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8本脚のハチ君

「これで問題無いな」

 トーマ君にあまり怖い思いをさせるのは可哀想だと思ったから怖がらせない様にしてみたけど、中々良い感じに出来たと思う


「トーマ君がレーザーを撃つという大役も果たせたし、多分怒ってないよね?」

 多分捕まったトーマ君は何が何だか分からない内に捕まっただろうけど、イベントが終わったあとにきっちり皆の為に働いたって気が付いてくれるかな


「さて、これでここを守る必要も無くなったし、適当にそこら辺を歩いてる獲物を捕まえに行こうかな?やっぱり防衛しなきゃいけない物が無いと気楽で良いなぁ?」

 僕の所に捕縛者の追加が無くても遊び場エリアと肉林エリアからはまだ対空兵器の攻撃みたいな物が無いし、流石に1か所からの攻撃だけで全部が止まる事は無いと思う。他のエリアからも攻撃が来ないと飛行船を止める事は不可能だろう。今は僕の担当の大劇場エリアからの攻撃で僕のエリアにこれ以上追加の下級捕縛者が増員されないだけで、まだ遊び場エリアとかには増員される捕縛者が降りてくるだろう


「そうだ。ポン君、僕を持ち上げる事って出来る?」

「出来る」

 僕を軽々と持ち上げて左右に揺らすポン君。体の面積が少し増えている気がするけど、なるほど?これなら新しい姿を取る事が出来るかもしれない


「それじゃあさ、こういう事がやってみたいんだけど……」

 ポン君にお願いして、それが可能かどうか聞いてみる


「出来る」

 うーむ、この優秀さ。流石である


「それじゃあまずはお試しでやってみよう」

 あまり人に見られない様にちょっと隠れて姿を変える




「あの空にあるレーザーってこのエリアから例の増員を止めるレーザーって事で良いのかね?」

「多分そうじゃね?誰かがやってくれたんだよ」

「いやぁ、助かる。私らじゃ絶対到達出来ないもんねぇ」

 このエリアを最初に選んだは良いが、NPC捕縛者の包囲が凄くて思うように動けず、ほとんど建物の中から動いていなかったが、空にレーザーが撃たれた事でNPC捕縛者がそちらの方に移動している。外に出るならこれ程良いタイミングは無いだろう


「私、ここの担当してる人の事、実はそこまで知らないんだけど、あんたなんか知ってる?」

「えー?私もそんなに調べてないけど、なんか前回のイベントでかなり大暴れした人らしいよ」

 私も彼女も所謂第二陣。効率よくレベル上げをする為にレベル上げの情報だけは良く仕入れたけど、それ以外の情報はほとんど入手していない。プレイヤーが運営の手伝いをするって言うのはまぁ分かるけど、最初の周りの人達の絶望っぷりとか思い出すとここのエリアを担当している人は本当にヤバい人なんだとは思う


「あっ!これ魂の欠片じゃない?」

「おっ!マジじゃん!もーらい!」

 地面に転がっていた魂の欠片を拾い、1つ入手する事が出来た。これで後は他のエリアに渡って残りの欠片を集めれば脱出の為のアイテムがゲット出来る


「そういえばあの変態の所にもいかないといけないのね……」

「流石にアレには捕まりたくないわ……」

 最初の紹介を思い出す。女性……というか悪魔系双子女子(見たまんま)とローブと仮面のここの人はまだ普通っぽい。けど、あのスク水を着た変態は生理的に受け付けない。出来ればアイツにだけは捕まりたくない


「まぁとりあえず魔法を使えばある程度何とかなるでしょ」

「そうそう、魔法があれば大抵の事は何とかなるしね」

 捕まりそうになったら魔法で攻撃すれば逃げる隙は作れるだろう。片方が魔法を放ったらもう片方がその隙を消す様に魔法を放つ。これで断続的に攻撃を続ければこっちに手出しは出来ないだろうし、この方法で今までの敵も倒してきた。別のゲームでも一緒にやってきたこのフォーメーションを崩さなければ私達は基本的に敵無しだ


「このイベントをクリアする時に私達の戦闘スタイルを見せつければこのゲーム内で有名になったりするんじゃない?」

「美人コンビの最強新人……良いじゃん良いじゃん!じゃあさっさとこんな所出て次のエリアに行こっ……」

 本当に一瞬だった。なんて事ない一緒にこのイベントをクリアしようと会話していた最中に彼女の首に何か輪の様な物が引っかかり、空中に吊るし上げられた


「かはっ……こほっ……」

「ちょえっ!?今降ろすから【ファイ…」

「【ハシャフ】」

「………!?」

 声が全く出せない。魔法も唱えられない。急に何も出来なくなり、体に糸が巻き付いて上に引っ張られる


「まぁ、魔法に自信があるのは良いけど、それを封じられたら手も足も出せないって所か」

 文句を言いたかったけど、実際に謎の糸に巻かれて魔法を封じられて何も出来ない事には変わりない。というかこの声の持ち主は誰だ。何処に居る?


「警戒はもっとしたほうが良いよ?」

「!?」

 私の目の前に現れたソレは上半身は人の姿で下半身は蜘蛛の姿をした所謂アラクネと呼ばれるような魔物の姿そのものだった


「じゃないと悪い蜘蛛に捕まっちゃうよ~?」

 ふざけているが、首に回されたこの糸が締め付けられれば首が飛ぶ……急に現れた魔物に何も出来なかった



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉ローブと仮面のここの人はまだ普通っぽい 勇者軍の掲示板に第三のPVまだ残ってるようなら、第二陣は見たほうがいいかもしれない。 さすればこのような目には合っても納得して逝けたであろう……南無…
[良い点] 忙しくてなろう読めてなかったけど、しばらくぶりに来てみればがっつり溜まってる。 素敵やん? [一言] 8本脚のハチ君・・・異常なし!
[良い点] 面白い [一言] お疲れ様です これからも応援します
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