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2022/09/10

3768.


「みずきー、野球しようぜー」


「なんなのよいきなり。しないわよ野球なんて」


「じゃあ野球拳しようぜー」


「もっとしないわよそんなの」



3769.


「そんなに野球拳がしたいなら男子に頼めばいいじゃない。さすがの美々香も歓迎されるんじゃないの?」


「オイお前ナメてんのか。“負けても脱ぐな”って言われるのがオチに決まってるだろ?」


「そう思うなら普段の行動を改めなさいよ・・・」


「やなこった。だって才色兼備そろっちまったら野球拳に誘われちまうだろ?」



3770.


「絶世の美女がいたところで野球拳を申し込むような人なんていないわよ」


「チキン野郎が増えたもんだぜ。そんな奴らのために、みずきがここで野球拳をするんじゃないか。お前なら多少は需要ありそうだしな」


「嫌よ見世物になるなんて。それに、いくら女子でも教室のド真ん中で野球拳なんてやったら怒られるでしょう」


「そんなのやってみなきゃ分からないだろう?」



3771.


「いや普通に考えて、いきなり脱ぎ始めたら問題でしょう」


「いきなりじゃない。歌いながらジャンケンするという予備動作が入るんだから、負けた方が脱ぐんだってことは周りにも知らされる」


「野球拳を始めるのは“いきなり”でしょうが」


「“いきなり”以外に野球拳を始める方法がどこにある? ババ抜きとか大富豪を始めるのと変わらないだろ?」



3772.


「トランプやるにしても、“脱衣トランプやります!”とか言われたら驚くでしょうが」


「まぁ驚くかもしれないが、喜びもするだろう。なぁ服部?」


「なんで僕に振るんですか。反応に困るんですけど」


「昼は短し困れよ少年」



3773.


「ほら、服部だって私よりはみずきが脱いだ方が盛り上がるって言ってるぜ?」


「いやそんなこと服部君も言ってなかったわよ」


「そうですよ。お嬢様以外の人間が脱ぐことに何の意味があるんですか? いや、お嬢様の肌を人前にさらすなど・・・!」


「どっちなんだよ」



3774.


「わたくしを呼びましたか?」


「うぉっサバ令嬢! いたのか! じゃあ野球拳しようぜ?」


「何なんですのよいきなり。構わないですけれど、わたくしに挑むにはまずジョンとベンジャミンを倒す必要がありますわよ?」


「な、にっ・・・! つまりサバ令嬢を脱がしたくば先にジョンとベンジャミンを脱がさねばならないのか! なんて地獄なんだ・・・!」



3775.


ザッ。


「いやお前ら何やる気になってんだよ」


ボキボキ、ゴキゴキ・・・。


「野球拳に殴る蹴るなんて動作はないからな?」



3776.


「美々香さんがそんな低俗なゲームをわたくしに挑むからです。二度とこんな口がきけないようにギッタンギッタンにしておやりなさい」


「おいおいそりゃあフェアじゃないぜ? 野球拳で挑まれたんだから野球拳で応えるのがデュエリストってモンだろ?」


「わたくしデュエリストではありませんので」


「2人ともそんな軽々しくデュエリストを語らないで?」



3777.


「いいか、よく聞けジョンにベンジャミン。この私をボコりたければまず野球拳で勝って丸裸にしてからにしな」


「美々香あなた結構すごい発言したけど自覚ある?」


「そうですか・・・そこまで言うのなら受けておやりなさいジョン、ベンジャミン。いつもお調子に乗っている美々香さんに恥をかかせてやるのです!」


「なんでサバ令嬢さんまでやる気になってるのよ。万が一2人が負けたら次はあなたになるのよ?」



3778.


「大丈夫ですわよみずきさん。相手は1人でこちらは2人。もちろん美々香さんは、1人に勝った後も服を着ることは禁止ですわよ?」


「相手が私1人だとは思わないことだな」


「すみません、本能には逆らえません・・・お許しください、お嬢様!」


「服部君!!」



3779.


「で、ですがまだ3対2。わたくしに回る頃にはそちらの2人目がほぼ素っ裸でしょう」


「それはどうかな?」


「お前は・・・工藤! どうした! 普段私らの会話に我関せずのお前が・・・!」


「服部がやるってぇのに俺がやらないワケにはいかないだろう?」



3780.


「そっ、そんな・・・! そうだ、みずきさん! みずきさんはこちらチームですわよね・・・!?」


「え、嫌よ野球拳やるなんて」


「そんな殺生な・・・! い、いいのですか!? わ、わたくしの、あんなところやこんなところがクラスのみんなに見られてしまうのですよ!?」


「私が脱ぐことになるよりはマシよ」



3781.


「残念だったなサバ令嬢。順当にいけば、ジョンとベンジャミンは筋肉質かもしれないがヒンソーであろう服部や工藤もその汚いボディを披露することになった上で、私らのどっちかも脱がねばならなくなる。今日は見られても恥ずかしくないおショーツをはいて来たか?」


「くっ、くぅ・・・と、当然ですわよ。淑女たるもの、見えない部分のファッションにも力を入れておりますわ?」


「ふっふっふ・・・それが今から見えることになると思うと楽しみだぜ。なぁみずき?」


「何で私に振るのよ。てかそろそろ・・・」



3782.


「何をやってるんですかあなたたち。もう授業始まるんですけど?」


「げっ遠藤! いたのかよ! 邪魔すんなよ今いいところなんだから!」


「2分も前に来てたから分かります。教室のド真ん中でなんて下品なことをしてるんですか。後で職員室に来なさい。受けて立ちますから」


「職員室でならいいのかよ」

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