殊勝な心がけだ。」その男は刀を受け取ると、鞘から抜いた。

「あ~あ、抜きやがった。」俺が言う。


「おぉ、中々良い、ぐぎゃぁ!」その男の全身が刻まれる。

「おっと。」俺はその男が手に持った刀と鞘を虚無の部屋に入れ、取り出して刀を鞘に納めた。

「落とされたら、傷がつくからな。」

「なぁ、貴様何をした。」

「あっ、いつの間にか刀を奪ってやがる!」

「てめぇ。」

「この野郎。」


「だから敵対心を持つなって。」

「ふざけ、ぐふ!」

「な、このやろ、ぐばぁ。」

「てめ、ごばぁ。」

「きさま、げぼぉ。」


「この刀の力は人間にも効くのか。」

「マスター、こいつらはどうします?」サランが指輪から出てきて、俺に問う。

「一人は重傷だが、他の4人はもう駄目だな。」

「うん、3階層に全員放り込もう。」

「判った、マスター。」そう言うとサランは5人全員を掴み、3階層へ放り投げた。


「ひぎゃぁぁぁ。」全身を刻まれた男の断末魔が聞こえる。


「マスター、静かになった。」

「おぉ、掃除が終わったか。」

「んじゃ、オークの肉を採りに行くか。」そう言いながら3階層に潜る。


「はぎゃやややあや。」途端に響く魔物の声。


「通常営業だな。」

「紫炎、ドロップ回収ヨロ。」


「先ほど死んだ冒険者の装備はどうしますか?」

「あ?そんなもん放置だ。」

「御意。」



「とりあえず、オークのお肉が大量に採れる4階層を周回するぞ。」

「御意。」


「10回ぐらい回せば良いか?」

「肯定します。」


「おし、サクサク行くぞ!」


******************


とりあえず、半月は持つ量が確保できた。

「無双しすぎたな。」



「宜しいのではないですか?」

「考えたら負けだと?」

「はい。」

「まぁ良いや、帰ろう。」俺は紫炎が繋いだ処を潜り、ダンジョンを出た。


「おぉ、あんた、無事だったか? あいつ等はどうしたんだ?」先ほど、俺に忠告した男が声をかけてきた。


「3階層で先走って、全滅したな。」

「はは、自業自得って奴だな。」

「あんたは、よく無事に帰った来られたな。」

「あぁ、楽勝だったよ。」

「あれ? 3階層のコア、壊しちゃった?」

「いや、壊してないぞ。」

「あぁ、それなら三日待たなくていいのか。」

「あぁ、頑張ってくれ。」


「おぉ、ありがとうな。」


「紫炎、華厳の、いや、港町の乾物屋の店の前に。」

「御意。」

 俺はそこを潜った。


******************


「おや、また来てくれたのかい?」店の者が俺を見て声をかけてくる。

「あぁ、前回忘れてた物があってな。」

「おぉ、何だい?」

「カツオ節ってあるか?」

「ん?カツオ?初めて聞くな、それはどんな奴だ?」

「大きな魚を3枚におろして、背と腹に分けて熱湯に浸けた後、何回か燻して。」

「カビを付けて、天日干しを繰り返した奴だ。」


「あぁ、あるぜ、枯れ干しって言うんだ。」そう言って、店の男は大きな缶からそれを取り出す。

「男節か?」

「おぶし?」

「あぁ、背中側か?」

「あぁ、有るぜ。」そう言って、別の物を缶から出す。


「あと、それを削る奴もあるか?」

「あぁ、そこに。」と言って俺の後ろを指差す。


「あぁ、これだ、引き出しが付いている奴が使いやすいんだよな。」


「二つでいくらだ?」

「枯れ干しが1G、その手に持った奴は2G500Bだが、この間大量に買ってくれたから、全部で3Gで良いぜ。」

「おぉ、悪いな、決済頼む。」

「まいど。」



「あと、この辺りでパンが買える店はあるか?」

「パンってなんだ?」

「小麦粉を練って、発酵させて焼いた奴だ。」

「う~ん、言ってることが良くわからないが、バゲの事かな?」

「バゲ? あぁ、バゲットとか言う奴だ。」


「それなら、この店の2軒隣だ。」

「おぉ、行ってみるよ、ありがとうな。」

「また来てくれよ。」


 俺は、店の男に教えてもらった、店の前に行く。

「おぉ、まさしくパン屋だ。」

「そう言えば、こっちに来て食べたものに、パンってなかったな。」

「マイナーなのかな?」

「ダンナーさんの夕食に呼ばれた時も、パンはもちろん、ライシーや麺類は出なかったな。」

 俺は、色々なことを考えながら、その店に入った。


「いらっしゃいませ。」

「おぉ、こんにちは、俺はケイジだ、宜しくな。」

「ははは、店に入って自己紹介をする方は初めてです。」

(はっ、今までやらかしてたのか?)

「ははは、いらっしゃいませ、ケイジ様、私はこのバゲ工房の店主、トースイ・ネロコと言います。」

「おぉ、此処は何を扱っているんだ?」

「はい、バゲと言いまして、バクの実を粉状にしたものを練って、膨らませてから焼いたものです。」そう言いながら、店主が出してきたのは、まさしくフランスパン。

「おやじさん。」

「はい、何でしょう?」

「もう少し柔らかめの奴はないか?」

「おぉ、ケイジ様、ございますよ。」そう言いながら出してきたのはまさしく食パン。

「少し、試食して良いか?」

「はい、どうぞ。」おやじさんは俺に手に持ったパンを差し出す。

 俺は、端っこを少しむしって口に入れる。

「おほ、旨い。」


「おやじさん、いくつある?」

「え?」

「今手に持っている奴だ。」

「あ~、これは試作品で、10個程ですが。」

「買う、全部買う。いくらだ?」

「値段ですか? 考えてなかったです。」

「じゃぁ、バゲは一個いくらだ?」

「バゲは、一個20Bです。」

「よし、バゲはいくつある?」

「今は30個あります。」

「よし、バゲと、試作品を全部で2Gでどうだ?」

「いえいえ、そんなにいただけません、1G500Bで良いですよ。」

「買った!」

「あと、バクの粉ってどこで買える?」

「この店の数軒隣に、穀物専門の店がありますから、そこなら有ると思います。」

「バターは?」

「バターとは?」

「あ~、バハローに似た動物の乳の油だ、バゲを作るときに使うだろ?」

「あぁ、ブッターですか、穀物専門の店の隣にありますよ。」

「おぉ、ありがとう。」


「あとさ、少しで良いから「イースト」をくれないか?」

「イーストとは?」

「バゲを発酵、膨らませるのに使うだろ。」

「あぁ、コボですか、少しなら。」

「じゃぁ、これに。」俺は虚無の部屋から小皿を出す。

「おや、今どこから?」

「おぉ、気にするな。」

「はぁ、今持ってきますね。」と言って、おやじさんが店の奥に引っ込む。


「お待ちどうさまでした。」そう言って小皿に入ったコボを渡してくる。

「おぉ、ありがとうな。」俺はそれを虚無の部屋に入れる。

「そちらはサービスしますね。」


「あと、おやじさん、定期的に柔らかい方を買いに来るよ。」

「ほぇ?」

「一個90Bで良いのか?」

「えぇ。」

「毎日、朝がたに、俺か、俺の仲間が買いに来る。」

「お仲間ですか?」

「おぉ、俺の顔は覚えたか?」

「はい、ケイジ様。」

「じゃぁ、俺の仲間が来るときは、合言葉を言うようにする。」

「合言葉?」

「あぁ、おやじさんと、俺達しか知らない言葉だ。」

「成程。」

「では、合言葉は。」

「合言葉は?」

「木星の衛星は79個ある。」

「は? モクセイ? エイセイ? 何ですかそれ?」

「いや、合言葉だ。」

「意味が解らないのですが。」

「おいおい、意味が解ったら合言葉にならないだろう。」

「おぉ、そう言えばそうですな。」

「モクセイのエイセイは79個ある、ですな。」

「あぁ、オッケーだ。」

「桶? 桶がどうかしましたか?」

「いや、なんでもない。」

「じゃぁ、宜しく頼むな。」

「はい、ケイジ様。」



 俺は、バゲ屋を出て辺りを見渡す。

「おぉ、昨日はやっていなかった店が隋分開いているな~。」

「バクの粉は数軒先、おぉ、この店は。」俺はその店の中に入る。

「おぉ、いらっしゃい。」

「おやじさん、これは魚のすり身を調理したものか?」

「おぉ、兄ちゃん、この町でもうちだけがやってる物だ。」

「さ、さつま揚げ、ちくわ、はんぺん、揚げボール。」

「いや、全然違うが、どこかに同じようなものがあるのか?」

「おやじさん、中にごぼうや、イカ、小さい卵を茹でたのを入れた物は無いのか?」

「いや、無いが、中に違う素材を入れるのか。それ良いな、その作り方売ってくれ。」

「いや、使って良いよ。」

「おぉ、じゃぁ、ここに有る奴を好きなだけ持って行って良いぞ。」

「イワシのすり身だけで作った奴は無いのか?」

「イワシ?」

「これだ。」俺は虚無の部屋から取り出す。

「おぉ、弱魚か。」

「これを、内蔵と頭を取って、骨ごとすり潰して、団子、丸めてお湯で煮るんだ。」

「おぉ、それも真似して良いか?」

「つみれ、と呼ぶなら。」

「おぉ、兄ちゃん、他にもあったら教えてくれ。」

「俺は、ケイジだ。」

「おぉ、ケイジさん、頼むよ。」


「今日は、此処までだ。」

「え~、まぁしょうがないか。」

「じゃぁ、此処に出ている奴、全部持って行くぞ。」

「おぉ、問題ない。」

「紫炎。」

「御意。」

「おぉ、何時の間に全部?」

「じゃぁ、また来るよ。」

「あぁ、また来てくれ。」



「これは、八百屋にもいかないとな。」

「ん?ここは!」俺は隣の店に入る。

「醤や噌の店か?」

「いらっしゃいませ~、何かご入用で?」


「ほぉ、噌の種類が凄いな。」

「はい~、全国各地を店主が周り、味に納得した物だけを扱ってます~。」

「気に入った、単位はいくつでいくらだ?」

「え~っと、たんい?いくつ?いくら全部わかりません。」

「あぁ、噌はどのぐらいの量をどのくらいのBで売ってるんだ?」

「あ~、はい、理解しました、噌はこの杓子山盛りが30Bです。」

「んじゃ、全種類3杓子分くれ。」

「はい~、しばらくお待ちを。」

「あと、野菜を煮込んだ、醤に似た物は無いか?」

「はい、ございます~、そちらに。」


「おぉ、味見はできるか?」

「はい、黄色い色に塗られた奴でお試しください。」

「おぉ、これか。」俺は、黄色に塗られたボトルを味見する。

「はは、ソースだ。」

「とりあえず、全種類10本ずつ買うか。」俺は、そこにあった物を合計30本、会計の台に置いた。

「あの、全部で4G800Bですが。」

「おぉ、カード使えるか?」

「はい。」

「んじゃ、決済ヨロ。」

「はい、げぇ、Aランク?」

(アイリーンに、個人情報保護を叩き込もう!)

「あ、ありがとうございました。」

「おぉ、また来るな。」

「お、お待ちしております。」


 その店を出て、また目移りした。

 その店先には、俺が求める物があった。

「おぉ、これは。」

「おぉ、いらっしゃい、是非見て言ってくれ。」

「この形状、三浦大根。」

「おや、お兄さん、よくご存じで、それはバーチのミーウラと言う地方で採れる煮物に適したダイコです。」

「おほほ、これはメークイーンとトマトか?」

「はい、煮崩れに強いメイクー種のジャガととまつーです。」

「男爵は無いのか?」

「ダンシャは此方に。」

「おぉ。」

「これは、シイタケ?」

「えぇ、それは出汁が良く出るシータです。」

「これはレタスか?」

「はい、レタです。」

「全部買う。」

「え? いやいや、ここに有るの全部で5Gですよ。」

「カード決済、出来る?」

「はい。」

「決済して。」

「はい、よろこんで。」


「よし、次はバク粉だな。」

 俺は、その店に行く。


「いらっしゃいませ、何をお探しで?」


「おぉ、バク粉の強力粉と薄力粉を探してる。」

「はぁ、バク粉は扱っておりますが、きょーりきこ、とかはくりきことは、何のことか?」

「あぁ、どんな風に売ってくれるんだ?」

「はい、此方にあるバクをあちらの機械で粉にいたします。」

「おぉ、種類があるんだな。」

「はい。」

「これは、どんな料理に使うんだ?」

「はい、これは水に溶かして焼いて食べるものです。」

「こっちは?」

「バゲ用です。」

「うん、わかった、粉にするとき出る皮の部分は?」

「捨てます。」

「買う、量はどう言えばいいんだ?」

「はい、そこにあるカップ一杯が30Bです。」

「あぁ、なるほど。」

「じゃぁ、水に溶かして焼くのと、バゲ用とそれぞれカップ20杯と、捨てる皮の部分もくれ。」

「はい、1G200Bです。」

「カードは使えるか?」

「はい。」

「んじゃ、決済ヨロ。」


「最後はブッターか、ふふ、お釈迦様みたいだな、それともドイツ語読みか?」

「えと、この店の隣だったな。」


「はい~、いらっしゃいませぇ。」おっとりとした女性が出迎えてくれた。

「おぉ、ここにブッターがあると聞いてきたんだが。」

「はい~、ありますよぉ~。」

「売っている量はどのぐらいだ?」

「りょうは判りませんが、此方に有るもので、ひと塊が40Bですぅ。」

「おぉ、固形で売ってるんだ。」

「はい~。」

「これ、何の乳で出来てるんだ?」

「おや、ブッターを知っているのに?」

「田舎者なんでな。」

「これは、チチバハローのお乳から作られているのですよ。」

「なるほど。」

「いくつお買い上げですかぁ?」

「20塊くれ。」

「はい~、800Bですぅ~。」

「ここに置くぞ。」

「はい~、ありがとうございますぅ~。」


「今回は、この位で良いか。」俺は虚無の部屋のリストを見て思う。


「紫炎、ベカスカの孤児院に。」

「御意。」

 俺はそこを潜った。



おやぁ、グルメの方に向かうのかなぁ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ