2022/03/05
2778.
「妹よ!」
「何だ!」
「俺の宿題を隠すのはやめろ!」
「断る!!」
2779.
「いやマジでやめろよ。説明しても先生信じねぇし」
「信じられないことをしているという自覚はあるぜ?」
「相変わらずタチ悪ぃな。どうせ隠すんならまだ手ぇつけてない宿題にしろよ。骨折り損になる」
「終わったやつを隠さないと意味ないだろ?」
2780.
「なるほど、それは一理あるな。じゃあこうしよう。俺もお前の終わった宿題を隠してやる」
「それはできない。何故なら私が宿題をしないからだ」
「やれよ。俺が隠すために」
「やるわけねーだろーが」
2781.
「まあいい。宿題やんないんならお前も怒られるだろうからな」
「宿題やったのに怒られるよりマシだろ?」
「それは身をもって経験したぜ・・・しかも家族に隠されるという理不尽」
「世界は理不尽だからしょうがないね」
2782.
「んじゃ、もうこの話は終わりだな。あばよ」
「ああ、そうだな。これ以上は不毛・・・いや、おい、ちょっと待て」
「なんだよ。まだあんのかよ」
「なに勝手に終らせようとしてんだよ。先週すっぽしただろ作者のヤツ」
2783.
「ちっ、バレたか」
「バレるもバレないも無いだろ更新が無かったんだから」
「まあ、これは・・・アレだ。今は年度末に差し掛かっている時期で、作者も企業戦士だ。後は分かるな?」
「デスマーチか・・・」
2784.
「そういうこった。ヤツはここしばらく平日と土日の区別がつかない日々を過ごした。哀れなもんだ」
「だからって2週間音沙汰無しはどうなんだ? 時間が経ってることには気付いてるはずだろ?」
「その“はず”、が成り立たないんだよなぁ。体感5日ぐらいしか経ってなくても10日以上過ぎてることもあるんだよ、人間には」
「企業戦士は人間をやめてるんじゃなかったのか?」
2785.
「そうだったな。まぁいずれにせよ、知らないうちに2週間が過ぎてることもあるってこった。現実は変えられない」
「時は戻せないから無駄か。 で? なんで今日はこんなの書いてる暇があるんだ? まだ3月も上旬だぞ?」
「確かにこのタイミングでヤツは少し解放された。何故なら、その案件が詰んだからだ」
「マジで終わってんじゃねぇか・・・」
2786.
「デスマーチの真っ最中で見事、お葬式に突入したというワケだぁ」
「仕事って、あるうちが華なんだな・・・で、何で今年度を1ヶ月弱も残して詰んだんだよ」
「装置がブッ壊れた。この時期はどこも忙しくてな、直してもらえるのは最短でも2週間後。そして成果報告の期限は来週末である」
「マジで詰んでたな・・・」
2787.
「そんなこんなで、言い訳をつらつらと並べる資料作りが始まったのだ」
「死んだ後にも仕事に追われるのはデッドマーチか?」
「心配すんなよ。デスマーチよりはマシだから」
「それは労働量だけを見たらの話だろ・・・」
2788.
「で? 死んだ作者はこれからどうなるんだ?」
「それが、今期成果が出なかったってだけで、案件は継続なんだと。つまんねえ話だよな」
「せめて安心ぐらいしてやれよ。まぁ継続ってこと自体は元から決まってたんだろうけど、そうじゃなかったらと考えるとゾッとするよな」
「作者もボロアパート生活の仲間入りだと思ったのにな」
2789.
「仕方が無いから、私らで作者の墓を建てるとしよう」
「いや別にリアルに死んだワケじゃないだろ」
「死んだんだよ、ヤツは。私らの中では。実際デスマーチ案件が詰んで魂抜けちまってんぞ。弔ってやろう」
「“作者の墓”とか書くなよ何かシュールじゃんかよ」
2790.
「デスマーチに散りし我々の作者、ここに眠る。・・・これでよし、と」
「“これでよし”じゃねえだろ作者が死んだらどうすんだよこの作品」
「心配すんなよ。この中で作者が死んだというだけであってリアルの作者は生物学上は生きている。作品としては登場人物のうちの1人が死んだに過ぎない」
「コメディなのに死人が出たんだが?」
2791.
「コメディでも死人ぐらい出るさ。だが私たちは、人の死なないコメディにはなれなかったな」
「コメディを人が死ぬかどうかで区別すんなよ」
「実際ゼロじゃないだろ。死人が出る時は出る」
「俺たちは死の恐怖とも戦わなきゃいけないのか?」




