魔法少女マニア
本当の目的を知った光は、なんとか回避しようと、必死に頭を巡らせた。
そんな中、光と力声の姿に分析を行う人間の姿があった。
確率は二分の一。どう避けるべきか。
思考を巡らせている間に、晶子はパチンと両手を合わせる。
「さて、説明はこれくらいにして……」
晶子は後ろへ振り向くと、ある隊員に向かって声をかけた。
「どうだい?spirit屈指の魔法少女マニアの諸君?」
一人は大人しそうな男性、もう一人は逆に明るそうな女性だ。
まず初めに声を上げたのは男性隊員だ。
「しょ……」
そう小さく呟かれて間もなく続きを発する。
「正直な感想です。まず当たり前のことなのですが、やはりコスプレですね」
(いやコスプレなんですけど)
光は声に出すのを我慢して心の中でツッコむ。
「いやコスプレにも失礼な気がしますけど、確かに可愛いんですけど、やはり本物になろうという気持ちが足りないです」
(なろうとはしていない)
そんな冷静に分析されると、本当に魔法少女に申し訳なさが出てきてしまう。
そこで女性が割り込んだ。
「私はいいと思いますよ!魔法少女に新たな道を切り開けそうです!」
(切り開こうとはしていない)
そして、先程いいと高評価をくれていた隊員も同意を示した。
「ああ!魔法少女は自由だ!皆最初は素人から始まるもの。そこからの成長していくのに感動するんだ!試しに十回見てみるといい!」
さりげなく魔法少女のビデオを宣伝してくる。
冷静に分析をしていた隊員はため息を吐く。
「本気ですか……?さすがにこのままじゃ、魔法少女と名乗るに値しませんよ。せめてもう少し……」
「白川くんは一体何が不満だと言うのだ」
相変わらず言葉も見た目も暑苦しい隊員が、白川と呼ばれる隊員にそう声を上げる。
「道本さんこそ何を見てるんですか」
「彼らだが?」
光たちを見ながらそう言う。
白川は頭を抱えながら、頭を痛そうにする。
「あんたが天然バカなの一瞬でも忘れた僕がバカでした……」
「なっ……またバカって言ったな!今日だけで記念すべき三十回目だ!でも昨日よりはまだ少ないな!」
わざわざ数えていたのか……しかも昨日の方が多かったのか。
「暇なんですか……ったく……まずですね、決め台詞がダサい!」
冷静だった白川が声を上げる。魔法少女愛が強いのがわかる。
(それはごもっとも)
数秒の沈黙の後、白川は静かに言う。
「……他にも言いたいことは山ほどありますが、やるなら徹底的に……時間の許す限り……」
ふらふらと下を向きながら放った言葉に、皆ぞくりとする。
すると顔を上げると、前髪で隠れた目元があらわになり、とんでもない笑顔を見せた。見た目は爽やかで、何も知らない人からすれば、見惚れてしまうだろう。だが、それはとてつもなく冷ややかで、逃げろと頭でサイン信号を送る。
「確か、明日ですよね?」
この一言に、光以外は皆、何が起こるか予測がついた。
まだまだこれからというところなので、どうぞよろしくお願いします。




