↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
烈海の艨艟 対米戦勝利の方程式  作者: 鳴木疎水
灼光の戦譜
PR
78/100

イギリス海峡海戦1

おくれてすみません。


今回の更新にあたってストーリーの整合性を保つため20話の内容を改変しております。よろしくご了承お願いします。

イギリス海峡海戦1

 

 英米連合機動部隊の初撃はブルターニュ半島を襲った。

 ケルト海からコーンワル半島を越えて飛来してきた300機を超える攻撃隊は低空域からブレスト上空に侵入してきた。

 このためブレスト港周辺に設置されていた枢軸軍の対空警戒レーダー網は捕捉が遅れ、周辺の航空基地はほぼ奇襲に近い形で空母航空隊の攻撃を受けることになった。

 この攻撃によって英米機動部隊に対するブルターニュ半島方面の枢軸軍航空部隊の脅威度は大幅に減少した。


 8月19日18時過ぎ、空母部隊から分離していた英米戦艦部隊は、ケルト海を染める残照を背に18ノットの艦隊速度でイギリス海峡に入る。

 戦艦15隻と巡洋艦16隻駆逐艦38隻で編制された、主砲の打撃力では世界最強と言っていい艦隊が目指すのは、ドーバー海峡の英国側沿岸各所に枢軸軍が築いた橋頭堡とそこに蝟集する艦船の群だった、

 先行する駆逐艦部隊と哨戒機による対潜航路啓開で前方の安全を確保しつつ進撃する英米戦艦部隊と、それを迎え撃つため集結した枢軸連合艦隊が電子の目によって互いの姿を捕らえたのは、日付も変わった20日3時50分ビーチ―岬の沖合だった。

 

 この日ドーバー海峡付近には枢軸海軍の欧州方面の主力部隊のほとんどが集結しており、その戦力は戦艦13隻装甲艦2隻巡洋艦21隻駆逐艦33隻水雷艇14隻を数える大艦隊となっていた

 枢軸艦隊には、独伊仏の艦艇に加え日本とスペインの部隊も加わっていた。

 英米艦隊にもカナダ海軍艦艇と亡命オランダ海軍と自由フランス海軍の艦艇が参加しており、両軍を合わせると9ヶ国10海軍の150隻を超える艦艇が、この狭小な海域で砲火を交えることになった。


 双方の駆逐艦や水雷艇によって始まった戦闘は、短時間のうちに多数の巡洋艦や戦艦が砲火を交える乱戦となった。

 枢軸艦隊は各国艦艇で臨時に編成されていたため指揮系統が整理されておらず、混戦の中それぞれが独立して戦闘を続ける形になっていた。

 連合軍は英米艦隊の指揮権が統一されており、参加した各国艦艇が連携して戦いを優勢に進めていった。

 英米艦艇はレーダーの性能と運用で枢軸側に対して一歩先んじていたこともあり、緒戦の混戦を脱し態勢を整えた連合軍艦隊と、混乱した状態での戦闘を強いられた枢軸艦隊との戦闘の形勢は次第に連合国側に傾いていった。

 

 退勢が隠せなくなった枢軸艦隊は、いったんドーバー方面に退却して体勢を立て直そうと計る。

 勢いに乗った連合軍艦隊は、退却する枢軸艦隊を追撃しドーバーに向かって進撃を続けた。


 熾烈な戦闘が続く中で日本海軍遣欧艦隊の4隻の巡洋艦を主力とした18隻の艦隊は、カレーの西方をフランス沿岸に沿って西に向かって進んでいた。

 艦隊の北十数キロ先のダンジネス岬沖では、ドーバーを目前にして攻めかかる連合軍艦隊とドーバー橋頭保を死守すべく立塞がる枢軸艦隊の熾烈な戦闘が続いていた。

 連合軍艦隊司令部が南側側面の闇に潜む日本艦隊に気が付いた時、すでに日本艦隊の3隻の重雷装巡洋艦の90本の53センチ酸素魚雷は放たれた後だった。

 90本の青白い航跡を追って、軽巡加古が率いる6隻の吹雪型駆逐艦と8隻の水雷強襲艦が連合軍戦艦部隊に向けて突撃を開始した。

 40ノットの最大船速に加速した水雷強襲艦は、10キロの距離をわずか10分足らずで走破する。

 横一線に並び高速で接近する8隻の水雷強襲艦を、連合軍艦隊の各艦からの猛烈な防御砲火が迎え撃つ。

 条件さえよければ20センチ砲弾の直撃でさえ耐え得る水雷強襲艦の装甲も、接近するにつれ密度を増す砲弾の嵐に次々と撃ち砕かれて行く。

 水雷襲撃艦のうち敵艦隊に雷撃ができたのは半数、放たれた84センチ魚雷の数は17本だった。


 連合軍が日本艦隊に気が付いた時にはすでに破局の幕は上がり始めていた。

 小型の軽巡並みの大きさにもかかわらず強靭な防御力を持つ8隻の艦すべてが防御砲火で叩き潰されるその前、火山が噴火するかの如く猛烈な砲撃を続けていた艦隊の中で巨大な水柱が4本上がった。

 重巡が艦の真ん中からくの字にへし折れ、大爆発を起こして海中に姿を消した。

 艦体を覆いつくしていた水柱が崩れおちたとき、そこにいたはずの駆逐艦の姿は無かった。

 艦尾を切断しただけで済んだニュージャージーはまだ運がいい方だった。

 ロドニーの2番砲塔付近に命中した魚雷は弾薬庫を誘爆させ、船体の前半部を吹き飛ばし残った船体は艦橋から海中にのめりこむように沈んだ。

 

 連合軍艦隊の本当の破局は、それからすぐに始まった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。