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240cm様

「やっべ、やり過ぎちゃったかな……」

 さっきの人、捕まって転送というより気絶してログアウトしたような気がする。テアトルクラウンの服をツルツルした素材でライダースーツみたいにして、【バリアント細胞】を使って手を大きくしたり、尻尾を作ったりして、ポン君を頭に被ってエイリアンの頭みたいになってもらったが、かなりの完成度になっていたみたいだ


「ポン君、もう元に戻って良いよ」

 ポン君に片栗粉を混ぜた水を口から垂らしてらしさを演出してみたけど、これは実際に他から見てみないとどんな感じだったか分からないな。一応ポン君を被ったらポン君が視界共有してくれて見ていた映像がそのまま見れたので苦労する事はあまり無かった。強いて言うのなら頭が大きかったり、長めの尻尾があったりでバランスを取るのが難しかったくらいだ。大男の時よりバランスが悪かったのでこれも今回で封印した方が良いかな。相手が強制ログアウトしちゃうくらい追い詰めてしまったのは正直想定してなかった


「うーむ……別にここは守らなくても良いか?人員が増えればラッキー。増えなくても現状維持出来てるから別にここを守って他の人が余裕で魂の欠片を取るなんて事の方がちょっと悔しいな」

 よくゲームの運営がプレイヤーに有利なバグはすぐ修正して、不利なバグは放置するっていう事はあるけど、気持ち的には色々楽しんで欲しいから簡単にクリアして欲しくないみたいな?


「よし、ここを離れてもっと人を捕まえに行った方が良いな。人を探すなら大きい姿になった方が良いだろうし……次はあの姿をやってみようか」

 デカい姿で人型。女性になっちゃうけど、アレが良い気がする




「遂にハチさんの所に来てしまいました……何というかこのエリアに踏み込んだだけで空気が変わったような気がします!」

 遊び場エリアと肉林エリアの魂の欠片を1つずつ集めたトーマ君。遂にハチ君の居る大劇場エリアに侵入する


「ヨウちゃん、捕まったエン君の分まで気を付けて行こう!」

「キュ!(うん!)」

 妖狐のヨウちゃんとファイアドラゴンのエン君。2人のお陰でこの魂の欠片は集められた。だが、キリエさんの銃による攻撃を代わりに受けた事でエン君は強制送還され、イベントが終わるまで呼び出せなくなってしまった。メンバーの1人が欠けた状態だが、ハチさんの居るエリアでも力を合わせれば何とかなる……と思う


「まずは、他の人が居そうな所に行ってみるべきでしょうか……」

 他の人が居たら情報交換が出来るかもしれないが、集まれば集まるだけ目立って捕まってしまう可能性も高まる。他の2つのエリアでもそうだったが、NPC捕縛者を侮ると簡単に捕まってしまうし、エリア担当者であれハチさんに会えば更に逃げるのは難しくなる。捕縛者に見つからない様に動くべきだけど、ハチさんの場合は視認して居なくても見つけてくる可能性がある。ハチさんに見つかったらまず逃走は不可能だ。ハチさんが気まぐれで逃がしてくれたりしない限り逃走は絶望的だ


「いや、ここは他の人とは会わない様に進んでみましょう」

 他の人とは会えば、色々分かるかもしれないけど、発見リスクは可能な限り下げた方が良いだろう。そこを考えたら今は一人でコソコソ進もう




「欠片、欠片、魂の欠片は何処かなー♪」

 何となく鼻歌を歌いながら捜索してみる。こういう時、ハチさんなら鼻歌混じりで危険地帯を軽々渡って行くだろうと想定して、自分も同じくらいの勇気をもって行動するように頑張ってみる。実際はこんな事をして敵に発見される確率が上がるだけかもしれないけど、ヨウちゃんが居るから危険な距離まで接近される前に教えてくれる。そう信じて鼻歌を歌いながら魂の欠片を捜索した


「キュ!(近い!)」

「おっと」

 ヨウちゃんが警戒を強める。急に近くに何か現れたんだろうか?とりあえず近くにあった家の塀の裏に隠れる、何かあってもこれでやり過ごせないだろうか


「ぽぽぽ」

「えっ」

 2mは優に超える塀よりも大きな姿。巨大だけど白いワンピースと大きな赤い帽子が目立つ女性が塀の上から自分を覗き込んでいた


「ひっ」

「ぽぽぽ」

 怖くて腰が抜けそうになったけど、相手の大きな女性は両手を前で振って何もしないという感じのアピールをしてきた


「ぽ!ぽぽぽ」

 そして何か思いついたように懐から何かを取り出す……え?それって


「魂の欠片?」

「ぽぽ!ぽぽぽ!」

 右手に摘まむ様に持っていたのは魂の欠片。これは受け取っても良い物なんだろうか?


「あっ、本物だった……」

 頭の上に魂の欠片を落とされて、自分の体に触れたら他の2つの魂の欠片と合体して鍵になった。この人良い人だったのか


「ぽぽ……ぽぽぽ」

「えっと……」

 その後、少し離れた所まで行くと手招きをする。ついて来て欲しいという事だろうか?


「うん、きっとついて行かないとこれは失礼だ。魂の欠片っていう報酬を貰ったんだからお礼はするべきだろう。ハチさんだってそうするハズだ」

 何か貰ったらお礼する。人としての基本を守りたい


「何処に行くんですか」

「ぽぽ」

 指差したのはエリアの端の方だろうか?結構遠いかもしれないけど、空には飛行船が見えてきている。対空兵器を探さないと他の人も困るし、もしかしたら対空兵器の場所を知っているのかもしれない




「これは……対空兵器ですか!?」

「ぽぽ。ぽぽぽ」

 大きな手で兵器の操作盤みたいな所を指差す。あれを操作して欲しかったのか


「えっと、これで飛行船を狙って……発射!」

 ボタンを押すとオレンジ色のレーザーが兵器から飛行船に向かって発射される。すると、飛行船に当たる直前にレーザーが飛行船を包み、バリアの様になった。もしかしてこれで飛行船から追加の捕縛者が降りてこられない様になったのかな?


「ありがとう」

「えっ?」

 大きな女性に後ろから抱きしめられたと思ったら、知らぬ間に沢山の人が居る所にワープしていた。あれ?もしかして自分……捕まっちゃいました?



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉「欠片、欠片、魂の欠片は何処かなー♪」 着々とハチくんのポジティブさを学びつつあるトーマ君。 今後の人生にも良い影響が出そう。 同じ人からもうちょい疑ったほうがいいこともおそわってるけど(…
[一言] 案内して華麗に捕まえる流石 八尺様型ハチ君
[一言] 八尺様まで網羅しているとはハチ君は博識だなぁ(諦め)
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