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2021/05/01

1460.


「親父ぃ・・・」


「何だ。たまには親孝行する気にでもなったか?」


「なるワケないだろ。誰の娘だと思ってんだよ」


「そうだったな俺の娘だったな」



1461.


「全く。自分のクズい血ってやつを見つめ直して欲しいね」


「それで、何の用だ」


「何で親父昨日休みだったんだよ。こっちはガッコだったってのに」


「大人は今が春休みだからだ」



1462.


「おいおい何言ってんだよ。今も働いてる大人だっているだろ?」


「そうだな。気の毒だ」


「あ? 言うことはそんだけか?」


「俺だって連休が潰れる時はある。結局のところ誰かが貧乏クジを負うにすぎん」



1463.


「ま、どこもかしこもブラックだからな。重要なのは、貧乏クジを回避する立ち回りか」


「そういうことだ。お前も気を付けるんだな」


「じゃあ私のために1億円稼いでくれよ。そしたら一生遊んで暮らせるからさ」


「ふざけるな。そんなことでは歳を取ってから苦労するぞ」



1464.


「てか親父の会社、働きたい会社ランキング上位にランクインしてるぞ? ホントにブラックなのか?」


「当然だ。俺のやつれた顔と薄くなった頭を見ろ」


「じゃあみんなブラックで働きたいってことになるぞ? 世の中そんな変態集団なのか?」


「そんな訳があるか。ブラックでも、いやブラックだからこそランクインすることもあるんだ」



1465.


「何言ってんだよ。それブラックで働きたい奴が多いって言ってるようなモンだろ」


「違うな。お前には言ってなかったが、母さんに涼太、爺さんに婆さん、それに隣の高橋さんにも投票に協力してもらったのさ」


「なん、だと・・・!? 貴様・・・若者を騙して入社させるためにそんなことを・・・! それでも私の親父か! ・・・私の親父だな」


「同じ血が流れていると自覚したか?」



1466.


「だが勘違いしないでもらいたいのだが、これは俺の意思ではなく、会社から指令が下りたことによるものだ。つまり、俺は悪くない」


「フザけやがって・・・てか、何で私には言わなかったんだ?」


「お前は結果が出る前にネットに晒すだろう? それじゃダメなんだ」


「いや今から晒しても一緒だろ。晒すぞ? あ?」



1467.


「心配せずとも本当に優秀な奴はこんなランキングなどアテにせん」


「じゃあなんでわざわざ社員使って票集めしてんだよ」


「これに釣られるぐらいのバカが丁度良いんだ。他にアテがないから辞めない上に、従順だからな」


「うわ・・・」



1468.


「お前も分かったならそんなくだらんランキングなど見てないで働く覚悟を決めろ」


「いやそこは“いい大学行け”って言うとこだろ?」


「お前にそれができるのか?」


「無理に決まってるだろ?」



1469.


「ンなこと言うなら親父経由で就職させてくれよ。“うちの娘ですー”って感じでさ」


「いつの時代の話だ。今そんなことができる訳がないだろう」


「とか言いつつ?」


「お前が将来美人になってありとあらゆる誓約書にサインするなら、採用試験は出来レースになるぞ」

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