トラッパー
「ここか?」
「一応送られてきたデータを信じるなら、この建物の中らしいが……」
「慎重に入るしかないな」
「気付いているか分からないが、間違いなく中で待っているのは確実だからな。慎重に行くぞ」
4人がチームを組み、建物に入って行く
「監視カメラがある訳じゃない。ゆっくり入ればバレる事は無い」
「あぁ、行くぞ」
慎重に扉を開ければバレる事は無いハズ……
「は?」
唐突にドカンと大きな音がしたと思ったら、ドアを開けた奴の頭が無くなっていた
「うっそ……トラップ!?」
「ま、マジかよ……」
「ショットガントラップ……あの映画かよ!?」
ドア1つ開けただけで1人やられた。それだけで冷静さを乱されるのには充分過ぎる一撃だった
「とりあえずこの次の部屋は制圧するぞ!」
「もう今のトラップで相手にバレてる!」
「仕方ねぇ!行くぞ!」
上半分が吹き飛んだ扉を開けて、先の部屋を制圧する。他にトラップらしいトラップも無い……いや
「毛布の所を撃て!」
「「お、応!」」
部屋の角にあった毛布を3人で撃ち抜く。この部屋で人が隠れて居そうな所はそこ位しかない。だからその毛布をめくれば俺らが指名手配を倒して金一封を……
「なっ!?」
「誰も居ない……」
「いや、伏せろ!」
めくった毛布の中にはゴミ袋の様な物を積み重ねて人っぽい形にしてあったみたいだ。だが、大事なのはそうじゃない
「「がはっ!?」」
伏せろという声に遅れた2人はそのゴミの中に隠されていたアサルトライフルによって撃たれた
「おっ、良く避けましたね?」
「嘘だろ……」
アサルトライフルが銃弾をバラ撒きながら宙を浮き、天井に開いた穴から伸びて来た手にその銃が収まる
「まぁ、こういう銃はあんまり好きじゃないんですけどね?さっさと終わらせないとこの戦闘音のせいで他の人にバレちゃいますから。さっさと次の準備しないと……」
あれは……トリガーの部分に糸が付いている……?そうか、それで……
「さ、次の準備しなきゃ」
最後に聞いた軽い言葉の後、聞こえた銃弾の音によって意識は遮断された
「マジか……声を聞いて分かったけど、あれ……ハチ君じゃん……」
やられた事で、接続が切れて現実空間に戻って来たが、あの声は間違いなくよく楽しませてもらったり、胃を痛める相手でもあるハチ君。その人だ
「先にやられた奴が聞いたらしいが、ハチ君身体能力マックス振りらしいから弾が1発でも当たれば死ぬし、銃の精度もほぼ無しらしいぜ?」
「は?マジかよ……」
既にやられていた者達もその場に居たので話を聞いてみたら、どうやら、またとてつもない状況でプレイをしているみたいだ
「ちょっと誰がハチ君が何をしたか分かる映像とか無いか?」
「あぁ、お前らがやられた時の映像ならこれかな……」
そうして、近くのモニターの1つにさっきの状態が逆側から映される
「うわぁ……」
「簡単な仕組みだけど、お前らよくあのドア1人だけで済んだって。下手したらあの時点で全員やられてたって不思議じゃ無かったぜ?」
金属のゴミやら釘を使ってショットガンが固定され、扉の方を向いている。そして扉を開ければ糸が引っ張られてショットガンが発射される機構になっている。これでドアを開けた途端に1人やられた訳だが……
「マジか……」
その後も毛布に対して射撃して、2人が仕込みアサルトライフルにやられたシーンを見る
「む?何かこのアサルトライフルおかしくないか?」
「ん?」
「本来の持ち主がハチ君なら、この銃の精度もバラバラじゃなきゃいけない気がするが……」
「それがよ?どうやら銃を持つとその銃に自身の精度が適応されるって感じだから、糸で吊るしているだけのこの銃にはそもそもハチ君の精度が適応されない。だから銃身から出る弾はそのまま誰の影響も受けずに発射されるみたいだ。これは今回ハチ君がこういう手法を取ったから分かった事の1つらしいぜ?」
銃を持つまではその銃に精度が適応されない……確かに、倒れた相手から銃を奪い、撃ったとしても、それは自身の精度が適応されるから弾がバラけたり纏まったりは拾った人次第になる。それをさっきは糸を使い、拾う途中という様な状態であった為、本人の精度に影響されずに弾が撃たれたらしい
「というか、お前らは珍しい方だぜ?」
「珍しい?そりゃあトラップを使われて倒されるのは珍しいだろう?」
「いや、ハチ君はな。メイン武装として選んだのはハンドガンとナイフだぜ?」
「はぁ!?」
一発貰えば即アウトな状況でなぜそんな装備選びになる!?
「ほら、これがハチ君のメインキル手段だ」
ナイフ投擲と、接射ハンドガン……それに途中で出て来たロープダートとかいう意味の分からない手作り武装……
「近接で敵を倒しているのか?」
「まぁ、近接って名前の近距離武装だな。それが今は伸びて中距離武装。あとこれは下手したら遠距離武装になり得るぜ?」
そうして画面には金属スクラップ等を使って弓を作っている時のシーンが流される
「君達は支給された銃で戦おうとしてたが、ハチ君は仕様の穴を突き、自身の能力を最大限に活かせる武装を作り、それを実践に投入して使用している。君らの事を貶す訳では無いが、彼は本気でコレに取り組んでいるんだよ」
「「東郷さん!?」」
まさかのコッチに東郷さんが来るとは……
「さぁ、彼の動きも見つつ、話を聞こうじゃないか。戦ってみてどうだった?」
まるで子供の様に聞いてくる東郷さんに若干引きつつも、実際凄まじかったハチ君の話をする事にした




