2022/07/31
3402.
「別れ。それは、春じゃなくてもやってくる」
「そうだね・・・ミミりん、アタシ、ミミりんと過ごした2ヶ月間を忘れないよ!」
「ああ! 私たちの友情は永遠だ!」
「ばぶーーーーー!」
3403.
「あの、盛り上がってるところ悪いんだけど、7月で終わりって決めたの自分たちでしょ? しかも佐藤さん今後も普通に同じクラスだし」
「“悪い”と思ってんならそんな野暮なこと言うなよみずき」
「そうだよ! アタシがどれだけ今日という日のために感動的なシチュを考えてきたと思ってるの!?」
「ばぶばぶ、ばぶばぶばぶ?」
3404.
「・・・雷太君は何て言ったの?」
「んーーっと・・・“これは僕たち3人の問題なんだ。外野から口を出すのは紳士的とは言えないぜハニー”」
「私は紳士とハニーどっちになればいいの?」
「考えてよハニー」
3405.
「それじゃあアタシたち、行くね!」
「また今後は少し静かになりそうですわね」
「あ、サバりんもしかして寂しかったりする?」
「まさか。そちらこそ、せいぜい名前を忘れられないように注意することですわね」
3406.
「え゛、ホント忘れちゃダメだよ!?」
「心配すんなよ純。ピュアシュガーなんて甘っちょろい名前、そうそう忘れやしないさ」
「でも10ヶ月ですわよ? 絶対わたくしの脳内で“さとう・ずんだ”ちゃんに置き換えられますわ?」
「ずんだじゃないよ!? ず・・・じゅ、純だよ!」
3407.
「おい大事なとこで噛むなよ」
「もう10ヶ月を待たずして明日から“ずんだちゃん”になりそうね」
「やめて!? てか同じクラスなのに!」
「同じクラスだからって名前を覚えてなきゃいけない理由がどこにある?」
3408.
「ミミりんヒドい! さっき永遠の友情を誓い合った仲なのに!」
「わかってないな純よ。これも一種の愛情表現さ」
「え、なに愛情とか言っちゃってんの。気持ち悪いんだけど」
「お前ぶん殴るよ?」
3409.
「それじゃあハッりんもミミにぃもミズにぃも、またねー!」
「はぁ。本当に最後まで騒がしい人ですね。 ・・・ぴよ」
「ぴよ?」
「あ、いえ! すみません。なぜか無意識のうちに・・・」
3410.
「ハッりん変なのー。アタシがたまに言ってるから移っちゃった!?」
「そんなことはないです! 僕がなぜこんな・・・う・・・ぴっ・・・ぴっ、ぴぃぃぃ~~~・・・ん、んんん~~~~~~!!」
「どったのハッりん!? ヤバくない!?」
「おいおい服部。いくら純を引き止めたいからってオカしくなったフリすんなって」
3411.
「全く。佐藤さんが抜けたら静かになるというのに、服部君がそれでどうするんですか」
「しかし、昨日はお嬢様も・・・!」
「はぁ? 訳の分からないことを言わないでくださいまし」
「てか服部昨日も同じこと言ってなかったか?」
3412.
「・・・・・・。兄さん、これは・・・」
「間違いない。今の流行り病だ。佐藤純は元々の口癖だったようだが・・・まずいな」
「あの様子だと美々香とサバ令嬢さんもピヨってるわよ?」
「だろうな。こいつの恐ろしいところは、自覚できず無意識のうちに言って記憶にも残らないパターンもあることだ」
3412.
「話は聞かせてもらった」
「涼太・・・! お前は無事だったか」
「ああ。にしても、ここ何日か美々香の様子がおかしいと思ったらそういうことだったか」
「残念だがもう自然に治るのを待つしかない」
3413.
「おーい! そこ3人なにやってんだー? 純のヤツ行っちまうぞー」
「私たちはここでいいわ。あんまり大勢で寄っても暑苦しいでしょう?」
「まぁ夏だしな。大して感動もしない友との別れのなんてさっさと終わらせるかー」
「ミミりんヒドい! 泣いてよ! でなきゃアタシが泣いちゃうよ!?」
3414.
「あーはいはい。悲しさのあまりもう涙ちょちょぎれそうでちゅー」
「心がこもってない! サバりーーん!」
「え、近寄らないでくださいまし暑苦しい」
「ヒドーーーい!!」
3415.
「イイもん! ハッりんに泣いてもらうもん!」
「お前はそれでいいのか?」
「やっぱやだ。ハッりん絶対泣かないで」
「この扱いで既に泣きそうなのですが」
3416.
「それじゃみんな、まったねーー!」
「ばぶ~~~~~~!」
「またなーー! ず、純のこと忘れないぞーーーー!」
「だったら嚙まないで!? てかわざとでしょ!?」




