エピローグ
十年後
王都の朝。
受付ではリリアが、出発前の親子の準備をしている。
「これ持った?」
「あれは?」
「忘れ物ない?」
「パパの言うこと、ちゃんと聞くのよ?」
目の前の小さな女の子は、待ちきれない様子で足をばたばたさせる。
「ママ!」
「早く行きたい!」
その時。
後ろからヒロが歩いてくる。
娘の頭へ、そっと手を置いた。
「ママの言うことを聞きなさい。」
「なんたって。」
「仕事ができて。」
「早くて。」
「正確で。」
リリアは慌てて振り返る。
「完全詠唱しない!」
ギルド中から笑い声が上がる。
その時だった。
「ヒロー!」
聞き慣れた大声がギルド中へ響く。
「早く行こうぜ!」
入口にはガレスが立っていた。
その隣には。
耳の長い、小さな男の子。
父親を真似して腕を組み。
体には少し大きすぎる木製の大剣を背負っている。
「ヒロ!」
「遅い!」
ヒロは思わず吹き出した。
「ふふっ。」
「似てるね。」
「ほんとに。」
ガレスは得意げに笑う。
「だろ!」
ヒロは娘へ手を差し伸べる。
「行こうか。」
「うん!」
小さな手が、ヒロの手をぎゅっと握る。
ガレスの息子も父親の隣へ並ぶ。
四人は肩を並べ、街の外へ歩き始めた。
しばらく歩いたあと。
ガレスが前を向いたまま、ぽつりと呟く。
「……ようやくだな。」
ヒロは隣を見る。
ガレスは少しだけ笑っていた。
「俺たちの。」
「初めての冒険だ。」
その言葉に。
ヒロは空を見上げる。
陽だまり村。
木剣を振っていた日々。
鍛冶場。
森。
「最高ランクの冒険者になろう。」
そう約束した、あの日。
遠回りばかりだった。
けれど。
今なら分かる。
あの日夢見た冒険は。
自分たちだけのものじゃなかった。
子どもたちへ繋がっていくものだった。
ヒロは涙を堪えながら笑う。
「……おまたせ。」
四人は並んで歩いていく。
親から子へ。
夢は受け継がれ。
新しい冒険が、静かに始まった。
初めて小説を書きました。
出来上がった自分の小説を読んで笑ってしまうぐらい下手くそだなと思いました。
そんな中でも最後まで読んでいただきありがとうございます。
作者ではなく一読者として
好きなキャラランキング
1位:ガレス
2位:女将
3位:セバス
作者が好きなエピソード
1位:ロケット〜写真撮影(ep56~ep59)
気が向いたら
番外編をちょこちょこ書こうかなと思っています
ありがとうございました




