氷壁の奥へ
「おっ!あそこが終点かな?」
氷壁に真淵を爪の様に引っ掛ける形でブレーキを掛ける。あの終点らしい所にこのクレバスの一番深い所に辿り着けるかな
「ふぅ、止まった。さて、これはどうなる?」
一応、何とかブレーキが効いてクレバスの底の部分に辿り着けた。おかしいな……サバイバルする気満々だったのに、完全にこれはサバイバルではなく、冒険だ
「うーん……なんだこの扉は……」
明らかに、クレバスの底にあったらおかしいと言える扉が氷壁に付いていた。これは確実に何者かが、ここに来た事があるって言って良いのかな?
「鍵は……付いてるのか。うぅむ……」
うーん……クレバスの底の扉に鍵……いや、流石にこの鍵はこのクレバスの何処かにあるんじゃないかな?
「このクレバスを降りるのも一苦労だし、流石にクレバスの中だけで完結してるんじゃないかな……」
RPG的に考えて特定の場所の鍵がエリアを跨いで別の所にあるって言うのは、割とアクセスが良い所の鍵であれば別のエリアにあるって話も納得出来るけど、流石にこういう所の鍵は同じエリアの何処かに落ちてるだと思うんだよなぁ……
「やっちゃうか。ライマーさん」
『おっ?また鍵開けか?』
「はい。お願いします」
『了解。準備出来てるぜ』
ライマーさんの準備が出来たみたいだから呼んで、鍵を開けてもらう。うん、しっかり解錠出来た。やっぱなんだかんだ言ってもライマーさんも普通に激ヤバな能力を持ってるよなぁ……単純に僕を止めるとなると、物理鍵だとライマーさんで強行突破が出来てしまうし、特殊なパーツをいくつか合わせて鍵になるみたいな物だと1つパーツがあればリペアリキッドで足りない部分を埋めて開けられるみたいな話になっちゃうから、条件で開くタイプの扉じゃないと止められないって僕も運営にとって中々厄介な存在になってしまったなぁ?
「まぁ、勿論使える物は使っていくけどね」
「開いたぜ?」
「ありがとうございます。それじゃあ、この先に行ってみますかぁ」
ライマーさんによって鍵が開かれ、氷壁の扉が開く
「ふむふむ。この先何が待ってるかなぁ?」
扉の先に黒氷の通路があるが、この先は壁に光の粒が埋まっていないから真っ暗だ。まぁ、【ゲッコー】の効果で先は見えるんだけどね?
「とりあえず、ライマーさんはまた呼ぶかもしれないけど、安全の為にも一回帰還して」
「はいよ」
一旦ライマーさんを戻す。いつ戦闘になるか分からないしね
「おっ?暗くて良く見えないけど、これ……骨か?」
氷壁の中をよく見て見ると、氷の中に骨とかが見える気がする。オーラはかなり薄いから、本当に薄っすら何かあるなぁ位だけど
「これは過去の生物が氷漬けになってる?」
だとしたらここはかなり歴史的価値が高い所だよなぁ……
「む?」
何かこの道の先に居るな……オーラからして動いてるぞ?
「よし、ゆっくり行こう」
どんな生物が居るか分からないから慎重に行こう
「サーベルタイガーみたいなのがまだ生き残ってたり……いや、そもそもこんな所だと食料が無いか」
マンモスやサーベルタイガーなんて生き物が実はまだこの中で生きていて……なんて考えたけど、そもそも食料が無いだろうから、ここで生き延びる事が出来ないだろう。となると、ここに居る生物っぽい反応は何の反応だ?
「あれは……なんだ?」
何か白い雪玉?毛玉?に棒の様な手足が生えて、何か運んだりしている。何を運んでるんだ?
「骨?」
どうやら運搬しているのは骨っぽいが、あの骨は何処から出て来たんだ?
「お、おぉ……」
ドンドン奥の方に色々持っていくからそれを見ていたら玉座の様な物の所に骨が山積みになっている
「あの骨には何かあるのか?」
うーむ、あの骨がどうなるのか変化があるまで観察すべきか……それとももう姿を現してあの毛玉とも雪玉とも言えない生物?に声を掛けてみるか……
「よっと。ねぇねぇ。ちょっと良いかな?」
「「「!?」」」
雪玉達が驚いて尻もちをついている。近くで見たら、どうやら雪で合ってたみたいだ
「驚かせてごめんね。ここってどういう所なのかなって思ってね?あとこの骨とか何に使うのかなぁって……あ、ちょ!?」
話をしていたら、雪玉達が骨を持ってこの場から散って行ってしまった。うーん、失敗したか……
「あ、あー、お客さん。いらっしゃい!」
「おっ?こんな所に人……いや、人じゃないね?」
「はっは!凄いね!そんなすぐにわかっちゃう?」
「ちょっと人……にしちゃ歪ですからね。多分人の真似をして、僕にショックを与えない様にしてくれてるのかもしれませんが……」
「ありゃりゃ、人に会うのも久しぶりでね?」
「あの、ここは貴方の場所でしょうか?」
「あぁ、うん。そうなんだ。確か鍵を掛けてたと思うんだけど?」
「すみません。鍵を開けて入って来ちゃいました」
「いやいや、久しぶりに人と話せて良かった。ちょっと話を聞いてくれるかな?」
「良いですよ。僕も久々にサバイバルしようと思ってたんですけど、好奇心に負けてここに来たんで……」
「あっはっは!君。面白いね!こりゃあ楽しそうだ」
この相手。多分男性だと思うけど……まぁ、ちょっとずつ距離を詰めていこう




