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やらかしの48

「よく考えたら、跳ぶ必要なかったな。」ルズイに着いた俺が言う。

「はい。」紫炎が答える。

「つい、勢いで行動しちまったな。」


「まぁ良いや、アクアに会えば良いんだよな。」

「マスター、名前・・」

「俺に下るまではアクアだ。」

「マスター、結果が解っているのに・・」

「いや、サラン、俺の意地だ。」

「・・・はい。」


 暫く歩くと、何時も行くラメーンの店が見えてきた。

「おぉ、ケイジ様、申し訳ございません!」店の人間が俺を見て頭を下げる。

「ん? どうした?」

「はい、今は水が汚れていて、飲食を供給できません!」

「おぉ、知っているよ、俺はギルドの要請できた。」

「おぉぉ、ケイジ様がこの危機を御救い下さると?」

「あぁ、善処するよ。」

「おぉ、流石ケイジ様だ。」


 俺は、水源向かい歩いた。

「あの頃は、凄く綺麗な水が湧いていたのにな。」


 その場所に着いた。

「酷いな。」

 其処に涌いているのは、どす黒く濁った水だった。


「マスター、中央に反応があります。」

「おぉ、あれがアクアか?」

「マスター・・。」サランが俺をジト目で見てくるが無視だ。


「どうすればいいかな?」

「マスター、一度呼んでみて下さい。」

「何とだ?」

「リアンです。」

「嫌だ!」

「マスター、子供みたいな事を。」

「サラン、それ以上言うなら、又指輪が外れるぞ。」

「あー、別の呼び名でもオッケーかと。」

「それは何だ?」

「リバイアサンかな~。」

「サラン、目が泳いでいるぞ。」

「いえ~、そんな事は~・・」


「はぁ、面倒くさい。」

「マスター。」

「マジで、リバイアサンが滅びても俺は知らない。」

「マスター、一度だけチャンスを。」

「はぁ、サランに免じて、一度だけな。」


「リバイアサン!」俺は湧き水の中心に声をかける。


「う、あ。」湧き水の中心から、うめき声のような声が上がる。


「うえっ、帰りたくなってきた。」

「マスター、男を見せるときです。」

「嫌だなぁ。」


「う、あ。」湧き水の中心から手が出てくる。

 まず右手が。

「う、あ、あ。」

 そして次に左手が。

「あ、あ、あ。」

 そして、その手が水を掴む。

「おいおい、どんな手品だよ。」俺がつぶやく。


 掴んだ水を支点にして、そこからリバイアサンの主体が這いずり出てくる。

 髪の毛?を顔面に垂らし、這い出てくる姿は、正しく貞〇!

「うわわ、帰りたい!」

「マスター、あと少しの辛抱です!」

 そして貞〇、もといリバイアサンの主体が四つ足で水の上をこっちに向かって来る。


「なぁ、迎撃して良い?」俺はサランに尋ねる。

「一回だけは試しを。」

「俺、ホラーは嫌いなんだよなぁ。」

 俺の前まで来た貞〇、いや、リバイアサンの主体は恨めしそうにサランを見て言う。

「何故、サラマンダーは許されているのだ?」


「私は、マスターに忠誠を試していただいた。」

「う、あ、忠誠?」

「あぁ、そうだ、マスターは私の忠誠を試し、受け入れてくれたぞ。」

「う、受け入れ、ああ、ああ。」

「リバイアサン、気をしっかり持て、マスターに忠誠を誓うのだ!」

「あ、あ、あ、あ、マスター殿? サラマンダーごときが、あ、あ、あ。」

「リバイアサン!」サランが叫ぶ。


「憎い!」リバイアサンが絶叫する。

「リバイアサン、気をしっかり持て!」サランが叫ぶ。

「火の精霊ごときが、我に声をかけるな!」リバイアサンが咆哮する。

「な、ケイジ様の御前だぞ。」サランが呟く。


「ケイジ? 誰だ其れは?」

「な、リアン!、ケイジ様に仕えたことを忘れたか!」

「ケイジ、様?」

「あぁ、我らがマスターだ。」

「あ、あ、あ、マスター殿?」

「そうだ。」

「あぁ、あぁ、愛おしい、我がマスター殿。」

「今、目の前にケイジ様がいらっしゃるぞ!」

「あぁ、マスター殿が?」虚ろな目でリバイアサンの主体が俺を見る。


 俺を見た、その目の奥に光が灯ったように俺は感じた。

「あぁぁ、マスター殿!」そう言いながらリバイアサンの主体が俺の腰に抱き着く。


「離せ!」自分でもビックリするような冷たい声で俺が言う。

「え?」

「はぁ?」

 サランもリバイアサンの主体も、俺を驚愕の目で見る。

「誰が許した?」更に冷たく俺が言う。

「マスター?」

「俺に弓引いた者が簡単に許されると思うなよ。」俺は更に冷たい声で言う。

 そう言う俺は、嫌悪に取り込まれていた。

「裏切った奴が、普通に許される?」俺は、嫌悪感に包まれる。

「はははは、やべぇ、うける!」その上に憎悪が上書きされる。

「裏切り者を受け入れる?」過去に受けた負の行為が脳裏に展開される。

「無いわ!」俺は魔法陣を展開する。


「マスター、リアンは大丈夫です!」

「おぉ、サラン、お前だけは影響を受けないように調整した。」

「受けろ!俺に仇名す者よ!、嫌悪陣!」

 俺に敵対するものに、裁きを与える魔法陣。

「はははは、俺に敵対するものはすべて滅びろ!」

 そして、魔法が発動する。

「つぅ!」サランが顔をしかめるが、何も起こらない。


 気付くと、リバイアサンにも影響が無かったようだ。


「マスター?」

「あれ?」

「マスター殿、お許しを。」リバイアサンが涙を流しながら俺に言う。


「俺、道化?」

「いえ、マスター、リアンの忠誠の証です。」


「リバイアサン、いえ、リアン。」

「あぁ。」

「マスターに指輪をはめて、忠誠を誓え!」

「う、あぁ。」そう言いながらリバイアサンが俺の指に指輪をはめる。


「マスター殿に忠誠を誓う。」


「く、リバイアサン、お前の結界を破った者にどう答える!」

「ふふふ、リバイアサンの張る結界を破れるなら。」

「破れるなら?」

「マスター殿と共に散る。」



「ふぅ。」

「リアン、その時は俺が守ってやるよ。」

「な?」

(ケイジ様、精霊種への求婚確認しました。)


「つぅ。」リアンが涙を流す。

「お帰り、リアン。」サランがリアンの頭を抱きながら言う。


「マスター殿ぉぉぉ。」

 リアンが俺に抱き着き、口付をしてくる。

「むぐぅ。」

「あ、あ、あ、マスター殿、マスター殿!」

 俺はその口技こうげきを耐えた


「ふぅ。」俺は正気を取り戻して言う。

「お帰り、リアン。」

「あぁ、マスター殿、リアンは嬉しく思います。」

「では、リアン、後ろの水を浄化しろ。」

「え?」そう言いながら、リアンが後ろを振り向く。

「な、何で水が濁っているんだ!」


「あぁ、自分のせいだとわからないのか。」

「マスター、完全に自分を失っていたみたいなので、仕方がないかと。」


「我が名をもって、浄化を願う!」リバイアサンが手を水源にかざして浄化を行う。

 濁っていた水源が元の清らかな水に戻っていく。



「任務完了っと。」

「はい、マスター。」

「んじゃ、パオでも食ってくか。」

「マスター、ラメーンとラガーも頼む。」


「ははは、サランは食いしん坊だな。」

「マスターと食べる食事は、凄く美味しいのだ。」

「ん?」リアンが付いてこないので俺は振り返る。

「リアン、行くぞ。」その言葉で、リアンが顔を染めながら答える。

「はい、マスター殿!」


 俺達は、いつもの店で歓待を受け、ベカスカに帰った。


「なんか、俺、心が狭いと思われないかな?」

「マスター、そんな事は。」

「マスター殿、無いんじゃないですか?」

「何で二人とも、目を逸らすんだ?」

「気のせいです、マスター。」

「私の口からは何とも。」

「うぅ、なんか貶められている気がする。」

「マスター、きっと気のせいです。」

「私の口からは何とも。」

「うぅ、リアンから仕返しをされている気がする。」

「私の口からは何とも。」

「よし、リアンは晩飯抜き!」

「え?マスター殿、冗談です!」

「え~、俺の口からは何とも。」

「マスター殿!」

「さて、今晩はマスターバハローのもつ鍋にするかぁ。」

「マスター殿、お慈悲を。」

「くっくっくっ、マジで美味いぞ。」

「マスター殿~。」


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