最終章
あの後----
僕は病院へと連れ帰られ、こっぴどく怒られた…
お世話になった先生や看護婦さんに挨拶をし、
退院することになった。
「もう、あんな事するんじゃないぞ。
せっかく助かった命だし。奇跡中の奇跡だからね。人生楽しめよ」
先生の言葉が胸に響いた。
「はい!僕、絶対に頑張ってみせます。」
そう言って頭を下げた。
こんなに清々しい気分は久しぶりだった。
◆
次の日---
僕は国立図書館へ向かう。
----真実を確かめたかったから。
過去数十年分の新聞を洗いざらいに調べた。
来る日も来る日も図書館へ通った。
そして--------
見つけたんだ…
やっと君を。
◆
平成元年4月12日
恋人を追っての自殺か。
東京都○○区の竹内登紀子さん 当時(20歳)は、
三ケ池から飛び降り13日後の4月11日水死体となり発見された。
死亡解剖の結果、死亡推定時刻は3月29日夕方16時未明頃と発表された。
小さく書かれた記事に
登紀子さんの笑顔の写真が載っていた…
18年後の3月29日…
16時未明頃…
この時間に僕は登紀子さんに確かに出会った‥
リセットは16時‥
13日後に水死体で発見…
「明日は13日目だからだめなの‥」
登紀子さんの言葉を思い出す。
確かに、僕が見たなかで…
13日目の登紀子さんは…
思い出したくもない程ひどい状態だった…
僕は…
人目も関係なく、泣いた…
新聞をグチャグチャに握りしめて…
◆
登紀子さんは、こんな愚かな僕に
教えてくれたんだ。
私のようにならないでと…
見せたくない姿をさらけ出し
僕の過ちを正すかのように
泣き叫び…
怒り…
そして…
僕を助けてくれた…
僕をあの暗い暗いトンネルから
引き出してくれた…
輝かしい【蛍】となって…
◆
PM16:00
僕は花束を持ってこの場所に立っている…
もう逢うことはないだろう…
空を見上げる…
夕日がとても綺麗だった。
登紀子さん…恋人には逢えましたか…?
もうきっと、逢えましたよね?
だって僕には貴方の笑顔が見えますから…。
結局、僕が入り込む隙なんてなかったですね…
‥と僕は微笑んで、花束を投げた。
-------ありがとう…
そう聞こえた気がした…
完




