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照り焼きは最強でした


献立は安かったオル鳥のお肉を沢山買ってあったので、ソテーしてなんちゃって照り焼きチキンにしよう。

オル鳥は前世の鶏に似た鳥だ。味もほぼ一緒なので照り焼きソースが最高の組み合わせだ。ちなみに照り焼きソースは前世の記憶を元に私がアレンジして作った自信作だ。我ながら完成度は高いと思う。


オル鳥をメインに野菜スープ、買ってあったパンを付けたら即席でも十分だろう。


手を洗ってから使う食材を保冷箱から取り出す。

手早く野菜を洗ってスープに使うものは粗めに切っていく。

そういえば前に買っておいたソーセージが保冷箱に入っていたな…狼だし肉多めの方がいいかと取り出して大きめに切って追加しておく。

水を張った鍋に全部入れて、スパイスと一緒に煮込む。煮えてから塩と胡椒で味を整えたらピリ辛野菜スープの完成だ。


とりあえず野菜を煮ている間にお肉の下処理をして焼き始める。

皮を強めの火で焼いてパリッとさせて裏面も焼く。

スープの野菜も煮えたので塩と胡椒で味を整えて完成させ、お肉に照り焼きソースを回しかけるといい匂いが立ち込めた。

お肉は買ったものを全て焼いたので大きなステーキサイズ6枚はある。これだけあればジンも満足するだろう。

私のお皿には1枚で充分なのでお皿にのせる、ジンはとりあえず2枚のせておこう。


スープも注いでパンも籠に山盛りのせた。


(よしっ!後は運ぶだけね!)


まずはメインから運んでしまおうとお皿を持ち運ぼうとすると、すぐそばにジンがいた。


「っ!!………びっくりした!!」


「…俺が運ぼう」


と言うと、ジンは私が持っていたなんちゃって照り焼きチキンのお皿を持ってダイニングの方へ行ってしまった。

慌ててスープを持って追っていく。

ジンと2人でカトラリーや飲み物を準備して着席した。


「お待たせ!食べましょうか!」


私が言い終わるかどうかのタイミングでジンが勢い良く食べ始めた。よっぽどお腹が空いていたのか…待たせて悪かったなと思いながら、ジンよりも遅れてオル鳥をひと口食べる。


(うんっ!いい出来だわっ!)


ジンは気に入ってくれたのか見てみると、なんちゃって照り焼きチキンをとても気に入ってくれていたようだ。

大きめのオル鳥を2枚お皿に乗せていたのに綺麗に無くなっていたのだ。


ジンはスープを飲み干し、パンを食べようと手を伸ばす。


(……食べるのが早すぎる…照り焼きチキン気に入ってくれたのかな…?)


「オル鳥とスープはおかわりあるから欲しかったら言って「いる!!!」


すごい食い気味だ。


「そんなにお腹が空いてたのね…お肉あと何枚くらい食べられる?」


「あるだけくれ」


「えっ?あと4枚あるんだけど大丈夫?」


「余裕だ。その倍の枚数でも食べられる」


「ふふっ…すごい食欲ね!私の予想を遥かに超えてた」


ジンのお皿にオル鳥を4枚とスープを鍋の残り全部注いで持っていく。

机に置くとジンは「ありがとう」と言って、またガツガツと食べ始めた。

ちなみに尻尾はこれ以上ないくらい左右に振られている。


料理を気に入って貰えて安心と同時にお腹が空いてきた。

私も椅子に座って食べ始めた。


私が食べ終わったのはジンが食べ終わった10分も後だった。ジンは10分の間満足そうに口の周りについたソースを舐めていた。


予想以上に満足して貰えたようだ。やっぱりわんこのようで見ていて癒される。


「全部食べちゃうとは思わなかった。それくらい美味しかった?」


「美味かった…また食べたいと思うくらいに」


「そっか!気に入ってくれて良かった。また良かったら食べに来てね」


(時短料理だったけど気に入ってくれたみたいで良かった!次はちゃんと手の込んだ料理を作ろう!)


「次の迎えはいつ必要だ?」


「??…えっと明後日かな」


「ならその日に俺が肉を買っていく」


「…!?えっっっ明後日もご飯食べてくの?」


「またすぐに食べたい…駄目か?」


「いいけど…」


「なら明後日よろしく頼む。さあ、後片付けをしよう」


「…ええっ?」


ジンはそう言うとお皿を重ねてキッチンへ持っていった。

色々な驚きに少し頭がついていかなかったが、気合いでなんとか正気に戻してキッチンへ行くと、ジンがお皿を洗ってくれていた。


「えっ!ごめん!」


「何を謝ってるんだ?こっちは美味しい飯を作って貰ったんだ。これくらいやらせてくれ」


「ありなとう…」


まさかこんな厳つい顔の人がこんな気遣いしてくれるなんて、と少し感動しながらジンが洗ったお皿を拭いていく。

こんなに早く後片付けが終わりすごく嬉しくなった。


「じゃあ俺は帰る。俺が出たらすぐに鍵を閉めろ」


「うん?わかった」


ジンはしっかり私の目を見て言うと玄関へと歩き扉を開けると、また私の方を向いた。


「すぐ閉めるんだぞ」


「分かったから!」


そう聞くと少し心配そうな顔をしながら扉を閉めた。

私は言われた通りに鍵をしめ、リビングへ戻る。

明日も仕事だし早く寝るためにお風呂の準備を始める。


(…明後日のご飯のためにレシピを勉強しなきゃな)





大変遅くなりすみませんでした!

ここまで読んでくださりありがとうございます。

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