2022/03/13
2809.
「兄よ!」
「妹よ!」
「・・・せーのっ」
「「我々は今、大いなる希望の前にいる」」
2810.
「今のどうよ、みずき」
「え・・・どうって、全く意味が分からなかったんだけど」
「しょうがねーなぁ。別に大事なことじゃないけどもう1回やるぞ兄よ。・・・せーのっ」
「やんなくていいからね?」
2811.
「お兄さんも、わざわざ美々香に付き合わって変なことしなくてもいいのに」
「悪いな崇妹。元々俺はこういう奴なんだ」
「そうですか・・・でも美々香の兄である以上は私の好感度は下がりませんよ?」
「なにーーーー!!」
2812.
「と、いうワケでみずきの好感度サゲサゲ大作戦は失敗に終わった」
「え、ホントにそのためだけにあんな意味不明なこと言ったの?」
「それ以外にどんな理由があるんだよ」
「うん、そうね、なかったわね」
2813.
「全く。みずきも考えてから物を言ってくれよ」
「美々香にだけはそれを言われたくないんだけど」
「私の兄には言われてもいいのか?」
「いいわよ別に。私を美々香の義姉にしてくれるなら」
2814.
「その希望を捨てろよ」
「お兄さん本人がいる前でそんなこと言わないでくれる?」
「お前こそ本人の前でよく色々と言えるよな」
「そりゃあ言わないと気付いてもらえないでしょう」
2815.
「まぁ気付いたところで結論は変わらんがな」
「そんな・・・お兄さんこそどうして私本人にそんなことが言えるんですか・・・!」
「そりゃあ言わないと分かってもらえないからだ」
「お言葉ですが何回言われても分かるつもりはありません」
2816.
「こりゃまずいな。みずきが完全に考えることを放棄している」
「“考える”という行動を取ったことのない人が言わないでくれる?」
「お前って時々ひどいこと言うよな」
「美々香は時々ひどいことを実行に移すじゃないの」
2817.
「あー待て待て2人とも。またいつもの醜い罵り合いになってるぞ」
「お前がさっさとみずきと結婚すれば全部解決するんだよ」
「そうですよお兄さん」
「よし、散々2人で罵り合え」
2818.
「・・・・・・」
「・・・・・・なんか、罵り合えって言われたら急にその気が失せてきたわね」
「よし、その調子で美々香の義姉になる考えも捨てようか」
「それは有り得ません」