病院からの呼び出し
「うおっ!?逆にこっちに来たか!それなら……はっ!」
急に進行方向を反転させ、僕に向かって砂の中から飛び出して来た。だから紫電ボードを蹴り、横にジャンプ。それとほぼ同時に紫電ボードを仕舞い、空中で【ダブルジャンプ】を起動して、ヤツメウナギの側面から目の1つめと2つめの間辺りを狙って掌底でヤツメウナギの脳を揺らす
「しゃぁ!」
脳を揺らして地面に落ちた5m越えのヤツメウナギに真淵を爪の様にして、ポン君パワーで強化した腕力もプラスしながら砂海に右手を振り下ろす
「おぅおぅ……派手に輪切りにしたな?」
「これは流石に何回も同じ様には出来ないと思いますね……今回限りだとは思いますが、これで食材としても良さそうな物が手に入りましたよ!さ、戻って早速調理しないと!」
「明らかに人の動きではない動きをしたと思うのだが……全く気にしていないな……」
「まぁ、色んな存在からの協力を得てますからね」
確かに、空中で挙動を変えるとか普通の人は出来ないし、鋭く長い爪も無い。僕も最初はこんな事が出来る様になるなんて思っても無かったなぁ……
「さぁ、これは調理が大変そうだけど、やってみますかぁ!」
輪切りにしたヤツメウナギを回収はしたけど、これはその輪切り1つだけでも充分過ぎるな……
「これは流石に串焼きにするのも難しいサイズ感だな……」
元が5mクラスだからそれを刺せる串は流石にもって無い。糸で串を作るのもアリだけど、それでもそもそも、そんなサイズの物を作ると食べきれない可能性があるからまずは食べられそうなサイズ感で切ってみよう
「いやぁ、これでもかなりの物だぞ……物凄い肉厚だ」
もはやキューブみたいな感じだけど、溶岩炙りで良い感じに火が入っている。何なら焼いた後に切ってご飯に乗せても良い位だ
「ほう……これは美味そうだな」
「ここはお手軽に甘辛ダレで良いか」
醤油、みりん、酒、砂糖を使ったタレを作って、完成したウナギにタレを塗ってひっくり返したりして溶岩焼きをしていく。いやぁ、溶岩に垂れた脂とタレの匂いが良いねぇ……狼系の敵が居たら真っ先に突っ込んできそうだ
「「ん~」」
やっぱりこのじゅわぁって音と匂いだよねぇ!
「さぁ、食べましょうか」
「頂こう!」
このヤツメウナギの蒲焼き?を前に要らないとは言えないよなぁ?
「うんま~」
「はんとほふほふひへひふ!(なんとホクホクしている!)」
「んー!美味い!」
これは良い。ちょっと今度イクサバン周りにこういうの居ないか探してみるかぁ?
「こういうグロテスクな見た目の生き物は美味い理論!」
まぁ、体が溶けてる様なタイプのグロテスクは良くないとは思うけどね?
「なるほど、自身が美味いと思わせない様にして喰われない様にする生存戦略か。だが、人の子に見つかったのが運の尽きだったな」
「まぁ、そうかも……」
確かに趣味としてサバイバルをする様な人間に見つかったのは運の尽きと言っても過言ではないかも
「いやぁでもこうしてサバイバルするのはやっぱり良いなぁ……」
何というか、こう……生存する為に出来る事をするっていうのはやっぱりやりごたえがあって良い。勿論、全部街を使えばもっと楽になる事もあるだろうが、自分が持っている手札で何とかするのが楽しいんだよねぇ
「ふぅ、美味しかった……ん?」
何かメッセージが来たぞ?運営から?
『旅人ハチ様へ』
おっと、まさかの名指し指定か。えーと何々……
「これは……もしかして何らかのテスターとして参加して欲しいって事かな?」
運営からのメッセージを読んでみたけど、イベントに参加して欲しいって感じでも無く、何らかのイベントをしようとしてるけど、その前にちょっとテストしてみてくれない?って感じだ
「それに、多分これは病院に行って検査もついでにする感じかな?」
テスター参加するなら、僕が検査で行く病院で行うから来て欲しいみたいな事も書いてるから、ついでに検査もするのかもしれない。なら行っても良いか。今度の休みか。別に今は仮想空間でサバイバルしてるだけだから問題は無いな
「何だったのだ?」
「ちょっとした呼び出しの連絡だね」
「ほう。また運命が人の子に絡みに行くのか。これは面白そうだ……」
まぁ、運命でも運営でも変わらないけど、何だろうな?
「えっと……7階7階」
呼び出しの連絡の事をダアトさんに話したら、サバイバルがその日の内に世界が終わって強制終了になってしまったけど、何かダアトさんが楽しそうにしてたのはなんだったんだろう?ただ、これは東郷さんが僕を呼んだと思って良いよね?
「今回はちょっと違うのかな?」
前に検査した所と場所が違う気がするけど、まぁ良いか
「おっ、来たな」
「東郷さん。お久しぶりです。それで、検査ですか?」
「まぁ、検査みたいなもんだな。ちょっと真ん中の機械に入ってくれるか?」
部屋の中央にちょっと大き目の人が余裕で入れるガラスの卵みたいな物が有る。中にVRの機材も見えるな
「これは?」
「まぁ、新型のヘッドギアの開発でもあるんだが、それはそうと、影人君が今どの位動けるのかも見たくてな?ちょっとした余興も込みで色々試させてくれ」
「分かりました!」
なるほど、だから守秘義務が発生するとか何とか書かれてたのか。よーし!頑張って良いデータを提供するぞ!




