ボスラッシュ
「クッソ!あの宝箱爆弾だったのかよ……」
ガチ宮さんが戻って来てエントランスで宝箱を開けてみたら大爆発。勿論ド近距離で喰らったガチ宮はまたデスしてしまった。爆破に巻き込まれた他の人も戻って来るまで待機して、やっと下に向かう事になったが、若干嫌な雰囲気が漂っていた
「やぁやぁ?遂に来たみたいだね?私も待ちくたびれた所ですよ」
「げぇっ、ハスバ!?」
「ここで迎え撃てって命令なのでね。やらせてもらいますよ?まぁ嫌と言っても相手してもらいますが」
何かいつもよりスク水が食い込んでいる様にも見えるハスバさんはエストックと苦無を構えていた。中々凄い組み合わせだな……?今は眷属のアーマーとかマントとか靴は外しているみたいだし、いつものスク水を着ているからイベント前の皆が見た事のある姿になっている。他にも数十人がハスバさんと一緒に待ち構えてボスラッシュの第一弾スタートだ
「ここは俺達が抑える!だからお前らは先に行けぇ!」
「……しょうがねぇな!」
『悪いハチ君。漢としてこれは見逃せないイベントだから見逃すのを見逃してくれ』
ハスバさんからの直談判のようなメッセージ。その気持ちは分かる
『オッケーです。でも加減はしてくださいね?』
やり過ぎるとちょっと時間稼ぎとしての役割が果たせなくなるからある程度で止めて欲しい。ハスバさんも「ここは俺に任せて先に行け!」なんて絶対一度はやりたいだろうから、多少の人数を先に進ませるのもアリだろう。だって先に進んだところでまだボスが控えているからねぇ?
『任された!』
「お前を漢と認めてその提案を呑もう。だけどもし負けた場合は……じゅるり」
「ひえっ……」
ハスバさんにその趣味は無かったと思うけど、まぁ覚悟を決めさせるのにあのやり方が良いのかな?
「俺のケツが掛かってる……絶対負けられねぇ!」
別にハスバさんはケツも何も言ってないんだけどなぁ……?
「さて、この辺で締め切りだ。これ以上は通さないぞ?」
一旦扉から引いて、ある程度の人数を先に進ませていたが、それなりに進んだからエストックと苦無を構えて、それ以上勇者軍の人が進めないように行く手を阻む。ここからがハスバさん達の見せ場になるだろう
「それじゃあ始めようか」
「うぉぉぉ!やるぞお前ら!」
ハスバさんを主軸にした魔王軍部隊とジェイドさん達を先に行かせた勇者軍部隊との激突。いよいよボスラッシュの始まりだ
「ハスバさんやるなぁ?」
「やっぱ恰好はとち狂ってるけど、実力はあるよなぁ……」
「指揮官は言わずもがなだけど、ハスバさんも結構ハイスぺで色々出来る人だよなぁ……」
「苦無で牽制して、エストックで隙を突いて武器持ってる腕に攻撃するとか結構大概な事やってるよなぁ」
復活時間を待つ間に監視水晶で戦闘の様子を観戦したり、武装の手入れをしている人など居るが、ハスバさんが結構凄い活躍をしているので結構皆集中して見ている
「何でエストックかなぁって思ったけど、あれなら確かにエストックが一番かな?」
敵の武器を持っている側の腕を使い物にならないように突くには刺突目的のエストックが一番だろう。下手に斬り落とされるよりも、腕は有るけど使えないって状態だとまだ戦える!と回復しようとする。そうなると自分で回復薬を使うか他の味方に回復を頼む事になる。でも、ハスバさんはその状態の人を可能な限り大量に作る事で、まだ戦えそうだけど回復しないと戦闘は出来ない。という戦場に居てもどうしようもない人を沢山作る事で敵が進攻出来ないようにして、時間稼ぎという行為をしっかりと遂行していた
「周りの人もハスバさんの限界が越えないようにある程度キルしてるから戦うフィールドも確保出来てますしね」
敵はドンドン入ってくるからキルもしないと自分達の戦う場所すら無くなってしまう。その為にハスバさんと一緒に参加した人は戦闘場所の確保の為に一定のペースで腕の使えなくなった人をキルして場所を作っている。ある意味ここが一番戦略的なボスラッシュの場所かもしれない
「それを考えると、先に進んだのは不幸っちゃ不幸だったかもなぁ?」
「だってキリキリシスターズが待ち構えてるもんなぁ……」
「最初のこんにちわ死ねとか、鬼だよ」
ハスバさんが通した人達の先にはキリエさんとキリアさんがボスラッシュの2面として待ち構えていた。部屋に入った瞬間に眉間をぶち抜くという容赦ない先制攻撃から始まったので、見ていた人は若干引いていた。せめて名乗りをしたりされたりしてからじゃないと……いや、アイサツ前のアンブッシュは1度だけ認められている。って事であれはセーフだ。古事記にも書いてある
「1面がハスバさんの変態が真面目に戦闘行動してみた。2面がキリキリシスターズの残虐パーティ会場。3面がトーマ君のケミカルボンバーショー。4面がロザリーとアイリスのデスガーデンって感じ?」
その階でのリーダーを主体に各階層の名前?みたいなのを付けた人が居たけど、名前が付くと中々カッコイイな?
「因みにその名前の付け方だと、ここはどういう名前にするんです?」
気になったから一応最深部の(まだ先はあるけど)ここはどういう名称にするのか聞いてみた
「この世の終わり!」
「真の絶望!」
「屠殺場!」
「処刑場!」
周りの人も聞いていたからか、答えてくれたけど……答えが酷過ぎる
「残虐パーティ会場とかデスガーデンとかカッコ良かったのに処刑場って……」
「だって指揮官が手を抜かないならそれはもう処刑じゃん!」
「いや、まぁここで負けるつもりは無いですけど……にしても、ねぇ?」
もうちょい表現の仕方とかあるんじゃないだろうか?