最後の輝き
「よしよし、とりあえずこれだけ薙ぎ払っておけばある程度満足でしょ……とりあえず弱点部位に関しては……あ、そうだ」
探照灯を付けたドローンを空に飛ばしておく。丁度良い事に良い感じに雲が月を覆っているから、タイミング的にもバッチリだ
「この無敵のクイーンズリベンジャーを沈められる船などないのだ!はーはっはっは!」
高笑いしてフラグを建てたそのタイミングで月明りに見せかけた探照灯で船の上部のみを照らす。そうすると、一応弱点部位としていたクイーンの像が少し輝いて見えるはずだ
『どうやらジェイド達は気が付いたみたいよ?貴方に水中から奇襲をかけてくれって。あの上部の光る部分こそが弱点だって言ってるわ』
「おぉ、気が付いてくれましたか。それじゃあこっちもそろそろ演技を始めるので、マンマミーヤンの人達を全員撤退させて、ポータルも使い終わったら回収のアブダクター部隊をそちらに送りますので、白玉さんも帰還してください。申し訳ありませんが、そのマンマミーヤンも破壊しなければならないので……」
『ええ、分かっているわ。そうだろうと思ってもう皆撤退させてる。船を動かす為の最低限の人間位しか今は居ないわね』
「了解です。こちらが動いたら、もう全員撤退で構いません」
流石。こっちの意図を分かってくれてると本当に助かる。これは今後とも良いお取引きを是非ともさせてもらいたいね
「さて、という事でこのプランも最終段階となりました。それでは皆さん。撤退準備を」
『こちらクイリベ攻略班!ブラックメイルティーチの捕縛完了!船も確保した!いつでも良いぞ!』
グッドタイミング。これはいつでも撤収出来る訳だ。それじゃあ、最後に全員を仕留めて終わりとしますかぁ!
「はーはっはっは!貴様らでは我が船を……なんだァ!?」
大仰に振る舞っている最中に水中から水柱が上がる。まぁ、船を爆発させる為に作った爆薬の残りで上向きの爆破をする本当に見た目だけな爆弾による魚雷がヒットしたかの様な演出だ
「ば、バカな!?この船が沈むだと!?ええい!守護の姫像はどうなっている!あっ……」
そこで畳みかける様な失言。さぁ、皆。しっかり狙って撃ってくれよ?
「と、取り舵!急いで取り舵だ!」
このタイミングで普段は守られていて平気だった乗組員達が不意の一撃でパニックになっていると分かりやすく船上をバタバタ走り回り、攻め時だと知らせる
「上部のあの像を狙い打て!」
「「「撃ぇー!」」」
「「「ファイヤー!」」」
そうこうしている内に、こっちの乗組員の撤退が完了。レイカさんもこのタイミングでしっかり逃がしたから問題無いだろう。これで船の上に残っているのは僕だけだ
「ぞ、像がっ!マズイ!?ま、魔力が暴走して……爆発するっ!?ええい!こうなったら道連れだァ!!」
今まで封印していたレーザーの出力を最大まで上げて、まずはマンマミーヤンを吹っ飛ばす
「はーはっはっは!全て、全て道連れだァ!はーはっはっは!」
喉が枯れるんじゃないかと思うくらい高笑いをしながら、レーザーで周辺の船の悉くを破壊していく。勿論、自身の船もレーザーで切り裂きながら船が最後の1隻になるまで発射して沈めていく。最後の1隻には僕が死ぬ所を見てもらわないといけないからね
「はーはっはっは!終わりだ!もう終わりだ!だが、貴様らにこの船も財宝もくれてやる物かァ!全員残らずこの海の藻屑となり果てろォ!」
ヤミィさんの力でもう一度だけ暗闇にして、精霊達の力で最後の1隻を持ち上げる。そうしてその最後の1隻に対して突撃して終わらせに行く……そうなる前に船に仕込んだ爆薬が遂に炸裂する。こうすれば見やすいだろう?
「はっ!いやぁ、そりゃあ一発で【光子化】が発動するよねぇ?」
爆発により、僕のHPは簡単に吹き飛んだ。でも、死に至る一撃は【光子化】によって防げる。勿論今は爆破地点付近で光の粒子となった僕が集合して意識を取り戻したけど、ここで集合すると、後が面倒なので、その粒子のまま、水中に潜り、ネレイドの中まで行く
「ふぅ……今回も死んだかと思った」
「疑。それは既に人の技ではない気がしますが、お帰りなさいハチ艦長。上の偽装部分の切り離しは完璧に完了しています」
「了解。それじゃあ、最後の船の人達を救助しに行こうか」
海に投げ出された人達を浮上したネレイドの浮上部分に乗せる。ヤミィさんが最後に太陽を隠してから複合精霊達が持ち上げた船だったが、爆風の影響もアリ、更に高い所から落とされた事で見事に木端微塵。でも、一度見せた攻撃方法で脱出すれば救助の可能性があるという情報も流していた事から、結構な人がその辺の海に漂っていた。だからこの人達を回収して、救助は完了だ
「な、なんだこの船は……」
「これが……水中から?」
「技術力が違い過ぎる……」
救助された人達の中にはジェイドさんやらゲロ宮……こほんガチ宮さん。グランダさん等見た事ある人が結構居た。つまり、最後の1隻は図らずもあの人達だった訳だ
『これにてイベント。造船!突撃!大海戦!海賊連合を打倒せよ!を終了します。参加して下さった皆様お疲れ様でした』
オーブさんの声が聞こえて来たと思ったら、次の瞬間にはいつもの真っ白空間に飛ばされていた




