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くもりのち、はれ  作者: 夏みかん
第五章
27/127

絡まりあう心(2)

土曜日の授業は昼までのため、生徒たちは皆浮き足立っていた。9月も終わりが近づいてくるとさすがに夏休みボケした体も規則正しい元通りの生活に覚めており、受験生にとっては模擬試験や実力試験といったテストづくしの日々が待ちかまえている。ここで気を引き締めないと一気に置いてけぼりを喰らうのだ。だが授業も終わり、掃除も終われば自由な時間が待っている。塾に向かう者や遊びの約束をする者など様々である放課後の教室では、由衣と美佐が楽しそうに話をしていた。今日は美佐の家で勉強会という名の雑談会が待っているのだ。お昼ご飯も美佐の母親が用意してくれるのでこのまま美佐の家へと向かうべく、2人は他愛のない話をしながら荷物をまとめ、教室を出ようとした矢先に偶然にもあのバンダナの男である松浦と遭遇した。バッチリ目が合いながらも由衣は無視をしたが、その由衣の後ろに隠れるようにしてやや怯えた美佐が続く。だが、そんな2人を松浦が呼び止めた。茶色い髪をしているものの、トレードマークのバンダナとピアスは外され、流行からか、かなりだらしない制服の着方をした松浦は体を大きく揺するようにしてわざわざ由衣の前に来るとぎこちない笑顔で挨拶を交わした。あの事件があって以来、夏休みを挟んで新学期を迎えてからはまともに顔を合わせるのはこれが初めてである。クラスが違う上に素行が悪い松浦はほとんど不良仲間たちと階段付近でたむろしているため、由衣たちには会わないのだ。


「何よ?邪魔なんだけど」


あれほどの目に遭わされていながらも、あの時と変わらぬ大きな態度を見せる由衣を由衣らしいと思う松浦はフフンと鼻で笑うようにしてみせる。自分の背中に隠れるようにして身を潜め、制服を掴んでいる美佐をかばいながら腕を組み、そう問いかける由衣は強がりながらも怯えている自分を何とか奮い立たせていた。


「あの先生、卒業したらオレが入る予定のチームの敵を1人で潰したんだってな?」


ガムを噛みながらそう言う松浦の言葉に対して何の事かわからず小首を傾げる2人だったが、それが周人を指している事だけは理解できる。その2人の様子から何も知らないと感じた松浦は横に移動しながら由衣から目線を外して中庭を挟んで廊下の外に見える隣の校舎に目をやった。


「オレぁ、あれからなんにもしてないからよ、あの先生にちゃんとそう言っといてくれよな?」


結局目を見ずにそう言うと大股で去っていく松浦の背中を見ながら由衣は苦笑した。あの時、自分も怖い目に遭ったが彼もまた怖い思いをしていたのだと思うと笑いがこみ上げてきたのだ。すでに松浦に対して持っていた恐怖は感じていない。周人の効果が絶大だと思いながら、だからといって調子に乗らないように気を付けた由衣は小さくため息をついた。


「由衣ちゃん?あいつが言ってた『あの先生』って、木戸先生の事だよね?」


松浦が去っていったのを確認した美佐はようやく由衣の横に並ぶとそう質問してきた。美佐だけは由衣を襲った犯人を含めた真相を知っているため、由衣は素直にそうだよと答えると歩き始め、美佐もそれに続く。


「先生、凄く強いんだ。アイツ、かなり強烈にやられていたからね・・・だから、ビビってるんだろうね」


新学期に姿を現した松浦とその仲間2人が怪我をしていた事はギプスをつけた腕ですぐにわかった。先生を含めた皆はどうせケンカでもしたんだろうと何も言わなかったが、由衣と美佐はどういう状況で誰にやられたかを知っている。由衣から話を聞いていた美佐だったが、この松浦たちの状態を見ても周人がやったという事は全く想像できなかった。


「木戸先生、全然強くは見えないのにね・・・普段は」

「そうだね、でもぉ・・・・めちゃくちゃ強いんだよね」


人差し指を立ててそう言う由衣の顔は嬉しそうであった。美佐はその強さを見たいと思いつつも、どう想像してもケンカしている周人の姿は浮かばない。だが、ケンカばかりしている松浦のあの言葉から相当強い事だけははっきりわかる。もちろんそれは周人にやられたからだけではない。周人の強さを身をもって体験し、さらには芳樹からその経歴、『魔獣』と呼ばれた伝説の男が周人であると聞かされたからだということを由衣も美佐も知らないのだ。『キング』の強さは知らないまでも、自分たちが慕う芳樹や茂樹の強さを知り、さらにそれを倒した周人の伝説は知っている。もっとも、松浦が一番恐れているのは周人ではなく、周人がらみで芳樹の怒りを買うことだとは誰も知らないのだが。とにかく、夏休みが明けてからの松浦がどちらかといえば大人しくなっているのは周人のせいだと言い切れるだろう。由衣はぼんやりしている美佐をせかすと昇降口に下り、靴を履き替えて外へと飛び出すのだった。


制服のまま美佐の部屋でくつろぐ由衣はテーブルの上に置かれたカゴに山盛り乗っているお菓子の包みを1つ手に取ると無造作にそれを開けて頬張った。ファッション雑誌を読んだりしながら他愛のない話をするこの時間が2人には楽しいのだ。ジュースを飲む美佐はベッドにもたれながら雑誌を開き、今度はこれを買いに行こうなどと話をもちかけた。由衣もそれに賛同し、さっそく来週の日曜日にでも出かける予定を入れた2人はお菓子を食べながらいろいろな話に花を咲かせた。そしていつしか話題は塾の事へと移り、新城や周人の話になっていった。


「でも、新城先生にフラれたのにさ、全然ショックはなかったんだよね、実際・・・」


スナック菓子が噛み砕かれるバリバリという音をさせながら由衣は淡々とそう話した。美佐はベッドにもたれたまま膝を抱えるようにしてうなずいた。スカートがめくれて下着が見えるが女同士のため全く気にならない。


「やっぱり、新城先生が青山先生を好きなの、知っちゃったからじゃないのかなぁ?」

「でもさ、そんときは少なからずショックはあったんだけどなぁ・・・」


目を伏せ、告白した時の事を思い出すようにそう言う由衣の口はまだモゴモゴ動いている。美佐もお菓子を頬張ると、2人はしばらくの沈黙を保った。


「多分・・・新城先生と付き合うってことに恋してたのかもね」


由衣はそう言うと新たなお菓子の袋を開け、自分と美佐との間にそれを置いた。


「だから、そこまでショックがなかったんだろうねぇ・・・きっとさ」


由衣はまるで他人事のようにそう言うと自分の部屋でくつろぐようにゴロンと寝そべってから新城を思い浮かべるような態勢を取った。


「実際さぁ、新城先生の事はよくわかんないし、全然好かれていないこと知ってたし・・・」

「それでよく告白したね?」


美佐はお菓子を食べながら苦笑混じりにそう由衣に問いかけた。由衣は跳ね上がるようにして身を起こすとテーブルの上にあるジュースを飲んだ。オレンジの甘い味が塩味のスナック菓子の味をかき消すのがよくわかった。


「本当に好きかどうか知りたかったのよ・・・告白したらわかるかなってね?」

「で?」

「好きじゃなかったのカモね・・・」


そこまでで由衣は言葉を止めた。実際、新城に対しての恋愛感情は憧れ、しかも新城という容姿の良い男性と付き合うことに対する憧れである事に気付き、本当に好きかもしれない人物がいることは伏せておいた。なぜなら、その人物こそ美佐が想いを寄せている人物であるからである。


「ところでさぁ、美佐は木戸ッチのどこが好きなわけ?」

「え?」


唐突にそう問われた美佐は顔を赤らめながら周人を思い出しているのか、やや目を伏せがちに視線を逸らした。その表情はまさに恋する乙女のそれと言えるものであるため、由衣の心にふつふつといたずら心が芽生え始める。


「優しいところ・・・・かな」


照れた感じでそう言うと、自分を落ち着かせるためかジュースを一気に飲み干した。そんな美佐を見て、由衣は心が苦しくなるのを感じてしまった。周人への気持ちを口にするだけで真っ赤になるほど純真な美佐を差し置いて、明日自分は周人とデートをするのだ。だが決してそれを口に出すことはない由衣は美佐に対して微笑み返す事しかできなかった。


「確かに、優しいもんね」


あえて素っ気なくそう言う由衣に笑みを浮かべる美佐の嬉しそうな顔がさらに心にズキンと響く。由衣はもし自分が周人を好きになってしまった時の事を考え、思い切って美佐に質問をすることにした。


「ねぇ、もしも、もしもの話で、私も木戸ッチを好きになっちゃったとしたら、美佐はどうする?」


意外なその質問に驚く美佐だが、あっけらかんとした由衣からは緊張感を全く感じないため、完全にもしもの話としてそれを想定した。そして自分の中で出た結論を口にする。


「そうだなぁ・・・これだけは譲れないから、がんばる。でも由衣ちゃんには、きっと負けちゃうと思うし・・・う~ん、難しいね」


苦笑気味にそう言うと、困った顔をしてペットボトルのジュースをコップに注いだ。だが、気弱な言葉の裏側にある周人への想いの強さを感じた由衣はチクリという胸の痛みがズキンという大きなものに変わっていくのを感じていた。現に譲れないといった時の美佐の顔は、強い意志を秘めていたからだ。


「まっ、なるべく同じ人を好きにならないようにするかぁ~」


由衣もコップを差し出し、とぼけたように言いながらそう笑った。でも、もう手遅れかもしれないと危惧しながらもそれは考えないようにする事にした由衣は自分にもジュースを注いでくれる美佐に礼を言った。だが、その気持ちを確かめるために明日のデートに臨む由衣は、自分の本当の気持ちを知るための決心を心の中で美佐に誓うのだった。


翌日の日曜日、約束の10時きっかりに周人は由衣の家の前に車を止めた。すでに玄関先に出ていた由衣は車に目を留めると嬉しそうに笑顔で駆け寄ってきた。今日は夏日が復活ということで、すでにかなり暑くなってきている。そのせいか、今日の由衣は水色のノースリーブに膝上ぐらいの白いミニスカートにサンダルといったラフなスタイルであった。周人は半袖の紺色ポロシャツに黒っぽいジーンズといった普段と変わらぬスタイルである。嬉々として助手席に乗り込んだ由衣はお気に入りの白いポーチを膝の上に置き、運転席に座る周人を見やった。いつもとは違う感じの髪型のせいか普段よりもグッと大人びて見える。対する由衣も髪にボリュームを持たせ、薄い化粧にピンクのリップを塗っているため、とても15歳には見えない状態になっていた。


「じゃぁ行こうぜ、周人!」

「お前なぁ・・・」


いきなり名前を呼び捨てにされてがっくり来た周人は顔をハンドルに突っ伏してしまった。ウェーブがかった髪が垂れるのが新鮮に見えてしまう。あっけらかんとしたままの由衣はそんな周人を見て笑っていた。


「今日は、私は先生の彼女、先生は私の彼氏、そういう設定なの!だから私は周人って呼ぶし、先生は私を由衣って呼ぶの、いい?」


勝手な設定を組まれてさらに疲れた表情を浮かべた周人はもううなずくしかなかった。


「・・・わぁったよ。ただし、今日だけだからな!塾でそう呼んだら承知しないから」


強めにそう念を押したが、由衣は笑顔でうなずくのみですぐ前を向いた。もはやすでにペースを握られている由衣を見て大きなため息をついた周人は気を取り直してギアを入れるとサイドブレーキを引いて車を走らせた。目的地は桜町一の繁華街である桜ノ宮。この繁華街で遊ぶことを決めた周人はまず地下にある市営の駐車場を目指す事となった。幹線道路をひた走り、さらに大きな国道を走って40分程の場所にある桜ノ宮ぐらいしか近場の繁華街はないのだった。大きなデパートもひしめくそこでなら1日ぐらいはゆうに遊べるだろう。現に先日の恵とのデートでは十分すぎるほど遊べたのだ。由衣を横に乗せて軽快に飛ばす周人は、目の前に所狭しと居並ぶ機器類をまじまじ見つめる由衣に苦笑を漏らした。


「この車ってさ、もしかして世界に1台、とか?」


機器を触ることなく眺めているだけの由衣は信号待ちをしたのを確認してからそう問いかけた。


「あぁ、そうなるな。もっともこれは試作マシンだからなぁ、1年か2年後には一般仕様として発売されるんだろうけど」

「その時は、こんなにごちゃごちゃしたのは付かないの?」

「そりゃそうだ。でもこの車で試用している音声認識システムや、サテライトシステムによる渋滞調査ナビってのは残るだろうかもしれないけどね」


最後に関しては少し難しかったかなとは思いながらもそう説明し、青信号で車を走らせる。ふぅんという表情の由衣はシートに深く座り直すと運転している周人の顔を何度もチラチラ見やった。それに気付きながらもあえて無視していた周人だが、こう頻繁に視線を浴びせられてはさすがに限界にきたのか怪訝な顔をして見せた。


「なんだよ?」


由衣に怪訝な目を向けた周人はそう問いかけた。そんな視線を受けながらも由衣は笑顔を向け、それに答える。


「なぁんか、見たかっただけぇ」

「何だよそりゃぁ」


その答えにさすがに笑うしかない周人につられてクスクスと由衣も笑った。その可愛らしい笑い声を聞く周人は正直ちょっと心配していた自分にホッと胸を撫で下ろした。デートと言われたが、何を思ってそう誘ってきたかはわからない上にどういう態度でやってくるかが心配だったのだ。いつもと変わらぬ由衣が何を考えているかはまだわからないが、雰囲気は悪くはなかった。その後もこの雰囲気を壊すことなく会話を弾ませながら目的地に着いた周人たちはまずゲームセンターに行くことにした。恵と行ったレストランがあるビルの中に存在している場所には行かずに、アーケードで覆われたセンター街にあるひときわ大きなゲームセンターに入った2人はまず体感ゲームで対決することになった。このゲームセンターは元は大手の本屋が店舗を出していたのだが、赤字続きで倒産した後、ゲームセンターに改修されたのだ。かなりの広さで2階もあるここは入荷する台数も半端ではなく、かなりの人気を博しているのだ。1階にはレースゲームにダンスゲーム、果ては太鼓のゲーム等音ゲームに、プリクラまであり、2階にはビデオゲームとメダルゲームが置かれていた。とりあえず体感ゲームから音ゲームまでひとしきり遊び、勝負の結果は五分五分であった。意外にかなりの音感がある由衣は音のゲーム関係にはめっぽう強く、レースゲームとかではかなりの成績をあげた周人もたじたじになるほどであった。そうこうしているうちに昼前になり、昼食を取るべくゲームセンターを出ようとした周人の腕を強引に引いて由衣がそれを制した。


「ねぇねぇ!プリクラ撮りた~い!」


可愛いくおねだりするように上目遣い気味になりながらそう懇願する由衣に負け、困り顔をした周人はプリクラのコーナーに目をやった。そこは周人の予想に反して比較的空いており、どれもすぐに撮れそうなほどであった。おかげで混んでいるからまた今度と言って逃げようとした周人の計画はもろくも崩れ去ったのだ。とりあえず由衣にどのマシンがいいかを選ばせた後そこへ向かい、カーテンを閉めて中へと入った。


「2回撮るよ!全身のと、あと、顔だけのヤツ!」

「はいよ」


そう疲れたように言うと小銭を入れた周人はまず全身を撮れるよう設定する由衣の手さばきに感心した。前回恵と撮った時は2人共慣れていなかったせいか少々手こずったが、今回はすぐに撮影に入れそうだった。


「ポーズはぁ・・・う~ん・・・そうだなぁ・・・抱っこして!」

「はい?」


そう言うと首に手を回す格好を取る由衣は笑顔で周人を見上げている。腰をクネクネ動かして催促する由衣に、もはや呆気に取られ、ペースを握られてばかりの周人はどうしたものかと困った顔をするしかない。


「もぉ、周人ぉ、早くぅ!」

「ったく、お前は・・・年はいくつだよ・・・・」


出した手を引っ込めることをせずそうせかされて渋々お姫様抱っこをした周人に対し、本当に嬉しそうにしながら首に手を回す由衣。やはり鍛えてあるせいか、自分を軽々抱き上げる周人に感心してしまった。3方向あるカメラの内、結局あれこれポーズを取らされたあげくに正面やや斜め上からのカメラにそのままの姿勢で2度シャッターを切るはめになった。笑顔を強要された周人はこのプリクラは絶対封印だと思いながらも顔には出さずに由衣に従う。だが納得がいかなかったのか2回ともキャンセルした由衣は、最後の1回だと告げる機械にわかってると答え、周人の首に回す手に力を入れた。そしてカウントダウンが始まり、まさにシャッターが切られるその瞬間、なんと由衣はグッと周人の顔を引き寄せるかのように腕に力を入れてその頬にキスをしたのだ。表情もウインクし、かなり嬉しそうである状態でシャッターは切られてしまった。突然の事に周人は面食らったが、機械の画面が映し出すその顔はやや笑みを浮かべており、驚く寸前の顔には思えなかった。放り出すように由衣を下ろした周人は壁に手を付いてがっくりとうなだれた。おそらく、最初からこれが狙いのお姫様抱っこだと悟った周人を後目に、由衣は次々と落書きやらスタンプやらを施していく。その恐るべき内容を見てさらに膝から崩れ落ちる周人はこのプリクラは何があろうと永久に封印しかないと心に誓った。なぜなら、下の方には『らぶらぶだよ!ゆい&しゅうと』と書かれ、さらには色とりどりのハートのスタンプが2人の周りを飛び交っている。このプリクラを康男や新城が見ればどういった反応を見せるかが手に取るようにわかるだけに周人は心が重くなるような感じを受けた。。対照的に、出てきたシールをハサミで2分割している由衣はかなりご機嫌な様子だ。


「頼むからこれは誰にも見せないでくれ・・・・」


もはや頼むしかない周人は弱々しく両手を合わせてそう言った。由衣はシールを差し出しながら意味ありげな笑みを浮かべている。その笑顔に背中が冷たくなるのは気のせいではないらしい。


「そうねぇ~、周人の今日1日の態度で決めよっかなぁ~」

「・・・態度って?」

「私を彼女だと思うって事よ!」


大事そうにシールをしまいながらそう言う由衣はポーチから周人に目を移し、にんまりと笑った。


「・・・小悪魔」


うなだれながらもそれを了承した周人の受難はまだまだ始まったばかりである。


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