第1話 日常1
一度世界は跡形もなく滅んだ。
どこからともなく現れた人類は、また文明を再興させた。
彼らは歴史を繰り返さんと言わんばかりにまた戦争に明け暮れた。
世界中で戦争が続き、諸国は何千年もの間、亡国と復興を繰り返していた。そんな中、蒸気技術の発達と星の子と呼ばれる兵士達の活躍によりこの戦争の時代はある一つの転換点を迎えようとしていた。
この物語の舞台となる国、ゼーラル。この国もまた、星の子と呼ばれる兵士達の力に翻弄されていた。
星の子とは何か、、、それは一人一人が兵士1万人、いや、それ以上を圧倒できる力を持った人間のこと。その力故に、時に彼らは戦争の目的となることもある。
そう、ゼーラル国は星の子を求めて戦っていたのだ。北方の小国、ノーゼス王国と、、、
「勝った勝った!大勝だよ!また星の子達が戦線を押し上げた!詳しい戦績や戦死者情報はこの記事に載ってるよー、さあ買った買った!」
ここはゼーラル国の東に位置するパールタウン。人口1000万のこの国で15万人住んでいるのだから田舎、ではないが、かといって都会でもない。
我先にと新聞屋を取り囲む人々。その中にこの物語の主人公ライズはいた。
「おっ、ライズ坊は今日もおつかいかい?偉いねぇ。どうだ、お母さんの具合は?」
新聞屋のおじさんは誰にでもこんな感じだ。母さんの具合はというと良くもなければ、悪くもない。いつも通り寝たきりだ。父さんが失踪をした日を境にずっとこんな感じである。
「いや、別に。寝たきりさ。」
「そいつぁよかった。ほらサービスだ。戦勝祝いでもして元気出すように言っといてくれ。」
そういって手渡された新聞には「大勝」とでかでかと見出しが書いてあった。ありがとう、そう言い残して今日の夜ご飯の材料を買いに行く。
歩きながら読む新聞にはこうある。
5月2日、星の子二人の活躍により先日ついた風穴を広げ本隊の突撃により敵の戦線を完全に破壊。あまりの速さに敵の司令部は機能せず星の子同士の戦闘もなくそのまま国境の押し上げに成功した。落星地点まであと16キロもない。先の条約により、、、、、
ライズももう15歳。徴兵期間も近い。そのせいもあって新聞の内容には没頭してしまう。
この国の識字率は低い。男の大人でもまだ7割程度しか字が読めない。だからライズのように子どもで新聞が読めるというのはとても珍しい。それも地主であったライズの父の計らいのおかげであった。
父さん、今頃どうしてるのかなぁ、
ポツリと呟くライズの背中はどこか寂しげであった。




