↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
278/336

2022/11/19

4154.


「よぅ委員長。元気してるか?」


「ええ、まぁね」


「ンだよ歯切れ悪いな。家の鍵をちゃんと掛けたか覚えてないのか?」


「私そんな上の空になってた?」



4155.


「ああ。上の空も上の空だったぞ。委員長とは思えないぐらいにな。お前委員長なんだからもっとシャキッとしろよ」


「委員長のハードル高くない?」


「何言ってんだよお前。天下の委員長だぞ? あの、誇り高き天下の」


「40人に1人は委員長になれるんだけど」



4156.


「委員長。お前は分かってない。40人に1人だぞ? 上位2.5パーセント! お前その、上位2.5パーセントに入るハードルがどんなに高いと思ってるんだ!」


「まぁ満月さんには無理でしょうね」


「だからさ、ほら、上の空になるのなんてやめろよ」


「2.5パーセントに入ってる人生も疲れるのよ」



4157.


「なんて貧弱な。2.5パーセントが聞いて呆れるぜ」


「あなたみたいな人がいるから疲れるのよ。というか今日なぜか私たち2人しかいないんだけど」


「当たり前だろ? みんな人狼ゲームで死んだんだから」


「え、あれ引きずってるの!?」



4158.


「いやいやいやいや、あれただのゲームでしょ!? というか終わった後みんな集まったよね!?」


「何を言ってるんだ。ゲームはゲームでも命を懸けたデスゲームだっただろ? 毎日毎日、人が死んでいった・・・もっとも、人狼だったお前がやったことだがな」


「ちょっと待ってよ! 私、人を殺しちゃったの!?」


「そうなるな。まぁ、処刑で票を投じた私も同罪かもしれないが」



4159.


「そんな・・・じゃあ、もうこの世界には私と満月さんだけ・・・?」


「そうだな。おぉっと、変な気は起こすなよ? 私は猫又だから殺せば巻き添えでお前も死ぬぞ?」


「そんなことしないわよ。あ、でも、このままじゃ世界に満月さんと2人だけ。だったらいっそのこと・・・」


「おい!! マジで何考えてやがるんだ!!」



4160.


「だって、そうでしょ? あなたと2人だけで生きていかなければならないなんて、そんな人生になんの価値があるの?」


「随分と酷い言われようだな・・・まぁ否定はしないが」


「自覚があるなら更生して?」


「それはできない。私は自分が楽しむことが全てだからな」



4161.


「2人しかいないって言うのに何を楽しむのよ。だから、ほら、もう・・・終わらせましょう?」


「怖ぇよ!! おい橋口! お前いま凄ぇ怖ぇ目ぇしてたぞ! 人を殺せるような!」


「だからそのつもりよ? だって、必要ないじゃない、こんな世界」


「待て待て待て! 2.5パーセントに入る委員長がそんなことをしては行けない!」



4162.


「2.5パーセントじゃないわ。2人しかいないのだからもう50パーセントよ。委員長としての仕事も、自負も、責任感も・・・もう、必要ないの」


「だから怖ぇよ!!」


「さぁ、満月さん、行きましょう? 新しい世界へ」


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



4163.


「あら、どうして逃げるの・・・?」


「逃げるに決まってんだろ! 言ったよな!? 私猫又だって! 私を殺せばお前も死ぬぞ!?」


「そのつもりだって言ったじゃない」


「うおうおうおうお!?  待て! 正気に戻れ委員長! お前は何かに憑り付かれているんだ!」



4164.


「そうかも知れないわね・・・あなたは満月で、私は人狼。きっと、月の光で私の中の狼が目覚めたのよ」


「いやいやいやいや! 人狼だからってそんなのねぇから! とにかく待てって! 私殺せばお前も死ぬのはマジだから!」


「もう、止められないの・・・この命を引き換えにしてでも、体が血を欲しているの」


「やめろ! やめろやめろやめろやめろ! 私の血、すっげぇマズいから! 毒入ってるから! それでお前も死ぬから!」



4165.


「毒入りの血・・・ふふふ、最期に飲むに相応しいものね。・・・さあ、終わりにしましょう。あなたと、私の死を以って」


「待て、待て待て待て待・・・!」


ガブッ。


「ぐああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



4166.


「あ゛、あ゛・・・・・・」


どさり。


「ふぅ、ふぅ・・・これが、人間の血・・・。悪く、ないわね・・・ぐふっ・・・!? う、うぅ・・・ぐ・・・これが、死の味・・・・・・。ようやく、終わる・・・みっともなく倒れるよりは、座ったまま、逝こうかしら・・・。

 よい、しょ。・・・これで、良かったのよね・・・? ふふ、夜空が綺麗だわ・・・。明けない夜はない。次はきっと、幸せな世界をお日様が照らしてくれる・・・そう信じれば、ぐっすりと眠れそうだわ・・・。さよなら、世界。そして、おやすみなさい・・・スゥ・・・・・・」


その後、彼女らの行方を知る者は、誰もいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。