2022/07/03
3284.
「こんちはー! 遊びに来たよ!」
「あら佐藤さん、ようこそサバ部へ。そちらは弟さんですか?」
「ばぶぅ!」
「佐藤雷太だっぴ~~!」
3285.
「まぁ可愛らしいこと。ですがシュガーなお姉さんと比べて随分とスパーキングなお名前をしてらっしゃいますのね?」
「雷太も苗字は“さとう”だからシュガーだよサバりん・・・」
「ばぶばぶ、ばぶぅ!」
「なになに? “綺麗なお姉さんとお話しできて嬉しい”ですって? お上手ですこと♪」
3286.
「いや全然合ってないからねサバりん?」
「では何と言ったのですか?」
「“ボクはお姉ちゃんのように甘くないから気を付けた方がいいぜ、ベイビー”」
「ベイビーは雷太君の方でしょう・・・」
3287.
「それはそうと、せっかく格好いいお名前をもらっているのですから、全然ピュアじゃないお姉さんのように名前負けしては行けませんよ?」
「ばぶぅ!」
「ちょっ雷太そこで良い返事しない! サバりんもヒドい! アタシピュアだよ!? アタシからピュアを取ったら何が残るっていうの!?」
「シュガー」
3288.
「部室が騒がしいと思えば・・・何をしに来たんだ佐藤純」
「せっかく遊びに来たのにヒドいこと言うねミズにぃ・・・でも赤ちゃんを前にはそんなこと言えまい! 佐藤雷太だっぴ~~!」
「・・・何をしに来たんだ佐藤雷太」
「ヒドい!!」
3289.
「ばぶ、ばぶばぶば、ばぶばー」
「何? “いつも姉がお世話になってます。ちょっと頭の悪い部分もありますが今後ともよろしくお願いします”、とな。良い弟じゃないか佐藤純」
「ちょっとミズにぃ何で分かるの!? アタシの専売特許奪わないで!!」
「というか今の合ってたんですの・・・?」
3290.
「ばぶ、ばぶばぶばぶ、ばぶぅ?」
「今度はアタシがやるよ! ・・・“ところで、他の頭の悪い3人はどうした?”って」
「ついにウチの妹も頭悪いサイドに入れられてしまったか・・・仕方ないが」
「あとサラリと服部君が忘れられておりますね」
3291.
「忘れるも何も、雷太はハッりんとは面識ないよ!」
「あらそうでしたね、失礼しましたわ。他の4人なら近所の子供たちと釣りに行ってて不在ですわよ」
「高校生にもなって何やってんのみんな・・・」
「サバの普及活動に決まってるではありませんか」
3292.
「あ、釣りってソレ!?」
「むしろサバ以外に何を釣れというんですの?」
「雷太・・・世の中、怪しい宗教団体みたいなコミュニティもあるから迂闊に入っちゃダメだよ」
「佐藤さん。わたくしの機嫌次第では姉弟そろってインド洋送りになることもお忘れなく」