2021/04/11
1373.
「それでさっきから腰さすってるのかい。いい気味だね」
「いやもうこれ軽くなく傷害事件だろ・・・」
「念願のタイ料理が食べれたんだから良いじゃないかい。アタシらとしてもちゃんと買い物してきたんなら文句ないよ」
「いや娘が蹴られたんだから文句ないなんておかしいだろ?」
1374.
「そんなもんひと晩で治るさ。これを機に人を裏切るのはやめることだね。いい薬になったじゃないか」
「それで済ますなんて信じられねえ・・・」
「いや私もまるで信じられないものを見たからね?」
「悪いねぇみずきちゃん、こんなやつに付き合ってもらって」
1375.
「オイなに私の自業自得でシメようとしてんだよ」
「いやどんな角度から見ても美々香の自業自得でしょう」
「納得できん! このままじゃ蹴られ損じゃないか!」
「そうでもないでしょう。1500円はもらったままなんだから」
1376.
「しかし! このままでは腹の虫が収まらん! みずきがタイ料理おごってもらい得になってるのも含めてな!」
「付き合わされる方の身にもなってくれる?」
「チッくそあのムエタイ野郎・・・このままで済むと思うなよ・・・!」
「何を躍起になってるんだか」
1377.
ヒューーーーーッ。
「・・・またあなたですか。まさか、1500円返すから一発蹴らせろとか言いませんよね?」
「ンなわけあるか。だが、私は借りは返すタイプなものでね」
「だったら尚のこと1500円を返して欲しいものですよ」
1378.
「それで、どんな形で“借り”を返すおつもりで?」
「自分が私にしたことを思い出してみるんだな」
「なるほど・・・しかし、見たところ猫が一匹増えただけのようですが? まさか、それだけで何とかなるとでも思っているので?」
「そのまさかさ。うちの最終兵器を甘く見ないことだな。準備はいいか! クレセント!」
1379.
「にゃおーーん!!」
(・・・なるほど。ただの猫という訳ではなさそうですね)
「フッ・・・クレセントの潜在能力に気付くとはさすがだな」
「これでも、格闘家なものでしてね・・・久々ににフルパワーで戦えそうなものでウズウズしてますよ」
1380.
「そんじゃ始めるか。 クレセント、相手は格闘タイプだ。飛行、エスパー、フェアリーを軸に構成しろ」
「にゃん!!」
「フフフ・・・そういう猫ちゃんも“格闘”には弱そうですが・・・?」
「大口は勝ってから叩きな」
1381.
「それじゃあ、行かせてもらいますよ!」
「にゃおーーん!」
「くっ、いきなり念力を・・・しかし、当たらなければ同じこと!」
「にゃ゛っ!?」
1382.
「もらったっ!」
ザンッ!
「ニャハッ♪」
「くっ、速い・・・!」
1383.
「にゃおーーん!!」
「出た! 新技“ゴットキャット”!」
「なんの・・・っ!」
「ちっ、よけられたか・・・!」
1384.
「クレセント! 一旦弱点から離れて足場を奪うぞ! “じわれ”だ!」
「にゃおーーん!!」
ドッ、ゴーーーーーン!
「なっ、まさかこれほどの力が・・・!」
1385.
「よし! 敵が飛び上がった! あれでは自慢の足技も使えんだろう、袋のネズミだ!」
「にゃーーー!」
「そう簡単には行きませんよ・・・!」
「ウニャッ・・・!?」
1386.
「お、おい、なんかグラついて・・・」
「行きますよ! ハイヤーーーーーー!!」
「うっ、うわあああぁぁぁぁ!!」
「にゃ゛ーーーー!!」
1387.
「う、ぐ・・・あいつ今、空気をつかんで地球ごと振り回しやがった・・・!?」
「フフフフ・・・どうです、僕の地球投げは」
「いや絶対そんな技じゃなかっただろ・・・おいクレセント! さっさと立て!」
「おっともう遅いですよ」
1388.
「ニャッ!?」
「背後を取ればこっちのもの。いきますよ、“じごくぐるま”!」
「にゃ゛ーーーーーーーー!!」
「クレセントーーーーーーーーーー!!」
1389.
「が・・・にゃ・・・」
「どうしました? もう終わりで・・・う゛っ! これは・・・妖精の風・・・!?」
「にゃん!」
ガブッ。
1390.
「ぐおっ! まだこんな力が・・・!」
「決まった! ドレインキッスだ!」
「このっ、離れなさい!」
「ウニャッ・・・!」
1391.
「ハァ、ハァ・・・思わぬ消耗を食ってしまいましたね」
「ニャァ、ニャハァ・・・」
「ハァ・・・そろそろ、終わりにさせてもらいましょう!」
「にゃおーーーーーん!!」
1392.
「はぁぁぁぁぁぁぁあああ・・・!!」
「にゅぁぁぁぁぁぁあああ・・・!!」
「行ったれ! クレセント!!」
カッ・・・!
1393.
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「どっちだ・・・!?」
「・・・今のは、もしや、つばめ・・がえ、し・・・・・・ぐ、ほぁぁあ゛っ!」
1394.
「よし! もうヤツは動けない! とどめのプリズムレーザーだ!」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁああああ・・・・・・!!」
「くっ、このままでは・・・!」
「おいおい、そんなヨロヨロ歩いてどうするつもりだ?」
1395.
(今だ!)
シュバッ!
「何っ!?」
「これが、最後に振り絞った力です! あなたもノーマルタイプならば効果は抜群!」
「こいつ・・・! クレセント! 早くしろ!!」
1396.
「トレーナーは頭が真っ白になれば敗北! とどめを大技にしたのは失敗でしたね!」
パッ、カァァァァン・・・!!
「ご、あぁ・・・きさ、ま・・・!」
「状況いかんによっては手段は問わない。あなたと同じです」
1397.
「ぐ、おぉ・・・・・・」
ドサリ。
「ハァ、ハァ・・・こんな形での決着は不本意でしたが・・・良い対決でした。今度はぜひ、余計な邪魔がいない場面で」
「ニャハッ♪」




