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49番目の後継者  作者: ペンギンMAX
第一章 呼び出された魂と黒竜の願い
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第七話 ルビニアの想い

おばあちゃんの思考は文章表現できなかった・・・

自分の不甲斐なさが染み出てる文章ですが、ご容赦下さい


10/7 再更新

 天界で反乱が起こったのはいつの事だったかいの・・・


 何度も思い返しては、自分の身に降り掛かった呪いを恨めしく思い、でも、これで良かったとも納得する。

 いつも変わらず繰り返される思考のループ。


 何百年経っても、この思考のループから抜け出せないのか・・・あたしは、いつも一人で苦笑をもらす。



「それにして、久方ぶりに思い出したものじゃ。」


「あの小僧、魅惑の魔眼なんぞ使いおって、あたしを一時でも楽しませてくれおるわい。」



 ルビニアはそう独り言を呟き、今度は微笑をもらし、あの小僧、トシ坊との経緯を思い返すのである。


 突然目の前に沸いたトシ坊は、ひどく弱々しい人族に見えた。

 人族の美醜は、竜のルビニアには解らない。

 でもトシ坊の特徴は大いに興味を惹いた。

 黒髪に黒目、この世界には存在しない、いや存在していたが今は居ない種類の人族・・・


 人族は、黒色を身に宿していても、ただ珍しいと思われる程度であるが、竜にとっては違う。

 黒色は、まさに忌むべき嫌色、禁忌を犯し、邪竜として迫害される色なのである。


 邪竜とは、元々邪竜として生まれたものと、竜族の掟を破って呪い落ちした2種類からなる。


 肌と鱗は黒色に近い色をしているが、どちらかと言えば茶色を基本色とし、獰猛さや悪辣さが強いほど、こげ茶色から更に黒いこげ茶色へと自身の色を濃くしていく。


 漆黒のルビニアは、この世界では異常であるが故に、邪竜以上の嫌悪や憎悪を廻りに感じさせるのである

 だからこそ、黒髪黒目のトシ坊に興味を持ってしまった。


 そんな不思議な人族に興味がわいたルビニアの目の前で、トシ坊はガクガク震えさせ、恐怖に健気に耐えてルビニアを見ていた。


 変わり者だけど、今まで来たヤツらと大して変わらないね~

 それが、最初のトシ坊の印象・・・


 観察してみても、興味を惹いたその分、落胆も大きくなる。

 何時もの事じゃの・・・失望とも取れる拒絶のブレスを放つと、トシ坊は直ぐに消滅した。

 何人来ても一緒、どんな者がきても変わらない。

 何時ものようにただ独り、この空間で蹲るだけなのだ。


 それからも、トシ坊は頻繁に現れるようになる。

 その度に、ブレスで一蹴して終わりという日々が過ぎてゆく。


 ここまでは、今まで来たヤツらと変わらない、だがこれ以上踏み込んできた験しも無い。

 今までに何人来たかは数えてないが、数多の挑戦者のように、トシ坊も埋もれると思っていた。


 そういえば、ここに閉じ篭るようになってから、最初に現れたのはどんな種族だったか?

 もう覚えていないが、こんな風に直ぐブレスで攻撃するような事は無かった事を思い出す。


 最初は何故来たのか、如何したいのかをちゃんと聞いていた。

 閉じ篭って数百年経っていた為、どんな種族といえども話しをする事が、物凄く嬉しかった。

 寂しいと感じていたのだろう、誰かに側に居て欲しいと思ったのだろう、深く考えずに相手を迎え入れてしまっていた。


 違和感はあった、認めたくなくって随分相手の要求に応えていたと思う。

 しかし、自分の願いを叶えて貰うには、どうしても避けて通れない問題があり、その事を相手に求めていくと、全員態度が豹変した。


 ある者は有無を言わさず攻撃してきた。

 ある者は無理やりに願いを叶えさそうと迫ってきた。

 ある者は呆れて来なくなった・・・ある者は・・・・


 全ての者達は、ヤツら自身の欲望を最優先に、あたしを利用する事だけを目的として、近づいてきただけだと悟ってしまった。


 それからは、気に入らなくなったら攻撃するようになった。

 最後は・・・最初からヤツラを拒絶するようになった。


 だから、トシ坊にも最初から攻撃したし、何度来ようとも追い返す事にしている。

 もう希望は持てない、持った後の絶望が耐えられそうに無いからだ。


 相変わらず、何度追い返しても、トシ坊はめげずにやってくる。

 少しずつ、来る度に強くなって来るが、あたしの敵じゃない。

 今までのヤツもそうだった様に、強くなってきても所詮は竜族には叶わない。


 だが、今までのヤツらとの違いが、少しずつ感じられてきた。


 相変わらずトシ坊は弱い。

 もしかしたら今までで最弱かもしれない。

 随分経って、やっとあたしの攻撃を凌ぐ様になったが、それでも負ける気はしない。

 ただ、今までと明らかに違う点に気づいた。


 トシ坊はどんなに優勢になっても、あたしを傷付ける攻撃を一切しないのだ。

 しかも戦っているのに嫌悪感を感じない、寧ろ戦う喜びが沸いてくるようになった。


 トシ坊が強くなる度に、あたしの攻撃も強くする。

 徐々に攻撃の強さ、巧妙さを増していく。

 増した分、トシ坊は応えて来る。

 あたしは弟子でも取ったような奇妙な感覚を覚え、そして何時しかトシ坊の成長が楽しみになっていた矢先、あたしに魅惑の魔眼が襲い掛かった。


 心の中で落胆の悲鳴をあげた。

 魅惑であたしを利用しようとするなんて!

 トシ坊も今までのヤツらと変わらなかった!と思ったのだ。


 裏切られた感情を怒り変え、殺してやろうと思いトシ坊を睨みつけた。

 でも・・・その先には、不思議な踊りを踊っているトシ坊の姿があった。


 あたしは碇を忘れ、呆然とただトシ坊を見ていたと思う。

 トシ坊はあたしが見ているのにも気が付かずに、転んだり起きたり、ウロウロしたりと世話しなく動く。


 動く度に、表情はコロコロ変わっていく。

 あたしはトシ坊の姿に、次第に笑いがこみ上げてきた。


 こんな笑いは数百年ぶりだ、正直噴出しそうだったが、あたしの心はまだ猜疑心を捨て切れていない。

 精々、強気で話しかける事しか出来なかった。



「まったく、世話しない人間よのー。」



 トシ坊への第一声は、今思うとぶっきら棒な言葉だった。

 あの時は、それが精一杯だったんだからしょうがない。


 それから言葉を交わし、トシ坊の真意を測ったが、今までのヤツらとあまり変わらなかった。

 変わらないが、変わっている。

 矛盾した思考のまま会話を重ねてみた。信じたかったのかもしれない、今度こそはと・・・・


 それは、余りにも唐突だった。

 会話の流れでは自然だったが、普通初対面でする会話では到底なかったと思う。

 たとえあたしが促したという事もあっても。

 トシ坊は突然、自身の悩みを打ち明けだし、あたしの助言を欲した。


 魔眼の説明は十分に出来たと思う、でもイシュタルの件に関しては、余り的を得ていない解答だったようにおもう。

 それでもトシ坊は喜んで帰っていった。


 それからというもの、来る度に相談され、いつしか相談だけでは無く、あたしの事やトシ坊の事を少しずつ交えた雑談が主流になってきた。



「助けて、ルビえも~~ん。」



 何か相談したいときの合言葉になっていたこのセリフ。

 意味は解らないが、この台詞を聞くとトシ坊に頼られていると思え、どうしようもなく愛しくなる。


 いつしかトシ坊が訊ねて来るのが待ち遠しくなっている。

 最近では帰るのが億劫なのか、会話以外にも魔法の修行も面倒見るようになって来た。


 古代魔法も一通り教えている。トシ坊のスキルのせいか、呑み込みは非常に早い。

 しかし早いだけで魔法戦闘のセンスはまだまだだ。

 一通り修行すると帰っていくトシ坊。


 トシ坊と過ごす時間は、あたしの至福の時間。

 あと少し、あと少しだけトシ坊と過ごす時間を楽しみたい・・・

 でも・・・それは叶わぬ願い、叶えてはいけない願い。

 あたしの本当の願いを叶える為に。


 後数日で終わってしまう幸せな時間。

 願いが叶う喜び以上に、有意義で幸福に満ちた思いがあたしの心で膨らんでいく。


 この気持ちがこそが、願いを叶える為に必要なのだと、叶える為に行動するだけでは知る事が出来なかった想い。


 そう、想い・・


 あたしの心は決まっている、後はトシ坊が受け入れてくれれば終わる。


 寂しいくないと言えば嘘になる。でもそれ以上に幸せだと確信するから願いを叶えて貰う。


 もう少しで終わる・・・


 そう胸の中で呟きながら、トシ坊の来訪を待っている。

いつか、ルビニアの思考どおりに表現したら直そうかと

今は書きたい事が伝わればありがたいです

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