2人と共に街へ
「それは2人に対する提案で勿論断っても良いんだよね?」
「出来れば……話だけでもと……」
いやぁ、これは普通に危ない提案だ。確かに、この2人を頼るというのは確かにこの雪国なら分かるけど、問題はギルドがキチンと報酬を払うのかどうか。これはマジで大事だ。2人をギルド所属にするなら、この2人が何かギルドに問題が起きた時に招集される可能性もあるし、ギルド所属で無ければ何かしら謝礼というか、報酬を踏み倒される可能性もある訳だ
「それは話を受けた段階でもう断れないと思うのだが?」
「それは……」
間違いなく、これはギルドと関わるクエストになっていると思う。2人を仲直りというか、ある程度友達位の関係性にしたと思ったけど、クエストが終わらないなぁと思ったらこれだ。これはまた苦労する事になりそうだな……
「はぁ、分かった。2人はどうする?因みに言っておくけど、僕はギルドに所属はしていない。今更したいとも思わないから、3人で所属するとかは無いよ」
大体の理由として、移動する時の身分証や、お金稼ぎが筆頭だろうけど、身分証に関してはモルガ師匠から貰ってるし、お金稼ぎは必要ないから、参加する意味が無い。それなのに、緊急クエスト的なのが起きたら参加を要請されたりするなら面倒な事この上ない。ここだと割と本気で猛吹雪に食料調達任務とか、物資調達任務とかあってもおかしくないから尚更所属するつもりもない
「ボクも遭難した人を街に送り届ける位なら別に良いけど……流石にただこの街の為に働けって言うのなら別に今まで通りで良いかな」
「それはそうだ。こちらとしても別にこの街が無くても私には特に関係は無いからな」
「オッケー。それで全然良い。そうだなぁ?こっちとしては街で買い物とか出来るかもしれないから来たに過ぎないけど、そういうのも難しいのであれば、この街に来る必要性も無いから戻ろうか」
「お待ちください!街に入るのは構いません……こちらも仕事でして……」
まぁ、上に逆らえないっていうのは下っ端って言うのは失礼だけど、何かしらに所属している者の辛い所だよなぁ……
「そりゃあ、すまなかったね。でも、こっちも元々街に所属するつもりもないのに、勝手に歯車の1つにされても困るからさ?そういうパーツを無理に機械にはめ込もうとするとどうなるか……分かるだろう?」
「はい……私は何も見て居ません。ただ、救世主様のお弟子さんが連れの方々と共に街に入った事だけ記録させてください……それだけは業務として……」
それは仕方ないよなぁ……
「分かった。こっちも大分無理を言ってるからね。ただ、情報がギルドに漏れて、2人に勧誘とかあったら……この街のあの真ん中にある巨大な機械を興味本位でバラしちゃうかもしれないね?」
街全体に熱を供給するボイラー的役割をしている機械をバラすとまで言えば流石に街の住人ならこれ以上首を突っ込もうとはしないだろう
「肝に銘じておきます……」
「という訳で、早速街に入ろうか」
「あの様な脅しが必要なのか?」
「流石にやり過ぎな気がしたけど……」
そりゃあ確かに、話を聞いてくれませんか?って話を全く聞かずに、むしろこっちの存在をバラしたら街を機能不全にするみたいな脅しは過剰かもしれない
「人間ってのはいっぱい居て、僕みたいなのも居れば、厄介なのも居るから何処かに所属するとかは出来るだけ慎重に決めた方が良いんだよ。これで下手に話を聞いてたら、どれだけ今が悲惨な状況かとかを普段以上に盛って話して、ほぼ毎日ただ働きみたいな状態にさせられる可能性もあった訳だし、2人は可能な限り今の状態を維持出来た方が良いでしょ?まぁ、最終的に追われる立場とかになったらいつでも、匿えるけど……こうなったのも、街に行ってみようって提案した僕のせいでもあるし、2人を守る為にちょっと過剰というか、過敏になっていると思ってくれたら」
あの人には必要以上に脅してしまったかもしれないけど、この街の為に動きたいと考えるのであれば、それは2人の意思でもあるし、まずはこの街を見て回った方が良いだろう
「まぁ、僕もそこまで知らないんだけど、普通の人間はある程度温かさが必要で、あの街の中央に見えるあの機械で熱を生み出して、この街全体を温めて人が住める様にしてるんだよ」
「じゃあ、特に防寒らしい装備もしてなかったハチは普通の人間ではないって事になるんだけど……」
「それは、僕が魔法で防寒してたからだね?ただ、その魔法も制限時間があるから、掛け直しも必要だけど、ここのはそれを機械でやっている様な物だから、街に住んでる時に態々魔法をかけるとかしなくていい訳だし……」
この際だし、シクサームの街をもっと見て回っても良いかもしれない。そんなにこの街自体は見れてないから、これで何か発見出来るかもしれないし、2人が持って来た物が売れるかどうかも、市場調査的な感じで売っている所とかもないか探してみよう!




