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2023/04/01

4331.


「美~~~々~~~香~~~~~~~~!!」


「何だよみずき、やかましいな。寝言は寝て言え」


「もう我慢ならないわ。今日という今日は許さない。覚悟はできてるんでしょうね!」


「だから何でそんなキレてんだよ」



4332.


「“だから”!? “だから”も“だって”もある!? あんたまた勝手に私のプリン食べたでしょ!?」


「何だよそんなことかよ」


「“そんなこと”!? “そんなこと”も“こんなこと”もある!? できたらいいなとかある!?」


「何の話だよ」



4333.


「とにかく落ち着けって。確かに私はプリンを食べた。だがあれは! 部室の冷蔵庫に入っていたもの! すなわち備品! 何の問題がある!」


「大問題よ! 部費で買った訳じゃないんだから私物よし・ぶ・つ! それを勝手にあなたが食べた! 名誉棄損の罪で訴えるわよ!」


「プリンにどんな名誉が詰まってんだよお前は」


「夢! 希望! 幻! そして甘く切ない黄色の糖分!」



4334.


「だいたいなあ、私物だってぇんなら名前ぐらい書いとけよな。共有スペースに物を置く際の基本だろ?」


「たった6人の部員でそこまでする必要があるとは思わなかったのよ! 備品か私物か確認せずに勝手に食べる人がいるなんて予想できないでしょう!?」


「この私が部員にいるのにか?」


「ぐうの音も出ない!!」



4335.


「とにかく、プリンの恨みは晴らさせてもらうわ! デュエルで勝負よ!」


「いいだろう。みずきが勝ったら弁償してやる。その代わり私が勝ったらもう1個買って来いよ?」


「何でよ!! 既にもう私のを食べたでしょ!? 美々香が勝ったらチャラになるだけ! あなたは勝負する前から戦利品を食べたのよ!」


「ふざけるな。私が勝っても何もないだと? そんな勝負を受ける必要がどこにある」



4336.


「信っじらんない・・・! 既に、私は勝っても盗まれたものが返って来るだけの勝負なのに・・・じゃあこうするわ! 美々香が勝ったらお望み通りもう1個あげる。その代わり、私が勝ったらプリン弁償に加えてお兄さんとの籍をもらうわよ!」


「いいだろう。その勝負、乗った」


「決まりね。それじゃあ、仲介人を・・・兄さん、頼めるかしら?」


「別にいいけど、涼太のヤツ何も知らされずに賭けの対象になってるぞ?」



4337.


「そんなのは後で教えればいいだろう。みずきがプリン失ってることに事後的に気付いたように」


「美々香が言わないで? でもまあ、後で教えればいいということには賛成よ」


「心配すんなよ。私が勝つから教える必要すらなくなる。せいぜいプリンを買いに行く準備でもしてるんだな」


「大した自信ね? 美々香の方こそ負けたらプリンよ? おサイフの余裕はあるのかしら?」



4338.


「心配すんなよ。そんなものは兄から借りる」


「言っておくけど入籍もよ? 義理の姉ができる心の準備もデュエル中にしておくことね」


「それこそ準備もクソもない。兄に事後連絡すればいいだけだ」


「涼太のヤツの負担ハンパないな・・・」



4339.


「その勝負、待ってください!」


「何だよ服部、邪魔すんなよ」


「プリンはともかく、満月先輩を賭けの対象にするのはデュエル憲章の第32条に違反します! 第三者を賭けの対象とする場合、本人あるいは保護者の同意が必要です!」


「何だよ、そんなことかよ。ちょっと待ってろ。 ・・・あ、もしもし? 母さん? これからみずきとデュエルすることになってぇ、もし負けたら兄のヤツみずきと結婚してもらうけどいい? ・・・あ、いい? おっけサンキュー。 あ? 負けろだ? ふざけるな私が勝つ。もし負けたらの話だ。これは違憲にならないよう保護者に確認してるだけだ。やんないとデュエルできないからな。んじゃ。 ・・・よし、保護者の同意が得られたぞ。デュエル成立だな」



4340.


「・・・どうやら僕はこのデュエルを見守るしかないようですね。明星先輩、重責ですがよろしくお願いします」


「ああ。 ・・・まずみずき、禁止カード、“先攻が必ず負ける”は入れてないな?」


「当然よ。自分が先行になる可能性だってあるんだから。一瞬の不運でお兄さんとゴールインのチャンスを潰すなんてもったいないわ」


「満月先輩は不運どころじゃない巻き込まれ方ですけどね・・・」



4341.


「そんじゃあまずコイントスだ! そらっ!」


「表! 表が出たら私が先行!」


チャリン、チャリチャリチャリ~~ン。


「表! ゆえに美々香ちゃんが先行!」



4342.



「それではこれより、満月美々香と明星みずきのデュエルを開始する! 両者構え!」


「うし」


「やるわよ」


「・・・ファイッ!!」



4343.


「私のターン、ドロー。召喚、スノービット。更に、フィールド魔法使用、フルムーン。その効果により、ウサギ族と半獣族は攻防力が2倍になる。そして、トラップカードを2枚セット。ターンエンド!」


「初手からトラップ2枚? 相変わらず随分仕込んでるのね。行くわよ。私のターン、ドロー。召喚、ブルーフォックス。更に、魔法カード使用、皆既月食。フィールド魔法・フルムーンを破壊」


「くっ、私のフルムーンをピンポイントで狙うデッキを組みやがって」


「当然でしょう? 強力モンスターの攻防力まで2倍にされてはたまらないもの」



4344.


「まだまだ行くわよ、魔法カード、エボリューション。ブルーフォックスを進化、妖狐ナインテール! 妖狐ナインテールでスノーラビットを攻撃!」


「ぐっ、くそ・・・フルムーンの効果が切れて攻防力400のスノーラビットに1200のナインテールで攻撃を受けたから、ライフのダメージは800か。痛ぇな」


「これで終わりじゃないわよ! 召喚、はぐれ歯車。モンスターのいなくなった美々香にダイレクトアタック!」


「トラップカード発動、ハーフダメージ! ダイレクトアタックを受けた際、そのダメージを半減し相手モンスターを破壊!」



4345.


「やっぱりダイレクトアタック対策のトラップがあったわね・・・先にナインテールで攻撃しておいて良かったわ。こっちもトラップカードをセットし、ターンエンド。さあ、これでライフは4000対2950よ? 諦めて投了したら?」


「冗談だろ? デュエルはライフが1000を切ってからが本番。それまでは準備運動に過ぎないんだぜ。焦らずウォームアップしていこうや。ドロー。召喚、孤独な剣士。孤独な剣士の特殊効果発動、自陣モンスターが孤独な剣士のみの場合、攻防力300アップ」


「それだけ? 300上がってもまだまだ1000。私のナインテールには届かないわよ?」


「構わんさ。今はまだ、な。トラップカードを2枚セットし、ターンエンド」



4346.


「2ターン目で引いた3枚にもトラップカード2枚? 美々香の自由だけど、泣きを見ないといいわね。私のターン、ドロー。召喚、リトルナース。特殊効果発動、ライフ500回復、ただしライフが全快の場合、リトルナースを含む自陣の全モンスターの攻防力を500アップ」


「トラップカード発動、“コピー”! 相手が発動させた特殊効果と同じ効果を得る! 私のライフは全快ではないが実際の発動内容が対象であるため、私の孤独な剣士も攻防力500アップ!」


「させないわよ。トラップカード発動、“トラップトラップ”! 相手が発動させたトラップを無効化し墓地へ送る!」


「くっ・・・やぁるじゃないかみぃずきちゃぁ~ん」



4347.


「美々香が残してるトラップも気になるけど・・・攻撃もしないと埒が明かないわ、ナインテールで孤独な剣士を攻撃!」


「ぐほっ! しかし! トラップカード発動、たまて箱!」


「えぇっ!?」


「フッ、せっかくのナインテールちゃんもここまでだ。妖狐ナインテールは老化し、攻防力が1/10にダウン! 更に! 次の相手ターン終了時まで生き残った場合は自動的に墓地へ送られる! それまでの間、相手プレイヤーの意志による退却、すなわち安楽死はできない!」



4346.


「くっ、そんな・・・!」


「はぁっはっははっ! でも心配すんなよ。老衰で死ぬ前に私のターンで楽にしてやるからさ! 攻防力170になったナインテールちゃん♪」


「魔女め・・・」


「妖狐なんて出しといてよく言うぜ」



4347.


「っ・・・リトルナースで美々香にダイレクトアタック。ターンエンド」


「攻防力が700に上がったリトルナースも地味に痛ぇな。ライフが1550になっちまったじゃねぇか。だがまだまだ準備運動だ、行くぞ! ドロー! 召喚、お茶摘みのカカシ! フィールド魔法使用、田園! 地属性モンスターの攻防力300アップ! 更に魔法カード使用! 1本足の意地! 1本足カテゴリのモンスターの攻防力500アップ! 更に更に! 魔法カード使用、エボリューション! お茶摘みのカカシは虹色のカカシに進化! 虹色のカカシの特殊効果発動、“大豊作”! 魔法カードによる効果が2倍、すなわち、虹色のカカシの攻防力は基本ステータスから1600アップして2700!!」


「嘘でしょ!? ちょっ、待っ・・・!」


「待つワケねぇだろ! 虹色のカカシで妖狐ナインテールを攻撃!!」



4348.


「きゃああ゛あ゛あ゛あ゛っ!! う゛、ぐぅ゛・・・っ! 一気に2500オーバーのダメージは体にもこたえるわね・・・!」


「イイ顔だぜぇ? みずきぃ。ジャブばかりじゃ味わえないロマンがここにあるのさ!」


「相変わらず、悪趣味ね・・・ぐ・・・」


「ンなもんデュエリストやってる時点でテメェも一緒さ!」



4349.


「トラップカード発動ナシってことはダイレクトアタックが条件だったか? まあ、後で警戒するとしよう。ターンエンド。これでライフは1550対1470、逆転だ!」


「まだまだ、これからよ・・・自分で言ったでしょう? デュエルはライフが1000を切ってからが本番だって・・・お望み通り切らせてあげるわよ。私のターン、ドロー。召喚、炎の占い巫女。特殊効果により、草木カテゴリのフィールド魔法を破壊」


「くっそが・・・! これだからデッキを知られてる相手との戦いは嫌なんだ・・・!」


「トップデュエリストは得てして、同じ相手と何度も戦うものよ。二流の美々香には分からないでしょうけど」



4350.


「私が二流? はっはっは! みずきはジョークが三流のようだな? イチから学び直して来いやボケがぁ!!」


「この程度の挑発に反応するから二流なのよ。召喚、生きてるナイフ。更に、魔法カード使用、フュージョン!」


「なにっ!?」


「リトルナースと生きてるナイフを融合! 誕生、ドクター治癒姫。特殊効果発動、アンチドーピング。相手モンスターの特殊効果を無効化する。

現在、魔法カード・1本足の意地の攻防力アップ500が虹色のカカシの特殊効果により倍増しているため、その倍増効果が無効化され、虹色のカカシの攻防力は1600になる」



4351.


「おのれ・・・ステータス下げといて何が治癒姫だ」


「治癒姫の本領はここからよ。フィールド魔法使用、癒しの泉。水属性モンスターの攻防力を300アップ。更に、癒しカテゴリのモンスターがいる場合ライフを300回復し、このターンに限り、自陣モンスターは相手のトラップカードに破壊されない」


「なん、だと・・・!」


「ふふふ。どうせモンスター破壊系のトラップなんでしょう? 融合モンスターをすぐに潰されたくはないもの」



4352.


「とにかく、まずは厄介なカカシを倒すわ。ドクター治癒姫で虹色のカカシを攻撃」


「くそっ。ライフのダメージは100だがカカシを失うのは痛ぇ」


「ドクター治癒姫で相手ライフにダメージを与えた場合、与えたダメージの分だけライフを回復」


「くっそっがぁ! ぜってぇ潰す。あいつ潰す!」



4353.


「炎の占い巫女で美々香にダイレクトアタック。ターンエンド」


「ぐほっ・・・なるほど、宣言通り私のライフを950まで減らした訳だ。そんじゃ、準備運動は終わりってことで、ドロー! 召喚、ケンタウロス! ケンタウロスは相手モンスターが場にいる場合でもライフに直接攻撃することができる! みずきにダイレクトアタック!」


「ぐっ! くぅ・・・」


「ライフは残り1170か。ここいらでカタを着けようぜ! 魔法カード発動、マジカルバーサーーーーク!」



4354.


「え・・・!?」


「トラップカードばかりを使うのが私じゃないぜ! 行くぞ! 山札から、魔法カード以外が出るまでドローし、魔法カード1枚につき300、相手のライフにダメージ! ドロー! 魔法カード!」


「ぐっ・・・!」


「一撃で済むと思うなよ? バーサークな時間はこれからだ!」



4355.


「ドロー! 魔法カード!」


「きゃ・・・っ!」


「ドロー! 魔法カード!!」


「あぁ゛・・・っ!!」



4356.


「おやおや次も魔法カードが出たら終わりでちゅねみずきちゃぁ~~ん。そんじゃ、これで死んでもらいましょうかね」


「く・・・っ」


「覚悟はできたか? 行くぜ、ドロー! 魔法カーーード!!」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」



4357.


「明星さーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」


ドサリ。


「勝負あった、か・・・」


「フッ。最後はあっけなかったが、まあまあ手こずったぜ。さすがは私の親友」



4358.


「なあ~んちゃって」


「な、に・・・っ!?」


「バカな! 明星さんのライフはゼロを切ったはず!」


「そうよ。ゼロを切ったの。だからこそ、発動、トラップカード。オーバーキルリバイヴ! ライフが計算上マイナスになるダメージを受けた場合、オーバーキルされた分だけライフを回復する!」



4359.


「なん、だと・・・! だが! オーバーキル分は30! それだけが残って何になる!」


「美々香はバカなの? まだマジカルバーサークの効果中でしょう? マジカルバーサークは厳密には、魔法カード以外が出てからまとめて相手ライフにダメージのはずよ」


「そん、な・・・っ!」


「さあ、続きをどうぞ? どうせマジカルバーサークの後ろに魔法カードをたくさん仕込んでたんでしょう?」



4360.


「くっっっっそがぁぁぁぁぁっ!!」


「美々香ちゃん、さっさと引くんだ。それ以上は遅延行為とみなすぞ」


「くっ、そぉぉ・・・っ。ドロー、魔法カード。ドロー、魔法カード。ドロー、魔法カード・・・!」


「あぁーーっはっはっはっは! 滑稽ね? 美々香。どう? 自分の作戦で相手が回復していくサマは」



4361.


「ドロー、モンスターカード・・・」



「ようやく止まりましたね。しかし累計10枚。オーバーキル分の1830が明星さんの残りライフです」


「ありがとうね、癒しの治癒姫さん♪」


「お、のれ・・・トラップをセットし、ターンエンド」



4362.


「自業自得とは言え相当不利になりましたね・・・ドクター治癒姫の現在の攻防力1700に対し、ケンタウロスは700。満月さんの残りライフは950ですから一撃死です。伏せてある2枚のトラップカードで防げないと負けですよ」


「美々香ちゃんのことだ。厄介なトラップが伏せてあるだろう。だがみずきも、治癒姫がやられても占い巫女が残ってるし、このターンのドローもある。さて、どう出るか」


「私のターン。ドロー。・・・攻防力700のケンタウロスを倒すにはこれしかないわね。ドクター治癒姫でケンタウロスを攻撃」


「トラップカード発動。自陣モンスターが倒された時、自分はライフにダメージを受けず、攻撃してきたモンスターを破壊」



4363.


「くっ・・・しょうがないわね。残り1枚のトラップは何かしら? どうせトドメまで使わないでしょうから、お望み通り掛かってあげるわその罠に。魔法カード使用、デスティニードロー!」


「デスティニードロー! 明星さん、本気で満月さんを倒しにいくつもりだ・・・最後のトラップを使わせるために!」


「山札の上から5枚を捨て、残りの山札から1枚、好きなものを選ぶ。これにするわ。エボリューション。炎の占い巫女を進化! 大火の神官・ヴァーミリオンブルーム!」


「凄い・・・! ドクター治癒姫がやられても即座に攻防力1000超えのモンスターを召喚! これが、これが真のデュエル・・・!」



4364.


「デスティニードローの効果後、山札は審判によりシャッフル。それじゃあ、行くわよ美々香? ヴァーミリオンブルームでダイレクトアタック!」


「トラップカード発動、“勝利の予感”。致命傷のダメージを受けた場合に、ライフを1残して耐える・・・!」


「なるほど。美々香らしい最後のあがきね。トラップカードをセットし、ターンエンド」


「耐え、ましたね・・・攻防力1000超えの2連撃を、残されたトラップカード2枚で・・・ですが、満月さんはもう手札もトラップもゼロ。この状況で、ヴァーミリオンブルームを倒した上で明星さんのライフ1830を削れるんでしょうか・・・?」



4367.


「私は諦めないさ、何度でもな。ドロー。召喚、踊りクラゲ」


「トラップカード発動。相手がモンスターを召喚した場合、ライフに100のダメージ」


「え・・・」


「甘いわね。ライフをギリギリで耐えてそこから大逆転なんて、そんなことが簡単にできると思ったの?」



4368.


「そ、んな・・・うぅぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「満月さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」


「そこまで!! 勝者、明星みずき!!」


「ふう。これで、プリンもお兄さんも私のもの・・・♪」



4369.


「う・・・がはぁ・・・っ!」


「満月さん、しっかりしてください!」


「無駄だろう。デュエルで負けたら3時間はまともに動けない。それこそ、涼太のヤツに迎えに来てもらうしかないな」


「そして、私の嫁のお迎えにも来てもらえるのね・・・♪」



4370.


「そうでもありませんわよ」


「お嬢様・・・!」


「いたのか、部長」


「今来たところですわ。まったく、また部室でデュエルですか。動けなくなる人が出るからやめてくださいと言っているでしょう」



4371.


「そんなことよりサバ令嬢さん、“そうでもない”とはどういう・・・?」


「本日デュエル憲章が改正されたのをご存知でなくて? 本人と、未成年の場合は保護者の両方の同意が必要になったのですわよ。保護者が人身取引に加担する事案が横行しておりましたからね。

憲章の改正が午前9時でしたから、それ以降に行われたデュエルは改正後の憲章を遵守していなければ無効となりますわ」


「そんな・・・! それじゃあ私は、美々香に血反吐を吐かせるためにデュエルをしてたって言うの!?」



4372.


「別によいではありませんかそれだけでも。実に愉快ですわよ」


「だって、お兄さんはもうしょうがないにしても、私のプリンは・・・!」


「そんなもの、美々香さんが悶えている間にお財布から抜き取ればいいでしょう。100円ぐらいは入っているのではなくて?」


「それもそうね」

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