ハティーチ
「この通達。肝心のブラックメイルティーチさんとクイーンズリベンジャーの画像とかは有りません。という事は、どんな船が肝心のクイーンズリベンジャーなのかはまだ分からないハズですよね?」
この通達自体は多分イベント参加者全員が受けてるはずだ。前の運営側に回った時みたいな個別の奴では無いからこれなら行けると思う
「で、問題は多分このクイーンズリベンジャーが沈んだらイベントは終了だと思うので、確実にクイーンズリベンジャーを僕らが確保しつつ、尚且つ、ブラックメイルティーチさんが生存状態でまだ負けていないという状況を作らないといけません」
「ちょっと待ってくれハチ君。まさか……」
ハスバさんが一旦止めに入るけど、悪いがもう止まらないぜぇ?
「僕らがブラックメイルティーチを騙り、ネレイドをクイーンズリベンジャーと誤認させて、僕らが味方の船を襲います」
言ってしまえばPVPだ。これは正直かなり危ない気はする。協力イベントでPVPをする意味はまず無い。まぁ、PVPと言っても、船での戦闘だけで直接白兵戦をする気も無ければ、接近させる気も無いが
「本当にやるんだな?」
「ハチさんがこのイベントのラスボスを騙るって事は本物のラスボスはどうするんです?」
実際、騙るだけなら簡単だろう。ネレイドを晒して、僕が……まぁ付け髭でもして「我はブラックメイルティーチ!」とか言っておけば一応確証は取れなくてもその時点でその場でのブラックメイルティーチは僕になる
「そう。この作戦で重要なのはブラックメイルティーチ役をやる方と、本物のブラックメイルティーチを制圧する方の2つの班に分かれる事。何より他の人が先にブラックメイルティーチを発見するよりも先に動かないといけないから、これ以上はもう移動しながら話すしかない。だから、ここに居る皆は今決めてくれ。僕らに付いてきて海賊となるか、僕らから離れて傍観するか……」
ラスボスの入れ替わり。本物を抑えている間に、僕がブラックメイルティーチとなり、仲間の船を沈める。かなり罪悪感はあるが、ラスボスにやられて復活待ちの間に沈められた。ならまだイベントとしては納得出来る終わりだろう。皆の報酬をアップする為にこの演技は必要なんだ
「そんなの……ついて行くしかないでしょう!」
「ここで断るなんざ男が廃るぜ!」
「これが……行きます!お供させてください!」
周りの人達全員が付いてきてくれると言ってくれた。これだけでも充分だ
「皆さん……いや、ここは今からしっかり役に入っておきますか。お前ぇら行くぞ!出航だー!」
「「「「アイアイサー!」」」」
凄い一体感だ。よし、これなら行ける気がする!
「という訳で、重要になって来るのが、役割分担です」
一度各船の船長クラスや主力級の人にマンマミーヤンに集まってもらって会議をする
「今回、とにかく速やかなラスボスの制圧が重要な任務になります。なので、討伐ではなく、制圧メンバーの選定が大事だと思います。なので、この連合の中から制圧に向いてるって人が居たらピックアップして、その選抜メンバーでクイーンズリベンジャーの制圧を任せたいんです。状態異常を使える人は特に良いかもしれません」
大事なのは討伐力ではなく、制圧力。相手を殺すのではなく、制する能力に長けてる人の方が重要度が高い
「制圧……といっても、具体的には?」
「そうですね。個人的にはウチからはハスバさんとドクター辺りが制圧には向いていると思っています。ハスバさんが挑発でヘイトを集めている間にドクターの麻痺やら毒やらで相手を制圧。そして、もしブラックメイルティーチがそういった攻撃に対して耐性を持っていたとしても、ハスバさんの戦闘力で皆を守れると思っています。ドクターなら急速回復出来るポーションとかもあるでしょうから、ハスバさんが負傷しても、即治療も出来ますからね」
制圧という事に関してはこの2人が居れば僕はかなり安心出来る。勿論ダイコーンさんとかも居たらその制圧力は更に増すとは思うが……それだと、僕らだけで全ての事をする事になってしまう
「でも、このイベントのラスボス相手ですから、勿論、2人だけでは足りないとも思ってます。なので、皆さんにも制圧に協力してもらって、クイーンズリベンジャーを確実に確保、ブラックメイルティーチを捕縛する為の即席チームを組んでもらいたいんです」
即席チームは安定感には欠けるだろうけど、各々が競い合ってくれれば、制圧力もグッと良くなると思う。何よりハスバさんを出すんだから、多分ちょっと煽って皆の闘争心をくすぐってくれるんじゃないかなぁ?
「あとそれとは別に、今急ピッチでやってますが、ネレイドに後付け甲板を用意して、そこに並ぶ形で海賊団っぽくしたいんですが、多分僕らだけだと、変装してもバレる気がするんで、ちょっと色んな所の人を借りたいんですけど……良いですかね?」
流石にラスボス一人だけだと明らかに怪しいし、ここは、ちょっと色んな人達を甲板に並べて、よりらしさを出したいな?




