3月28日
今日は卒業式だった。
どうでもいい卒業式。
3年を代表して金崎が舞台に立った。
本来ならば僕があそこに立っていたはずだ。
容姿も頭も運動もアイツより僕の方が断然上だ。
先生もそれは知っているはず。
だけど、僕にこの話はしてこなかった。
もし言ってきたら断ろうって思ってたのに、言っても来なかった。
担任をチラリと横目で見ると目が合った。
合った瞬間にすぐ目を逸らされた。
生徒の顔もまともに見ることが出来ないのか。
チンケな奴だ。
金崎のどうでもいい話が終わり体育館に拍手が鳴り響いた。
僕は拍手なんてしないさ。
なんだ、皆、チンパンジーの玩具みたいに。
特に保護者。
式も終わり、さっさと帰ろうと思った。
校門を出ると「先輩写真撮りませんか?」と女子が言い寄って来る。
うざいから全部手で跳ね除けてやった。
「あのう…。先輩、めげずに頑張って下さい。」
少し頬をピンク色に染めたおさげの女の子がハート模様の手紙を渡して来た。
僕は、この「頑張って下さい」って言葉が大っ嫌いだ。
頑張って下さいって言葉は頑張ってない奴に言う言葉で
僕のように12年間寝る間も惜しんで勉強してきたやつに言う言葉ではない。
これ以上どうしろと?寝るなと言いたいのか?
とりあえず、うざいので素通りした。
おさげの女の子は少し泣きそうな顔をしていた。
泣きたいのはこっちだ。
恋の悩みなんてどうでもいいし、僕には関係ないから。




