2022/11/20
4167.
「有働、聞いてくれ」
「え、何? 別にいいけど」
「なぜ、校長先生との禁断の愛は存在しないのか?」
「は・・・?」
4168.
「いやごめん意味わかんないんだけど」
「あるだろう! 生徒と教師でのイケナイ関係なら! それがなぜ、校長相手では実現しないのか!」
「実在しちゃいけないでしょそんなの。てか普通の教師でもアウトだからね?」
「教師など不要。いま重要なのは校長ただ1人!」
4169.
「そうだろ有働? 校長さえいれば他の教師なんてオマケみたいなもんだろう?」
「それ校長先生の負担ハンパないでしょ・・・というか満月君、年上好きだとは言ってたけどそこまでなの?」
「何を言ってるんだ。これを見ろ。十分に恋愛対象として成り立つだろう?」
「ゲームのキャラクターかよ!!」
4170.
「は? じゃあお前は何について話していたんだ」
「それ私が聞きたかったわよ・・・」
「普通に考えてこんな麗しいお姉さまの校長が現実にいるはずがないだろう?」
「こっちもその前提でいたからね? だから校長先生との禁断の愛とか言われて“何言ってんだ”って思ったからね?」
4171.
「確かに校長先生にしては若くて、美人で凛々しくて格好いいけど、どんなに若く見積もっても25歳ぐらいじゃない?」
「当たり前だろう。校長なんだぞ? 17歳そこらの小娘に務まるかよ」
「これでも十分若いでしょ・・・」
「ゲームの可能性は無限大だ。だからこそ、なぜこの校長との禁断の愛がないのかと問いたい」
4172.
「でも需要少ないんじゃないの? 他にこんな美少女いるんだから。ほら、こっちのお姫さまなんて可愛いじゃん」
「バカやめろ! 古傷が疼く・・・!」
「どんな古傷があるのよ・・・」
「女には、わからないさ」
4173.
「で、満月君がこの先生が好きなのは良いとして、」
「校長先生だ」
「初めてよ、こんなにも人をぶん殴りたい衝動に駆られたのは」
「いいから続けろ」
4174.
「で、満月君がこの校長先生が好きなのは良いとして、何で剣なんか持ってるの?」
「軍事学校だからだ。そしてこのお姉さまは強い。最強の女剣士は、全男子高校生の憧れだ」
「いや主観強すぎでしょ・・・この美少女ラインナップを前にこっちに行っちゃう人そうそういないでしょ」
「なぜ、なぜ校長先生を攻略することができないんだぁぁぁぁぁぁ!!」
4175.
「いきなり叫ばないでよ鬱陶しい」
「これはバグだ! 圧倒的なバグだ! 何かのバグで、この校長先生を攻略するルートが消えてしまったんだぁぁぁぁ!!」
「バグってるのは満月君の方でしょ・・・」
「くっそぉ・・・くそぉぉ・・・!」
4176.
「なぜだ・・・なぜなんだ・・・!」
「落ち込んでるとこ悪いけど、この“格好いい”の方が似合うお姉さんとどういう恋愛がしたいワケ? あ、もしかしてあれ? この凛々しいお姉さんを恥ずかしい目に遭わせて“くっ殺せ”とか言わせるやつ?」
「それは素人の考え方だ。せっかくの凛々しい女剣士を赤面させるなど愚の骨頂。俺はこの校長先生に愛され、守られ、“緊張してるのか? かわいいな。優しくするから安心していいぞ”と言われながら犯されたいんだ」
「今わたし世界一どうでもいいオブザイヤーな情報を聞いたんだけど」
4177.
「世界一だと? せめて2番目にしてくれないか?」
「じゃあ今のを1番にしてさっきのは2番にするね。なんというか・・・男子の好みのシチュを聞くとこんな気分になるんだって感じ」
「じゃあ女子の好みって何だよ? どうせ壁ドンとかだろ?」
「それこそ素人の考え方よ。私は、いたいけな少年風の子に迫って“緊張してるの? かわいいわね。優しくするから安心して”って言いながら犯したいわ」