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2022/09/18

3816.


ヒュオーーーーーッ。


「満月さんにお金を返してもらいに来たつもりが、予期せぬ収穫が得られたわね。これは返してもらえるはずだったお金以上の価値があるわ」


「いや俺のお金・・・」


「クレセントちゃん、来ますわよ! 準備なさい!」



3817.


「ニャフーーッ、フーーーッ」


「ふふ、さっきの技は見事だったけど、溜め時間が長いんじゃない? スピード勝負の実践には向かないわよ。いざ!」


シュッ、ドゴッ!


「ニャハッ!」



3818.


「・・・今のを防御するなんて、中々いい反応ね」


「にゃふ・・・っ」


「当然ですわよ。それにクレセントちゃんは、出の遅い技だけではありませんわ!」


「なんですって・・・?」



3819.


「どどんニャ!」


「!?」


ピュゥゥーーーン。


「・・・なるほど、あながちデタラメでもなさそうね」



3820.


「な、なんてこと・・・銃弾並みのスピードを誇るクレセントちゃんのどどんニャを、あの距離で躱すなんて・・・伊達に都大会2位ではありませんね。クレセントちゃん、畳み掛けるのですわ!」


「ニャァーーーッ!」


シュッ、ドゴッ、カッ、バシィィィン!


「くっ、やるわね・・・こっちからも行くわよ!」



3821.


バババッ、シュワッ、カッ、ドッ、ダァァァァァン!


「どどんニャ!」


シュバッ、ギュイィン、ブンッ!


「うにゃ゛・・・!?」



3822.


ドガッ!


「うにゃあああああぁぁぁっ!!」


「クレセントちゃん! そんな、先制を許すなんて・・・!」


「どうしたの。早く立って? まだ準備運動の途中なんだから」



3823.


「にゃ、にゃあ・・・っ」


「クレセントちゃん・・・直近の対戦成績は、まさかの美々香さんのお父さまに敗北。あれは相当ショックだったことでしょう・・・だからこそ、ここで都大会2位の毛利さんを倒すことには大きな意義があり、意地と執念を燃やしているはず。クレセントちゃん、ファイトですわ!」


「にゃふーーーーーっ!」


「さあ、見せてくれるのよね? その意地と執念とやらを」



3824.


「うにゃーーーーーっ!」


「はーーーーーっ!」


ドガッ、カッ、キィィィン!


「ふふふ、楽しく踊りましょうね。子猫ちゃん?」



3825.


「どどんニャ!」


「馬鹿のひとつ覚えのように・・・!」


ドゴッ。


「にゃ゛・・・!」



3826.


「その技はもう見切ってるわよ? 予備動作も、あなたが発動させたがるタイミングもね」


「うにゃあぁぁぁぁっ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃ、にゃ!」


ピュン、ピュン、ピュン、ピュン、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。


「そんな! あれほどの連続どどんニャがいとも簡単に・・・!」



3827.


「もう見切ったと言ったでしょ? 他に芸はないの?」


「うぅ゛~~~っ、きえんニャン!」


「!!」


ブイィィィィィン・・・。



3828.


「・・・驚いた。やるじゃない。頬に傷を付けられるなんて、都大会の決勝以来よ?」


「相手にとって初見の技でも躱されてしまう・・・なんて、なんて相手なんですの毛利さん・・・!」


「うにゃぁーーーーーーーっ!」


「来なさい!」



3829.


ドカ・・・ッ!


「うにゃ・・・!」


「ふふ・・・パワーはまぁまぁ・・・だけど、ビームの練習ばっかりで、こっちをおろそかにしてるんじゃないの? はぁっ!」


「にゃ゛ぁっ!」



3830.


「まだですわ! 切り返しなさい、クレセントちゃん!」


「にゃっ!」


ギュイィィン、ドッ!


「くっ・・・でも重みには欠けるわね! やっ!」



3831.


「そこです! 相手に押される力を利用してターン! 背後に回って首元に一撃!」


「にゃん!」


「くぅっ・・・!」


「速い・・・防がれてしまいますわ・・・!」



3832.


「こうなったら手数で勝負です! ビームだけの猫だと思わせたままではいけません! ゆきなさい、狼牙ニャンニャン拳!」


「うにゃーーーーーーーーーーーーーーー!」


ババババババババババババババババ!


「くっ、うぅ・・・っ。なんて速さ・・・!」



3833.


「にゃーーーーーーーーーーーー!」


「くっ・・・調子に乗るのも・・・そこまでよ!」


「にゃっ!?」


「そんな、弾かれた・・・!?」



3834.


「でりゃぁぁぁぁ!」


「クレセントちゃん、よけて!」


ドゴッ!


「うにゃ゛あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



3835.


「はぁ、はぁ、ハァ・・・これは早いとこ、終わらせた方が良さそうね」


「くぅっ・・・一定の疲労を与えられたとは言え、途中で止められてしまうなんて・・・やはり、都大会2位には勝てないと言うんですの・・・?」


「にゃ・・・にゃは・・・っ」


「ん・・・んん・・・!? ふ、ふふふっ、おぉーーっほっほっほっほ! あなたの負けですわよ、毛利さん!」



3836.


「私の負け? 一体何を根拠に・・・そういえば妙な気配が・・・。 !?」


「やりましたわねクレセントちゃん! まさか狼牙ニャンニャン拳をしながら仕込んでいたなんて! 毛利さん、いかにあなたの反射神経が凄くても、全方位からの攻撃は躱せないでしょう。 決めますわよ! 遠い惑星で緑の人から教えてもらった超奥義、ニャクー包囲弾!!」


「にゃあぁぁっ!!」


「くっ・・・」



3837.


ドドドドドドドドーーーン。


「にゃあ、はぁ・・・・・・」


「やりました。やりましたわぁぁ!! 毛利さんを、あの毛利さんを倒し・・・え・・・!?」


シュバッ。



3838.


「にゃ゛っ・・・!?」


「技に頼り過ぎなのよ、あなたは」


ドゴッ。


「にゃ゛ああああああああああああああああ!!!」



3839.


「にゃ・・・あ、あァ゛・・・・・・」


「クレセントちゃん、クレセントちゃん・・・!」


「もう、終わりね。なんとか左腕を盾にしたみたいだけど、痺れてまともに動かないでしょう。片腕を失った状態で私に勝つのは無理なことは、よくわかってるはず。大人しく、降参なさい」


「う・・・にゃぁ・・・っ!」



3840.


「そ、んな・・・やはり、勝てないというんですの・・・!?」


「にゃ、にゃぁぁぁぁああああっ・・・!」


「・・・まだ、やる気? だったら、こっちも受けるしかないんだけど」


「クレセントちゃん! もう十分ですわ! あなたはよく戦いました! それも、毛利さんという強敵相手に!」



3841.


「ご令嬢さん、口出しは無用よ。これは私と、あの子の戦いなのだから。 いいわ。まだ気が済まないというのなら、最後まで付き合ってあげる」


「くっ・・・わたくしには、見守ることしか・・・」


「にゃ・・・め・・・」


「クレセントちゃん!? いくらなんでもそれは・・・!」



3842.


「は・・・め・・・・・・」


「なるほど。その一撃に全てを込めるのね。だけど、片手で、ロクに溜め時間もない状態で、どこまでのものができるかしら?」


「クレセントちゃん・・・思いっきり、おゆきなさい!」


「にゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」



3843.


「・・・・・・」


ドッ・・・!


「っ・・・・・・」


「止め、ている・・・!? クレセントちゃんの渾身の一撃を・・・!!」



3844.


「う・・・にゃあ゛・・・っ!」


「・・・どんなものかと思って受けてみれば、警戒していたほどでは無かったわね。それとも、単にあなたが万全の状態じゃないせいかしら? だけどそれも、戦いなのよ。はっ!」


ドッ。


「うにゃ゛・・・!」



3845.


「いけない、このままでは押し返されてしまいますわ・・・!」


「にゃあ゛・・・!」


「どうしたの? そんなことでは、市民大会でベスト4止まりよ?」


「さすがは都大会2位・・・なんて余裕を見せるんですの・・・? 優勝者や全国大会はどれほどの猛者が・・・。わたくしには市民大会の決勝ですら想像できませんわ・・・!」



3846.


「にゃ、あぁ・・・」


「クレセントちゃん・・・! もう、見てられませんわ・・・」


「そろそろ、終わりね。すぐに楽にしてあげるわ」


「にゃぁ・・・・・・」



3847.


【オイオイ、諦めるなんてネェだろクレセント?】


「う、にゃ・・・!?」


「く、クレセントちゃん? どうしたというんですの・・・?」


【私だよ私。お前の元飼い主。お前、さっきはよくもやってくれたな?】



3848.


「にゃ、にゃにゃにゃ・・・!」


【ばーか、姿は見えねぇよ。心に直接語り掛けてんだ。お前、私を殺してまで戦いたがった毛利だろ? ちょっとヤバくなったからって簡単に諦めんなよ?】


「にゃ・・・にゃにゃにゃんにゃ・・・!」


【知るかよ。言い訳する暇があるぐらいなら毛利のヤローをぶっ倒せ。お前の力はそんなもんじゃないはずだ。負けたりなんかしたら承知しねぇぞ?】



3849.


「にゃ、にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃんにゃ・・・!」


「クレセントちゃん・・・? さっきから様子が・・・」


「何をニャンニャン言ってるの? 観念して念仏でも唱え始めた?」


【おらクレセント! お前の真の力を見せてやれ!】



3850.


「にゃ、にゃにゃにゃ・・・!」


【まだだ! まだだクレセント! お前は心のどこかで学校へのダメージを気にしている! そんなもんほっとけ! 今は毛利を倒すことだけを考えろ!】


「にゃあ゛っ!」


「ん・・・あまり、油断もしない方が良さそうね。一気に押し返す!」



3851.


「う・・・にゃにゃにゃ・・・!!」


「は・・・ああぁぁぁ・・・っ!!」


【そうだ! その意気だクレセント! 毛利は勝てない相手じゃない! お前が持ってるものを全て出し切れば、勝てる! 都大会2位に!】


「にゃぁぁぁぁぁああああああ・・・っ!!」



3852.


「凄い・・・凄いですわ! 盛り返しています! あとひと息、あとひと息頑張るのですクレセントちゃん!!」


「にゃあ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・!!」


【踏ん張れクレセント!!】


「く、うぅ・・・っ! あの子にまだこんな力が・・・」



3853.


「わたくしにも、何かできることは・・・・・・ん・・・? ふふ、き、気付いてしまいましたわ・・・。 毛利さん! あなた今、パンツ丸見えですわ!!」


「え?」


【今だ!!】


「にゃぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」



3854.


「うっ、しまっ、くぅぅ・・・っ!!」


ドオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォン!!!


「にゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!」


「くっ、凄い・・・これがクレセントちゃんの力・・・!!」



3855.


ヒュオォォォォォォォーーーッ。


「にゃあ、はあ、はぁ・・・っ」


「う・・・も、毛利さんは・・・?」


ォォォォォォォォォォ・・・ッ。



3856.


「・・・・・・今のは・・・かなり効いたわ・・・」


「うにゃ・・・!?」


「そ、そんな・・・まさか・・・!?」


「だけど・・・っ・・・今度こそ終わりね・・・。あなたは・・・立ち上がることさえできないはず・・・・・・」



3857.


「にゃ・・・にゃあぁぁ゛・・・っ」


「だ・・・ダメだった・・・想いの力が・・・いえ、絆の力が足りなかったのです・・・。所詮は美々香さんとの絆、毛利さんを倒すほどにはならなかったのですわ・・・!」


「大した、ものよ・・・あんな状態から私にここまでのダメージを負わせたんだもの。普通は、できないわ・・・。せめてもの敬意として、しっかりと決着を着けてあげる」


「くっ・・・くっ! 見届けなければ、なりませんのね・・・!」



3858.


トッ。 トッ。 トッ。 トッ。


「う・・・にゃにゃ゛・・・」


「ん・・・足音が、もうひとつ・・・?」


「何をやってるんですか。あなたたちは」



3859.


「え、遠藤先生! 待ってくださいまし! もうすぐ、もうすぐ終わってしまいますから・・・っ!」


「そうもいきません。いま授業中ですよ? 毛利さん、あなた、授業中に決闘をしてはいけないと何度言ったら分かるのですか」


「しかし先生、これには深いワケが・・・」


「地の底より深くてもダメです。ルールは守ってもらわないと」



3860.


「工藤君も工藤君です。満月さんへの借金だって、何も授業中に取り返すことはないでしょう。 ・・・ところで満月さんは?」


「死にました」


「あーもう。まったくあの子は、次から次へと問題ばっかり・・・。もう満月さんはいいです。あなたたちだけでも教室に戻りなさい」


「へーーい・・・」



3861.


「にゃ、にゃにゃ・・・」


「ふ・・・こんな形での幕切れは少し残念だけど、続きはまた今度にしましょう。今よりも強くなったあなたと、戦ってみたいわ」


「にゃ、にゃあ・・・」


「ほら、毛利さんも、ご令嬢さんも早く! SPの2人もよ!」



3862.


「や、やはり納得いきませんわ! 何らかの形で決着を着けなくては! この際あまり時間が掛からない方法・・・野球拳でいきましょう! さぁ毛利さん、服のないクレセントちゃんに代わってわたくしが相手になりますわ!」


「はぁ? いいけどあなた負けるわよ?」


「何を言ってるんですか2人とも。そんな下品なことはやめなさいと言ったでしょう。ここはグラウンドよ? 職員室でやりなさい」


「「だから何で職員室ならできるんですか」」

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